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【参考資料5】抗微生物薬適正使用の手引き 第三版 別冊 (12 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_45318.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 感染症部会 薬剤耐性(AMR)に関する小委員会 抗微生物薬適正使用(AMS)等に関する作業部会(第6回 11/19)《厚生労働省》 |
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抗微生物薬適正使用の手引き
第三版
別冊
第 4 世代セファロスポリン系抗菌薬であるセフェピムは、AmpC 過剰産生株に対しても活性が
安定しており、観察研究では染色体性 AmpC 産生菌感染症において、カルバペネム系抗菌薬と同
等の治療成績が報告されている 48。但し、染色体性 AmpC 産生菌において、セフェピムの MIC
が感受性域(≤2 μg/mL)にない場合には、ESBL 産生菌の可能性があり、確認検査で ESBL 産生
菌と判定された場合には、セフェピムは選択肢とならない(補遺 p.9-10 参照)。
タゾバクタム/ピペラシリンは、染色体性 AmpC 産生菌菌血症においてメロペネムと比較した
RCT49 で、臨床的及び微生物学的転帰の複合アウトカムで予後に差を認めなかったが、症例数が
少なく(両群併せて 72 例)、決定的な結論は得られず、今後のより大規模な RCT が待たれる状
況である。一部の観察研究では、染色体性 AmpC 産生菌菌血症において、カルバペネム系抗菌薬
よりもタゾバクタム/ピペラシリンで死亡率が上昇することが報告されているため 50,51、特に重症
感染症でのタゾバクタム/ピペラシリンの使用は慎重に検討する必要がある。
非 β-ラクタム系抗菌薬は AmpC の影響を受けないため、染色体性 AmpC 産生菌感染症であっ
ても、感受性さえ確認できれば、ST 合剤やフルオロキノロン系抗菌薬は全身感染症、アミノグ
リコシド系抗菌薬は UTI において、有効な治療選択肢となる。特に ST 合剤やフルオロキノロン
系抗菌薬は経口吸収率も高いため、早期の経口抗菌薬への切り替えを目指す際にも利用できる 52。
いずれの状況であれ、判断困難な場面では感染症専門医や院内の AST へのコンサルトを推奨す
る。
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第三版
別冊
第 4 世代セファロスポリン系抗菌薬であるセフェピムは、AmpC 過剰産生株に対しても活性が
安定しており、観察研究では染色体性 AmpC 産生菌感染症において、カルバペネム系抗菌薬と同
等の治療成績が報告されている 48。但し、染色体性 AmpC 産生菌において、セフェピムの MIC
が感受性域(≤2 μg/mL)にない場合には、ESBL 産生菌の可能性があり、確認検査で ESBL 産生
菌と判定された場合には、セフェピムは選択肢とならない(補遺 p.9-10 参照)。
タゾバクタム/ピペラシリンは、染色体性 AmpC 産生菌菌血症においてメロペネムと比較した
RCT49 で、臨床的及び微生物学的転帰の複合アウトカムで予後に差を認めなかったが、症例数が
少なく(両群併せて 72 例)、決定的な結論は得られず、今後のより大規模な RCT が待たれる状
況である。一部の観察研究では、染色体性 AmpC 産生菌菌血症において、カルバペネム系抗菌薬
よりもタゾバクタム/ピペラシリンで死亡率が上昇することが報告されているため 50,51、特に重症
感染症でのタゾバクタム/ピペラシリンの使用は慎重に検討する必要がある。
非 β-ラクタム系抗菌薬は AmpC の影響を受けないため、染色体性 AmpC 産生菌感染症であっ
ても、感受性さえ確認できれば、ST 合剤やフルオロキノロン系抗菌薬は全身感染症、アミノグ
リコシド系抗菌薬は UTI において、有効な治療選択肢となる。特に ST 合剤やフルオロキノロン
系抗菌薬は経口吸収率も高いため、早期の経口抗菌薬への切り替えを目指す際にも利用できる 52。
いずれの状況であれ、判断困難な場面では感染症専門医や院内の AST へのコンサルトを推奨す
る。
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