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【参考資料5】抗微生物薬適正使用の手引き 第三版 別冊 (19 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_45318.html
出典情報 厚生科学審議会 感染症部会 薬剤耐性(AMR)に関する小委員会 抗微生物薬適正使用(AMS)等に関する作業部会(第6回 11/19)《厚生労働省》
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抗微生物薬適正使用の手引き

第三版

別冊

以下 3 つのすべてに合致する場合、
「非重症例」の判断の目安とする。いずれか 1 つ以上に合
致しない場合、
「重症例」の判断の目安とする。
表 7. 非尿路感染症の重症例と非重症例の判断の目安 80-84


血行動態が安定化している

<例>
 初期輸液蘇生で血圧維持が可能で昇圧剤の使用を要さない
 頻脈(130 回/分以上)や頻呼吸(25 回/分以上)がない
 SpO2 93%以上(既知の慢性閉塞性肺疾患[chronic obstructive pulmonary disease: COPD]がある場合、
89%以上)を維持するために FiO2 40%相当以上の酸素投与が必要ではない
 収縮期血圧が 90mmHg 以上(もしくは[普段の収縮期血圧-40mmHg]以上)
 18 時間以上の無尿状態ではない、もしくは 0.5mL/kg/時 以上の尿量がある
 皮膚・口唇・舌のチアノーシス、皮膚の蒼白、斑状皮疹がない
 「圧迫にて退色しない皮疹」がない


免疫不全がない(もしくはあっても患者の状態が安定している)

<例>
 好中球減少症(<500/μL)
 AIDS 確定例(CD4<200mm3 もしくは AIDS 指標疾患あり)
 ステロイド使用(プレドニゾロン 20mg と同等量/日以上を 2 週間以上)
 6 か月以内の抗がん剤治療
 1 か月以内の免疫抑制剤・生物学的製剤(TNF 阻害薬、抗 IL-6 受容体抗体、T 細胞選択的共刺激調節剤、抗
CD20 抗体、メトトレキサート等)
 1 年以内の造血幹細胞移植
 固形臓器移植
 先天性免疫不全


ソースコントロールができている

<例>
 感染した人工物やカテーテル・デバイスの除去、感染性液体貯留のドレナージ、感染した尿路・胆道の閉塞
の解除等

【非尿路感染症(重症例)の具体例】
●症例 1:直腸癌 Stage IIIa で術前化学療法後の根治目的で直腸切除術施行された 50 代男性。術
後縫合不全により二次性腹膜炎を来たし敗血症性ショックに至った。血液培養と腹腔ドレーン挿
入時(腹水)の培養から IMP 型の CPE が分離された。
●症例 2:総胆管結石による急性閉塞性化膿性胆管炎により、敗血症性ショックと急性腎障害を
きたした 60 代女性。血液培養並びに緊急胆道ドレナージ術施行時の胆汁培養より non-CP-CRE
が分離された。

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