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【参考資料5】抗微生物薬適正使用の手引き 第三版 別冊 (34 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_45318.html
出典情報 厚生科学審議会 感染症部会 薬剤耐性(AMR)に関する小委員会 抗微生物薬適正使用(AMS)等に関する作業部会(第6回 11/19)《厚生労働省》
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抗微生物薬適正使用の手引き

第三版

別冊

侵襲性カンジダ症に対しては、殺菌性作用を示すエキノキャンディン系(ミカファンギン、カ
スポファンギン)かポリエン系(アムホテリシン B、アムホテリシン B リポソーム製剤)が第一
選択であり 171,178,179、一般的には薬剤の副作用や耐性が比較的少ないエキノキャンディン系抗真
菌薬を選択することが多い。C. parapsilosis に対しては薬剤感受性結果に基づき、アゾール系や
エキノキャンディン系を選択する。C. glabrata と C. krusei に対してはエキノキャンディン系抗
真菌薬を選択する 179。侵襲性カンジダ症に対するエキノキャンディン系、ポリエン系、アゾー
ル系抗真菌薬の効果を比較したメタアナリシスでは、エキノキャンディン系抗真菌薬が最も治療
成功率が高かったが、生存率の有意差は見られなかった 180。抗真菌薬の分類(表 16)と投与量
(表 17)は以下に示した。
カンジダ菌血症を認めた場合は、早期に眼内炎を評価するための眼底検査(7 日以内)と感染
性心内膜炎を除外するための心エコー検査(できれば 24 時間以内)を実施する 178,179。
治療開始から 5-7 日間経過しカンジダ菌血症消失を確認し、全身状態が安定しており薬剤感受
性が良好であれば、エキノキャンディン系やポリエン系からアゾール系抗真菌薬への狭域化を検
討する 178,179。
抗真菌薬の一般的な投与期間は、感染転移巣や好中球減少のないカンジダ菌血症では陰性化が
確認されるまで毎日(あるいは隔日)血液培養を繰り返し、培養陰性化と症状消失から 14 日間、
カンジダ感染性心内膜炎で手術後最低 6 週間(手術不可能な場合は長期間)、カンジダ腹腔内感
染症では感染巣がコントロールされ症状消失するまで、カンジダ眼内炎では最低 4-6 週間、カン
ジダ複雑性尿路感染では 14 日間である 178,179。
感染症科へのコンサルテーションはカンジダ血症の 30 日予後で独立した改善因子であり、可
能な施設では積極的に感染症専門医へのコンサルテーションを考慮する 181。
表 16. 抗真菌薬の分類
エキノキャンディン系

ポリエンマクロライド系

アゾール系

ミカファンギン

アムホテリシン B

カスポファンギン

上記のリポソーム製剤

作用

殺菌性

殺菌性

静菌性

機序

細胞壁合成阻害

細胞膜破壊

細胞膜合成阻害

眼・尿路・中枢神経へ浸透

肝・腎障害

肝障害

しにくい

電解質異常

薬剤相互作用多い

点滴のみ

発熱

催奇形性

主な薬剤

注意点

34

フルコナゾール