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【参考資料5】抗微生物薬適正使用の手引き 第三版 別冊 (8 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_45318.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 感染症部会 薬剤耐性(AMR)に関する小委員会 抗微生物薬適正使用(AMS)等に関する作業部会(第6回 11/19)《厚生労働省》 |
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抗微生物薬適正使用の手引き
第三版
別冊
(3) 腸内細菌目細菌
(i)
概要
疫学の概要と臨床的特徴
腸内細菌目細菌は、消化管内の市中感染の原因となることもあるが(Salmonella 属、Shigella
属、下痢原性大腸菌)、消化管外の感染症の原因菌となることが多く、すべての臓器において市
中感染及び院内(医療関連)感染の両方を引き起こす可能性がある。特に大腸菌は市中の UTI 等
の原因菌としても重要である。薬剤耐性の腸内細菌目細菌は病院でのアウトブレイクに関与する
こともあり、感染対策も重要となる 2。
微生物学的特徴
近年、ゲノムシークエンスデータを用いた系統解析分類の結果、これまでの腸内細菌科細菌
(Enterobacteriaceae)と同義の用語として、より上位レベル(目:order)である腸内細菌目細
菌(Enterobacterales)を使用することが提唱された 23。腸内細菌目細菌はブドウ糖を発酵的に
分解し、オキシダーゼ試験が陰性の通性嫌気性のグラム陰性桿菌であり、ヒトの感染症に関与す
る多くの細菌が含まれる 24。入院患者における感染症において頻度等の点から代表的な菌を補遺
の表に示した(補遺 p.7 参照)
。多くの抗菌薬耐性メカニズムを有し、特に β-ラクタマーゼ産生
による β-ラクタム系抗菌薬耐性(ペニシリナーゼ、ESBL、カルバペネマーゼ、AmpC 産生等)
、
キノロン耐性等が問題となっている。
治療方針
原則的に薬剤感受性に応じた治療を行う。経験的に治療を開始する場合には、JANIS(Japan
Nosocomial Infections Surveillance:院内感染対策サーベイランス事業)の各医療機関に対する
還元情報 PDF に含まれるアンチバイオグラムを参考にする(J-SIPHE[Japan Surveillance for
Infection Prevention and Healthcare Epidemiology:感染対策連携共通プラットフォーム]の還元
情報でも作成が可能)。ESBL 産生菌、AmpC 産生菌、Carbapenem-resistant Enterobacterales
(CRE)の治療の詳細は各項目に記載した。
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第三版
別冊
(3) 腸内細菌目細菌
(i)
概要
疫学の概要と臨床的特徴
腸内細菌目細菌は、消化管内の市中感染の原因となることもあるが(Salmonella 属、Shigella
属、下痢原性大腸菌)、消化管外の感染症の原因菌となることが多く、すべての臓器において市
中感染及び院内(医療関連)感染の両方を引き起こす可能性がある。特に大腸菌は市中の UTI 等
の原因菌としても重要である。薬剤耐性の腸内細菌目細菌は病院でのアウトブレイクに関与する
こともあり、感染対策も重要となる 2。
微生物学的特徴
近年、ゲノムシークエンスデータを用いた系統解析分類の結果、これまでの腸内細菌科細菌
(Enterobacteriaceae)と同義の用語として、より上位レベル(目:order)である腸内細菌目細
菌(Enterobacterales)を使用することが提唱された 23。腸内細菌目細菌はブドウ糖を発酵的に
分解し、オキシダーゼ試験が陰性の通性嫌気性のグラム陰性桿菌であり、ヒトの感染症に関与す
る多くの細菌が含まれる 24。入院患者における感染症において頻度等の点から代表的な菌を補遺
の表に示した(補遺 p.7 参照)
。多くの抗菌薬耐性メカニズムを有し、特に β-ラクタマーゼ産生
による β-ラクタム系抗菌薬耐性(ペニシリナーゼ、ESBL、カルバペネマーゼ、AmpC 産生等)
、
キノロン耐性等が問題となっている。
治療方針
原則的に薬剤感受性に応じた治療を行う。経験的に治療を開始する場合には、JANIS(Japan
Nosocomial Infections Surveillance:院内感染対策サーベイランス事業)の各医療機関に対する
還元情報 PDF に含まれるアンチバイオグラムを参考にする(J-SIPHE[Japan Surveillance for
Infection Prevention and Healthcare Epidemiology:感染対策連携共通プラットフォーム]の還元
情報でも作成が可能)。ESBL 産生菌、AmpC 産生菌、Carbapenem-resistant Enterobacterales
(CRE)の治療の詳細は各項目に記載した。
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