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【参考資料5】抗微生物薬適正使用の手引き 第三版 別冊 (31 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_45318.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 感染症部会 薬剤耐性(AMR)に関する小委員会 抗微生物薬適正使用(AMS)等に関する作業部会(第6回 11/19)《厚生労働省》 |
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抗微生物薬適正使用の手引き
第三版
別冊
なお、下痢、イレウスや中毒性巨大結腸症がない患者に検査を行わない。特に NAAT 検査の過
剰使用により偽陽性となり過剰な治療がされていることが指摘されている 160。
また、繰り返し検査は行わない(但し 1 週間経過しても可能性が残る時は再検も考慮される)。
また、治療後の検査は推奨されないため、転院時等に治療後の患者に検査を求めないことを推奨
する。
CDI は再発することが特徴的な感染症である。再発性 CDI は、CDI 発症後 8 週間以内に CDI を
再度発症したものと定義されている 155,159,161。適切な治療後でも 30%程度が再発することが報告
されており、初感染後の再発は 10-20%、再発例の再発(再々発)は 40-65%に及ぶ 162-165。以下
のようなリスクの例があげられている 155:高齢(65 歳以上)
、抗菌薬の使用、重篤な基礎疾患の
存在、CDI の既往、PPI の使用、医療関連 CDI(発症前 3 か月以内の入院歴)。
治療方針
まずは、使用中の抗菌薬があれば、終了可能なものは終了する。
治癒率ではフィダキソマイシンとバンコマイシンの差はないが、再発率でみるとフィダキソマ
イシンの方が低い 166。但し、コストの面の違いも大きく再発か否かや重症度を元に治療選択を
する必要がある 166,167。国内ガイドラインでは 2 回以上の再発例を難治例と定義している(標準
治療期間終了後も下痢が改善しない例も難治例と定義される)155。
表 14. CDI の重症度の評価例 155,159,161
ガイドライン
IDSA/米国病院疫学学会
ヨーロッパ感染症学会
日本感染症学会
重症
劇症
WBC>15,000 cells/mL、又は、
血圧低下、ショック、
血清 Cre≥1.5mg/dL
イレウス又は中毒性巨大結腸症
WBC>15,000 cells/mL 又は
血圧低下、ショック、乳酸値の上昇、
血清 Cre がベースラインより>50%、
イレウス、中毒性巨大結腸症、
又は、体温>38.5 度の時
消化管穿孔
明確な基準の記載なし
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第三版
別冊
なお、下痢、イレウスや中毒性巨大結腸症がない患者に検査を行わない。特に NAAT 検査の過
剰使用により偽陽性となり過剰な治療がされていることが指摘されている 160。
また、繰り返し検査は行わない(但し 1 週間経過しても可能性が残る時は再検も考慮される)。
また、治療後の検査は推奨されないため、転院時等に治療後の患者に検査を求めないことを推奨
する。
CDI は再発することが特徴的な感染症である。再発性 CDI は、CDI 発症後 8 週間以内に CDI を
再度発症したものと定義されている 155,159,161。適切な治療後でも 30%程度が再発することが報告
されており、初感染後の再発は 10-20%、再発例の再発(再々発)は 40-65%に及ぶ 162-165。以下
のようなリスクの例があげられている 155:高齢(65 歳以上)
、抗菌薬の使用、重篤な基礎疾患の
存在、CDI の既往、PPI の使用、医療関連 CDI(発症前 3 か月以内の入院歴)。
治療方針
まずは、使用中の抗菌薬があれば、終了可能なものは終了する。
治癒率ではフィダキソマイシンとバンコマイシンの差はないが、再発率でみるとフィダキソマ
イシンの方が低い 166。但し、コストの面の違いも大きく再発か否かや重症度を元に治療選択を
する必要がある 166,167。国内ガイドラインでは 2 回以上の再発例を難治例と定義している(標準
治療期間終了後も下痢が改善しない例も難治例と定義される)155。
表 14. CDI の重症度の評価例 155,159,161
ガイドライン
IDSA/米国病院疫学学会
ヨーロッパ感染症学会
日本感染症学会
重症
劇症
WBC>15,000 cells/mL、又は、
血圧低下、ショック、
血清 Cre≥1.5mg/dL
イレウス又は中毒性巨大結腸症
WBC>15,000 cells/mL 又は
血圧低下、ショック、乳酸値の上昇、
血清 Cre がベースラインより>50%、
イレウス、中毒性巨大結腸症、
又は、体温>38.5 度の時
消化管穿孔
明確な基準の記載なし
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