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【参考資料2】【日版R4.1.17一部改正】薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2020 (107 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23261.html
出典情報 国際的に脅威となる感染症対策関係閣僚会議 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第9回  1/17)《厚生労働省》
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⑤ 今後の展望
JVARM の今後の主な課題は、1)家畜由来細菌及び愛玩動物由来細菌の全ゲノム解析により、より高度な
ARG の調査・解析を行ないヒト分野との比較、2)動物用抗菌剤の使用量を OIE が提示する統一法により算
出したバイオマス重量を参考とした評価、3)畜産現場周辺の環境における薬剤耐性菌の分布状況の調査を
実施していくことの3点である。今後は、JVARM で実施している動物分野におけるモニタリングについて継
続するとともに、これらの課題に対応した取組みも開始する。さらに、ワンヘルス動向調査推進のため、
JANIS との全ゲノム解析データの比較等、引き続き連携を深めていく予定である。他分野と連携することに
より薬剤耐性菌伝達過程の解明を進め、リスク評価やリスク管理の根拠となるデータが集積されると考えら
れる。

(6)日本における抗菌薬使用のサーベイランス(JAMUS)
① 概要
日本における抗菌薬使用(AMU)のサーベイランスは、2015 年 4 月より厚生労働科学研究費補助金事業
(研究代表者:村木優一)により JACS (Japan Antimicrobial Consumption Surveillance) が構築され、医療
機関から集められた注射用抗菌薬の情報と卸会社の薬剤流通情報データベースをもつ IQVIA 社から購入した
全ての抗菌薬の販売量を用いて行われた。JACS は 2018 年 12 月より AMRCRC が運営する感染対策連携共通
プラットフォーム(J-SIPHE(担当室長
Antimicrobial Use Surveillance(担当室長

松永展明))および抗菌薬使用サーベイランス(JAMUS: Japan
日馬由貴))へ移行されている。JAMUS では、全国および都道

府県のヒトに対する AMU が先の販売量情報および NDB を用いて調査され、公表されている。本報告書では
販売量情報に基づいた AMU を掲載している。

② 調査の方法
IQVIA 社から購入した販売量情報から全体、剤形(内服・注射)別に成分毎に力価を算出し、WHO が提唱
する ATC 分類あるいは Aware 分類に分けて集計する。特にヒトへの AMU では、それらを WHO が定義した
維持投与量(DDD)で補正し、人口補正して DID を算出し、経年的に示している。またワンヘルスとしての
AMU は力価換算した値を重量ベースで ATC 分類毎にまとめ、他での AMU と合算して示している。また、医
療機関における AMU は、J-SIPHE における調査結果を示している。

③ 今後の展望
これまでなかった日本における AMU をサーベイランスできる JAMUS、J-SIPHE が構築され、経年的な
AMU の動向を国民へ還元できる体制が整った。AMU の情報源には販売量や保険請求情報などが存在するが、
本報告書では販売量情報を用いて示している。これらの理由には、1. 国際標準であること、2. 異なる情報源
で同一目的の AMU を示すと読者が混乱すること、3. AMR 対策アクションプランの成果指標が販売量情報の
サーベイランス結果に基づいていることがあげられる。用いる情報源や見せ方は、目的に応じて変える必要
があり、どのような形で継続的に集計し、フィードバックしていくかは今後も検討していく必要がある。

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