表 66 疾病にり患した犬及び猫由来の Enterococcus spp.の耐性率(%)
薬剤*

BP
16†

ABPC

32§

GM
TC

16†

CP

32†

EM

8†

CPFX

4†

VCM

32†

検査株数（n）

動物種

2017 年

2018 年

2019 年

犬

26.7

20.5

20.0

猫

17.3

31.6

33.0

犬

22.9

15.4

25.2

猫

19.4

24.6

25.2

犬

65.6

67.9

68.9

猫

70.4

73.7

64.1

犬

20.6

14.1

18.5

猫

20.4

15.8

8.7

犬

61.8

39.7

43.0

猫

41.8

54.4

39.8

犬

42.7

28.2

31.1

猫

34.7

49.1

43.7

犬

0.0

猫

0.0

犬

131

78

135

猫

98

57

103

BP の単位は μg/ml。
＊
AZM についても調査対象としているが、BP が設定できないため、耐性率は掲載していない。†CLSI に規定された BP。
§
GM は EUCAST でも設定されていないことから JVARM の値（平成 14 年度に得られた二峰性を示す MIC 分布の中間点）を
用いた。

ロ.健康な犬猫由来細菌（2018～2019 ）
健康な犬猫からの菌株の収集にあたっては、都道府県別の動物診療施設（小動物・その他）の開設
届出数に基づいて菌株数を割り当て、公益社団法人日本獣医師会の協力を得て、全国の動物病院から
収集した。動物病院に健康診断やワクチン接種のために訪れた健康な犬及び猫から直腸スワブ検体を
採取し、大腸菌及び Enterococcus spp.を分離、同定し、薬剤感受性試験に供した。
ⅰ. Escherichia coli
14 薬剤を対象として調査を行った。2018 年及び 2019 年ともに健康な犬及び猫由来株では、ABPC
及び NA に対する耐性率が高く、そのほかの薬剤に対する耐性率は 20%未満であった。ヒトの医療で
重要な抗菌剤については、犬及び猫由来株で、CTX に対しては 6.4～13.2%、CPFX に対しては 8.8～
18.5%の耐性率であり、MEPM 及び CL に対する耐性株はなかった。耐性株が存在した各薬剤につい
て同年に収集された疾病にり患した犬猫由来の大腸菌と比較するとすべての薬剤で健康な犬猫由来の
方が低い耐性率を示した。

59