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【参考資料2】【日版R4.1.17一部改正】薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2020 (69 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23261.html
出典情報 国際的に脅威となる感染症対策関係閣僚会議 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第9回  1/17)《厚生労働省》
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WHO が抗菌薬適正使用の指標として推奨している AWaRe 分類により抗菌薬を分類した結果を表
72 に示す。AWaRe 分類は WHO の必須医薬品リスト(Model Lists of Essential Medicines)第 20 版
に掲載された抗菌薬分類を適正使用の指標として応用したもので、抗菌薬を”Access”(一般的な感染
症の第一選択薬、または第二選択薬として用いられる耐性化の懸念の少ない抗菌薬で、すべての国が
高品質かつ手頃な価格で、広く利用出来るようにすべき抗菌薬。例. アンピシリン、セファレキシン
など)、”Watch”(耐性化が懸念されるため、限られた疾患や適応にのみ使用すべき抗菌薬。例. バン
コマイシン、メロペネム、レボフロキサシン、セフトリアキソンなど)、”Reserve”(他の手段が使
用できなくなった時に最後の手段として使用すべき抗菌薬。例. チゲサイクリン、コリスチン、ダプ
トマイシンなど)、未分類の4カテゴリーに分類している。この分類は 2019 年に改訂され、新た
に、”非推奨” (WHO で臨床上の使用を推奨していない抗菌薬。例. セフォペラゾン・スルバクタム) の
カテゴリーが追加された。WHO は全抗菌薬に占める”Access”の抗菌薬の割合を 60%以上にすること
を目標としている。日本は他国と比較して Access の占める割合が少ない傾向があるが 6、経年的にみ
ると、13.0%から 20.4%へと徐々に上昇し、Watch の占める割合は 85.5%から 78.3%へと低下してき
ている。今後、供給不足問題や新型コロナウイルス感染症の影響が懸念されるため、引き続き注視が
必要である。
また、ワンヘルスの観点から経口と注射用抗菌薬の使用量を力価換算して重量ベースでの使用状
況を調査したところ(表 73)、全体の使用量は変動していなかった。DID で標準化した数値と乖離が
起きた主な原因の1つには、高齢者の誤嚥性肺炎等に使用するスルバクタム・アンピシリンといった
1 日使用量の力価が高い注射薬の使用頻度の増加が影響しているものと考える。
高齢者の増加などにより、本邦における非経口抗菌薬使用の削減は困難な状況である。一方、経
口抗菌薬においては策定後に減少を認めており、AMR 対策アクションプランの一定の効果が認めら
れた。また、AMR 対策アクションプランの戦略の1つである抗菌薬使用の継続的な監視体制を実現
することができた。現在、経口抗菌薬の使用における減少率は鈍化しているものの、日本において経
口抗菌薬を必要とする患者に対する抗菌薬使用の最適な値を販売量から予測することには限界がある。
日本における AMR 対策を実施する上で抗菌薬使用の継続的な把握は、抗菌薬の選択圧を評価できる
ため今後も必要であり、使用目的の把握など適切性を評価できる新たな戦略も合わせて行っていくこ
とが重要である。

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