【参考資料2】【日版R4.1.17一部改正】薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2020 (12 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23261.html |
出典情報 | 国際的に脅威となる感染症対策関係閣僚会議 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第9回 1/17)《厚生労働省》 |
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り、2013 年と比較して、10.9%減少していた。また内服薬は抗菌薬全体の 91.8%を占めており、その
内訳では、セファロスポリン系、フルオロキノロン系、マクロライド系の使用比率が高かった。2019
年も同様の傾向であったが、2013 年と比較すると、それぞれ 22.7%、18.1%、20.6%減少してお
り、2018 年よりもさらなる抗菌薬使用の減少が確認された。一方、注射用抗菌薬は 2013 年と比較し
て 12.7%増加していた。
動物分野においては、畜産動物(牛、豚及び鶏)、水産動物(全ての養殖魚種)、愛玩動物(犬及
び猫)の薬剤耐性に関する動向調査を実施しているが、人医療上最も重要な抗菌剤の1つであるカル
バペネム系に耐性を示す腸内細菌科細菌及び人の院内感染などで大きな問題となるバンコマイシン耐
性腸球菌属菌は分離されなかった。
畜産動物においては、アクションプランの成果指標としている健康な畜産動物由来の大腸菌のテト
ラサイクリン系薬に対する耐性率は、2014 年の 45.2%から 2015 年には 39.9%に減少したものの、
2016 年以降耐性率は増減を繰り返し、2018 年は 43.6%と低下していない。一方、第3世代セファロ
スポリン及びフルオロキノロン系の抗菌剤に対する耐性率は、2014 年から 2018 年の間、概ね 10%
以下で推移していた。
水産動物においては病魚由来のレンサ球菌症原因菌(Lactococcus garvieae)において、リンコマ
イシン耐性は 2017 年の 61.0%から 2018 年には 31.5%に減少し、エリスロマイシンとオキシテトラ
サイクリン耐性株は 2018 年には確認されなかった。
愛玩動物においては、疾病にり患した愛玩動物(犬及び猫)由来の大腸菌について、畜産動物と比
較して、テトラサイクリン系やアミノグリコシド系の抗菌剤に対する耐性率は低いものの、人医療上
重要なフルオロキノロン系やセファロスポリン系の抗菌剤に対する耐性率が高い傾向が認められた。
健康な愛玩動物(犬及び猫)由来の大腸菌については、疾病にり患した愛玩動物(犬及び猫)と比較
して、全ての薬剤で低い耐性率を示し、概ね感受性が維持されていることが確認された。
動物用抗菌剤の販売量(畜産動物、水産動物及び愛玩動物への販売量)については、動物用医薬品
等取締規則第 71 条の2に基づき報告された抗生物質及び合成抗菌剤の販売量から、原末換算した量
(トン:t)として集計した。2018 年は、最も販売量が多い系統はテトラサイクリン系であり、全体
の約 4 割を占めていた。一方で、第3世代セファロスポリンおよびフルオロキノロン系については、
それぞれ全体の1%未満であった。動物用抗菌剤全体の販売量の推移では 2013 年の 780.88t から 2017
年に 872.09t に増加したが、2018 年は 824.56t で 2017 年よりも約 48t 減少した。系統別ではテトラ
サイクリン系が約 36t、サルファ剤で約 10t 及びアミノグリコシド系で約 9t 減少した。一方、マク
ロライド系(水産動物用のエリスロマイシン)が約 14t及び家畜用のペニシリン系は約 8t 増加して
おり、このうち、水産動物用のエリスロマイシンの増加は、従来の血清型とは異なるレンサ球菌症原
因菌による感染症の発生及び治療に伴うものと推測された。
2018 年における各分野の販売量などから推計した抗菌薬の使用量(トン:t)は、ヒト 582.1、畜産
動物 646.4、水産動物 168.5、愛玩動物 8.6、抗菌性飼料添加物 216.7、農薬 139.1、合計 1761.4t であ
った。
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