【参考資料2】【日版R4.1.17一部改正】薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2020 (95 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23261.html |
出典情報 | 国際的に脅威となる感染症対策関係閣僚会議 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第9回 1/17)《厚生労働省》 |
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Hagiya らは岡山大学医学部の学生を対象に意識調査を行った 5。調査は 2019 年 9 月から 2020 年 2 月にか
けて記述式のアンケート調査の形で行われ、回答率は 93.8%(回答数 661)であった。抗菌薬という用語は
ほとんどすべての学生が知っていたが、その理解は必ずしも十分ではなかった。高学年になるにつれて正し
い知識をもつ学生が増加していたものの、6 年生(最終学年)でも 26.2%が「抗菌薬は風邪に効果がある」
と回答し、誤った知識を持っていると思われた。抗菌薬適正使用を推進するためには医学生の教育が重要で
あると考えられた。
表 94 次の内容は正しいと思いますか?(%)
1 年生
2 年生
3 年生
4 年生
5 年生
6 年生
全体
(n=113)
(n=114)
(n=110)
(n=116)
(n=105)
(n=103)
(n=661)
抗菌薬はウイルスに効果がある
64.6
45.6
27.3
19.8
11.4
7.8
30.0
抗菌薬は普通感冒に効果がある
77.0
50.9
48.2
49.1
23.8
26.2
46.4
抗菌薬はインフルエンザに効果がある
60.2
32.5
25.5
17.2
11.4
9.7
26.5
(3)獣医学生への調査
農林水産省は全国 12 大学の獣医学生を対象に意識調査を行った。調査は 2019 年 10 月から 2020 年3月
にかけて薬剤耐性に関する講義と併せて記述式アンケート調査の形で実施され、677 名(3年生:431 名、
4年生:199 名、5年生:43 名及び不明:4 名)の学生から回答があった。なお、調査結果については、併
せて実施した講義の影響を受けている可能性がある。抗菌剤に関する質問(表 95)については、抗菌剤は
「インフルエンザに効く」と答えた学生が全体の 4.6%であったのに対し、「細菌感染症に効く」と答えた学
生が全体の 92.9%であり、抗菌剤に関する一定の知識は有しているものと考えられた。一方で風邪に効くと
答えた学生も全体の 19.8%いることから、引き続き薬剤耐性に関する教育を継続していくことが重要であ
る。
抗菌剤の使い方に関する質問(表 96)では、「畜主や飼い主から求められた場合」に使うと答えた学生
が全体の 9.2%なのに対し、「病原菌の薬剤感受性試験の結果を踏まえ、抗菌剤が効くと判定された場合」に
使うと答えた学生が全体の 82.0%であり、また高学年ほど割合が高くなっていることから、獣医学教育の中
で抗菌剤の慎重使用に関する一定の知識を得ていることが推察された
表 95 抗菌剤に関するイメージを選んでください(%)
3 年生
4 年生
5 年生
不明
全体
(n=431)
(n=199)
(n=43)
(n=4)
(n=677)
17.9
23.1
23.3
25.0
19.8
6.0
2.0
2.3
0
4.6
細菌感染症に効く
91.9
94.5
97.7
75.0
92.9
手術後の合併症予防に使われる
45.9
63.8
72.1
50.0
52.9
エサに混ぜる飼料添加物として使われる
34.3
46.7
46.5
50.0
38.8
野菜などに使う農薬に使われる
34.3
46.7
46.5
50.0
38.8
風邪に効く
インフルエンザに効く
94