【参考資料2】【日版R4.1.17一部改正】薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2020 (108 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23261.html |
出典情報 | 国際的に脅威となる感染症対策関係閣僚会議 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第9回 1/17)《厚生労働省》 |
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① 概要
ヒト由来カンピロバクター属菌の薬剤耐性菌出現状況については、現在、厚生労働科学研究費補助金によ
る食品の安全確保推進研究事業の中で、東京都健康安全研究センターが研究として調査を行っている9。
② 調査方法
2018年に東京都内の病院で下痢症患者糞便から分離されたCampylobacter jejuni 110株及びCampylobacter
col i 8株を対象に、米国CLSI法に準拠してディスク法で薬剤感受性試験を行った。供試薬剤はTC,NA,
CPFX,ノロフロキサシン(NFLX),オフロキサシン(OFLX), EMの6薬剤である。結果の判定は、阻止円径
を測定し、プロトコル9の感受性判定表に従って行った。
③ 今後の展望
Campyrobacter jejuni / coli の耐性菌出現状況を広域的に把握するためには、供試薬剤,実施方法、判定基
準等を統一して行う必要がある。実施方法は米国 CLSI 法のディスク法に準拠しているが,判定基準は EM,
CPFX,EM の 3 薬剤しか記載されていないため,その他の薬剤については EUCAST や文献等を参考に厚生労
働科学研究費助成金による食品の安全確保推進事業の中で統一した基準を設定し,それに従って判定した 9。
今後、ヒト由来株のみならず食品由来についても共通の方法を用いて薬剤感受性試験を実施し、耐性菌出現
状況を全国規模で把握している必要がある。
(8)ヒト及び食品由来の Non-typhoidal Salmonella spp.の薬剤耐性状況の調査
① 概要
食品由来耐性菌については、これまでに多くの地方衛生研究所が食品由来細菌の耐性状況を調査してきた
実績があり、現在、厚生労働科学研究費補助金による食品の安全確保推進研究事業の中で、組織化された複
数の地方衛生研究所が食品由来耐性菌モニタリングを研究として実施している10。統一された方法で全国規模
の食品由来細菌の耐性状況が調査されたのは、本邦で初めてと思われる。さらに、得られたデータは、WHO
によって構築されたGLASSにも報告されている。
② 調査方法
全国21地方衛生研究所の協力を得て、これらの地方衛生研究所において収集されているヒト(患者)由来
及び食品由来細菌、特にサルモネラ属菌について、共通のプロトコル、薬剤、器材等を用いて薬剤耐性状況
調査が実施された10。 2015 年から2019 年に、ヒト(患者)及び食品から分離されたサルモネラ属菌株を対
象とした。ヒト由来株は、感染性胃腸炎や食中毒の患者検体から分離されたものを対象とし、食品由来株は、
分離した食品の種類、分離年月日を求め、食品が鶏肉の場合は、国産、輸入(国名)、不明の情報を収集し
た。協力21地方衛生研究所でサルモネラ属菌と判定された菌株を用い、「地衛研グループ薬剤感受性検査プ
ロトコル」にしたがって、CLSI ディスク拡散法による薬剤感受性検査を実施した。検査に用いる感受性ディ
スク等の試薬、ディスクディスペンサーやノギス等の器具は全ての地方衛生研究所で共通のものを用いた。
寒天平板上の感受性ディスクの配置は、阻止円が融合しないよう、プロトコルに示す配置図のように配置し
た。結果の判定は、阻止円径を測定し、プロトコルの感受性判定表にしたがって行われた。
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