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【参考資料2】【日版R4.1.17一部改正】薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2020 (35 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23261.html
出典情報 国際的に脅威となる感染症対策関係閣僚会議 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第9回  1/17)《厚生労働省》
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ⅱ. 集中治療室(ICU)における感染症
表 36 ICU における感染症の発生状況の推移

人工呼吸器
関連肺炎

全体の感染症発生率*
集計対象医療機関の
感染症発生件数合計
全体の感染症発生率*

尿路感染症

集計対象医療機関の
感染症発生件数合計

カテーテル

全体の感染症発生率*

関連血流感

集計対象医療機関の

染症

感染症発生件数合計

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

2018

1.7

1.4

1.3

1.4

1.5

1.5

1.3

1.3

382

327

324

395

522

499

405

409

0.5

0.5

0.6

0.5

0.5

0.6

0.7

0.8

111

124

143

148

190

219

213

244

0.7

0.7

0.8

0.7

0.7

0.8

0.7

0.6

168

162

204

205

240

263

213

190

* 全体の感染症発生率 =(集計対象医療機関の解析対象患者の感染症発生件数合計)÷(集計対象医療機関の解析対象患者の
ICU入室日数合計)×1000 JANIS ICU部門年報より作成 (引用文献8)。

⑧ 病院における感染診療・感染対策・疾病負荷に関する調査
データ元:J-SIPHE、AMRCRC
AMRCRC では、地域連携の推進とともに病院での AMR 対策に活用できるシステム J-SIPHE を運営
している。2019 年年報の対象参加医療機関は 581 施設(加算 1 449 施設、加算 2 127 施設、加算な
し 5 施設)であった。病院(n=255)における血液培養提出数は、中央値 23.8(/1,000 在院患者延べ数/
日:11.0-34.7)であり、複数セット率は、成人では中央値 90%を超えていた。血液培養陽性率は、中
央値 13.27(11.1-17.2)と適切な指標の範囲であった。加算1算定病院が中心であること、病院により
プラクティスの幅がある事を考慮する必要があるが、概ね良好であった。
各医療機関における血流感染症発生状況は、Escherichia coli (2.20/10,000 在院患者延べ数)が最も
多く、次いで S. aureus (1.61/10,000 在院患者延べ数)、Klebsiella pneumoniae (0.83/10,000 在院患
者延べ数)であった。重症感染症に占める割合の高い菌を中心とした対策が望まれる。
手指衛生プラクティス状況では、手指衛生遵守率が全体で 57.5%、内訳ではクリティカルケア部門
が 67.0%と高かった。手指消毒剤使用量は、全体で 7.44mL/1000 在院患者延べ数、内訳ではクリテ
ィカルケア部門が 33.7mL/1000 在院患者延べ数と高かった。手指衛生遵守率は 70-80%を目標に更
なるプラクティスの向上が望まれる。一方、感染対策関連のリソースが少ない施設は、簡便な手指衛
生使用量を代替指標とした、経時的な感染対策の監視が望まれる。
厚生労働行政推進調査事業費にて、JANIS データを利用した研究を行い、血流感染症の患者における
推定死亡数を公開した。MRSA による死亡数は年々減少傾向で、2017 年に 4224 人、フルオロキノロ
ン耐性大腸菌による死亡数は、年々増加傾向で 2017 年に 3915 人と推定された。今後経時的に菌種
を増やし、最終的には DALYsを算出することを目標に、AMR の疾病負荷研究を継続していく。
J-SIPHE 参加医療機関の基本情報 (n=581)
2019 年
病床数

(IQR)

平均在院日数

340.5 (221.3-525.3)

(IQR)

13.6

QR(Interquartile range):四分位範囲

34

(11.7-17.1)