【参考資料2】【日版R4.1.17一部改正】薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2020 (51 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23261.html |
出典情報 | 国際的に脅威となる感染症対策関係閣僚会議 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第9回 1/17)《厚生労働省》 |
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鶏由来株について 2012 年から 2017 年に 12 薬剤、2018 年には更に MEPM を加えた 13 薬剤を対
象に調査を行った。2018 年は、SM 及び TC に対して 70%、KM に対し 60%及び ST に対して 50%を
超える耐性が認められた。一方、CEZ 及び CP に対する耐性率は 4%未満で、GM に対する耐性は認め
られなかった。ヒトの医療で重要な CTX に対する耐性率は 2.6%、CL 及び CPFX に対する耐性率は
1%未満で、MEPM に対する耐性は認められなかった。また、2012 年から 2017 年の耐性率の推移で
は、ABPC 及び CEZ で 2012 年以降の減少が認められたが、KM で 2012 年以降の上昇が認められた。
なお、2015-2018 年度に分離された食鳥処理場由来のサルモネラの血清型は、 S. Schwarzengrund、
S. Infantis、S. Typhimurium、S. Manhattan が多かった。サルモネラ血清型について食鳥処理場由来
と食品由来及びヒト由来(薬剤耐性ワンヘルス動向調査報告書 2019:表 19 引用)の比較(表 57、
図 1)では食鳥処理場由来のサルモネラの血清型は、食品由来のサルモネラと同じ傾向が認められ、
食鳥処理場由来で分離された上位 5 血清型は食品と同じであり、全体においてそれぞれ 97%及び 84%
を占め、関連性があることが示唆された。一方、ヒト由来株の血清型は食鳥処理場及び食品由来に比
べて多様で、食鳥処理場由来の上位5血清型の占める割合は 24%であり、ヒト由来のサルモネラは鶏
又はその食品を介したもの以外の多様な原因がある可能性が示唆された。また、食鳥処理場由来の大
半を占める上位2血清型の S. Schwarzengrund、S. Infantis について耐性率を比較した結果(表 58、
図 2)(薬剤耐性ワンヘルス動向調査報告書 2019:表 29 引用)S. Infantis の KM, SM 及び TC、S.
Schwarzengrund の KM 及び TC の耐性率は食品由来株と食鳥処理場由来で類似性が認められるもの
の、ヒト由来株の耐性率とは傾向が異なることからも、ヒト由来のこれらの血清型については食鳥及
びその食品以外にも由来している可能性が示唆された。
表 55 食鳥処理場由来の Salmonella spp. の耐性率の推移 (%)
薬剤
ABPC
CEZ
BP
動物種
2012 年
2013 年
2014 年
2015 年
2016 年
2017 年
2018 年
32*
鶏
31.9
22.9
17.2
13.0
13.5
8.0
6.8
鶏
7.4
5.9
3.1
1.6
7.7
2.5
3.4
32 (2016 年
より 8*)
CTX
4*
鶏
7.4
5.1
2.3
1.6
1.9
1.8
2.6
MEPM
4*
鶏
-
-
-
-
-
-
0.0
SM
32
鶏
77.7
84.7
85.9
76.4
77.9
60.7
77.8
GM
16*
鶏
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
KM
64*
鶏
31.9
42.4
57.8
69.1
72.1
73.2
66.7
TC
16*
鶏
74.5
82.2
85.2
83.7
82.7
77.7
77.8
32*
鶏
0.0
0.8
1.6
1.6
0.0
0.9
1.7
鶏
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.9
鶏
29.8
19.5
17.2
15.4
12.5
17.0
18.8
鶏
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.9
鶏
31.9
48.3
51.6
57.7
56.7
55.4
53.0
鶏
94
118
128
123
104
112
117
CP
CL
NA
CPFX
ST
16(2016 年
より 4*)
32*
4 (2016 年
より 1*)
76/4*
検査株数
BP の単位は μg/ml。 *CLSI に規定された BP。
50