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資料2-3 厚生労働科学研究の成果に関する評価 (令和3年度報告書 )(案) (18 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26761.html |
出典情報 | 厚生科学審議会科学技術部会(第130回 7/14)《厚生労働省》 |
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令和3年度
倫理的法的社会的課題研究事業「成果に関する評価」
(7,250 千円)
1.研究事業の概要
最先端の技術による想定外の影響がイノベーション推進の障壁とならないように、新
たな技術がもたらす倫理的・法的・社会的課題(Ethical, Legal and Social Issues 以
下「ELSI」)を抽出し、その影響度等に応じて必要な政策を立案、実施することが必要で
ある。本研究事業は、AI・ゲノム医療に焦点を当て、具体的な ELSI を抽出、検討し、そ
の解決策の提言やガイドラインを作成するための検討を行うことを目的とした。
2.研究事業の成果
「医療AIの研究開発・実践に伴う倫理的・法的・社会的課題に関する研究」(令和
2~3年度)では、医療 AI に関する ELSI の論点について検討の結果、現状は「誰も理
解できない AI が診断を下す」といった状況とは程遠く、現行の医事・薬事に関する法制
度を基礎にする限り「医療 AI」自体の特有の ELSI が直ちに生じる可能性は低く、むしろ
「AI」「倫理」以前の医療環境、制度上の課題が見いだされた。
「国民が安心してゲノム医療を受けるための社会実現に向けた倫理社会的課題抽出と
社会環境整備」(令和2~4年度)では、がん遺伝子パネル検査における二次的所見
開示推奨度や、遺伝性難病の診療・網羅的解析に関する研究が進められ、「ゲノム医
療におけるコミュニケーションプロセスに関するガイドライン」が策定された。さら
に、遺伝子例外主義からの脱却や、遺伝差別・法整備に関する研究、「ゲノム交流
会」を開催するなど双方向遺伝リテラシーと PPI(patient and public involvement)
体制整備に関する研究が実施された。
3.成果の評価
AI 技術に関しては、医療を含む社会の諸活動を改善させ得る技術であるが、他方、
人々の間には不安や懸念も抱かれている。国内外の機関における倫理的な検討の議論も
踏まえ、保健医療分野における AI 技術に対する不安・懸念を特定しようとする本研究事
業の試みは、人々の AI に対する信頼を獲得して利活用を促進するために必要である。
また、パネル検査をはじめとするゲノム医療は、適切な治療を患者に届けるための有
望な検査法であるが、その一方でゲノム情報に関連した不利益を防止する必要があり、
検査の実態及び問題点を明らかにし、その対策を検討する本研究は高く評価できる。ま
た、ゲノム医療を推進していく上で、本研究事業の成果は、患者とのやりとりの際の
ELSI への対応に関する基礎となる。
4.改善すべき点及び今後の課題
令和4年5月に開催された保健医療分野 AI 開発加速コンソーシアム等において、保
健医療分野における DX の推進に向けては、医療情報のデジタル化及びデジタルデータ
(病理画像、CT・MRI 画像、手術動画、ゲノムデータ等)の AI 研究開発等への利活用
の促進が重要であること、また、その利活用に係る ELSI への対応が喫緊の課題である
ことが指摘されている。今後は、保健医療分野におけるデジタルデータの AI 研究開発
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倫理的法的社会的課題研究事業「成果に関する評価」
(7,250 千円)
1.研究事業の概要
最先端の技術による想定外の影響がイノベーション推進の障壁とならないように、新
たな技術がもたらす倫理的・法的・社会的課題(Ethical, Legal and Social Issues 以
下「ELSI」)を抽出し、その影響度等に応じて必要な政策を立案、実施することが必要で
ある。本研究事業は、AI・ゲノム医療に焦点を当て、具体的な ELSI を抽出、検討し、そ
の解決策の提言やガイドラインを作成するための検討を行うことを目的とした。
2.研究事業の成果
「医療AIの研究開発・実践に伴う倫理的・法的・社会的課題に関する研究」(令和
2~3年度)では、医療 AI に関する ELSI の論点について検討の結果、現状は「誰も理
解できない AI が診断を下す」といった状況とは程遠く、現行の医事・薬事に関する法制
度を基礎にする限り「医療 AI」自体の特有の ELSI が直ちに生じる可能性は低く、むしろ
「AI」「倫理」以前の医療環境、制度上の課題が見いだされた。
「国民が安心してゲノム医療を受けるための社会実現に向けた倫理社会的課題抽出と
社会環境整備」(令和2~4年度)では、がん遺伝子パネル検査における二次的所見
開示推奨度や、遺伝性難病の診療・網羅的解析に関する研究が進められ、「ゲノム医
療におけるコミュニケーションプロセスに関するガイドライン」が策定された。さら
に、遺伝子例外主義からの脱却や、遺伝差別・法整備に関する研究、「ゲノム交流
会」を開催するなど双方向遺伝リテラシーと PPI(patient and public involvement)
体制整備に関する研究が実施された。
3.成果の評価
AI 技術に関しては、医療を含む社会の諸活動を改善させ得る技術であるが、他方、
人々の間には不安や懸念も抱かれている。国内外の機関における倫理的な検討の議論も
踏まえ、保健医療分野における AI 技術に対する不安・懸念を特定しようとする本研究事
業の試みは、人々の AI に対する信頼を獲得して利活用を促進するために必要である。
また、パネル検査をはじめとするゲノム医療は、適切な治療を患者に届けるための有
望な検査法であるが、その一方でゲノム情報に関連した不利益を防止する必要があり、
検査の実態及び問題点を明らかにし、その対策を検討する本研究は高く評価できる。ま
た、ゲノム医療を推進していく上で、本研究事業の成果は、患者とのやりとりの際の
ELSI への対応に関する基礎となる。
4.改善すべき点及び今後の課題
令和4年5月に開催された保健医療分野 AI 開発加速コンソーシアム等において、保
健医療分野における DX の推進に向けては、医療情報のデジタル化及びデジタルデータ
(病理画像、CT・MRI 画像、手術動画、ゲノムデータ等)の AI 研究開発等への利活用
の促進が重要であること、また、その利活用に係る ELSI への対応が喫緊の課題である
ことが指摘されている。今後は、保健医療分野におけるデジタルデータの AI 研究開発
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