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資料2-3 厚生労働科学研究の成果に関する評価 (令和3年度報告書 )(案) (30 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26761.html
出典情報 厚生科学審議会科学技術部会(第130回 7/14)《厚生労働省》
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令和3年度

女性の健康の包括的支援政策研究事業「成果に関する評価」
(55,000 千円)

1.研究事業の概要
女性の健康の包括的支援に係る提言や法案において指摘されている女性の心身の特性に
応じた保健医療サービスを、地域や職域において、専門的かつ総合的に提供する体制の
整備、人材育成、情報の収集・提供体制の整備、女性の健康支援の評価手法を構築する
ための基盤を整備する。

2.研究事業の成果
女性特有の疾患として子宮内膜症等の経済損失および予防や治療に関する費用対効果
を明らかにした。
多診療科連携に資する診療ガイドブックを電子化し、その内容に沿った研修を実施し、
e ラーニングシステムが構築された。
女性の健康に関するホームページ「女性の健康推進室ヘルスケアラボ」のアクセス状況
を解析し、解析結果を参考にして情報更新を行った結果、直近1年間の PV 数(閲覧回数)
が明らかな上昇トレンドに転じた。
前班で作成されたウェブサイト「まるっと!女性の健康教育プログラム」の試作版を
もとに、改訂・改良を行い、再構築するとともに、女性支援における重要な観点と位置
づけられるプレコンセプションケアのコンテンツ充実も図り啓発を進めている。同時
に、アフターコロナ・ウィズコロナの新しい日常における健康課題解決のための基礎情
報収集が行われている。

3.成果の評価
女性の社会的側面も含めた生涯に渡る包括的な支援は未だ不十分な状況であり、女性の
健康施策を総合的にサポートする医療や診療体制も十分に構築されていないことから、
女性の心身の状態が人生の各段階に応じて大きく変化するという特性を踏まえ、性差医
療等に関する調査研究を進め、必要な情報を広く周知・啓発することが求められてい
る。よって本研究に対する事業は極めて高い。
また、本事業では、小児期から老年期までの女性のライフコース全体を通じた健康課題
解決を目的として行政施策に直結する研究課題を設定しているため、研究成果を効率的
に施策に反映させる仕組みが構築されている。加えて、研究結果を活用した情報提供体
制の整備、女性の健康支援のための診療体制・フォローアップ体制の整備、女性の健康
支援に向けた人材育成や教育資材作成などの有益な成果が出ている。

4.改善すべき点及び今後の課題
女性の健康支援のためには、医療・保健・福祉・教育・労働といった様々な分野の視点
から包括的な支援が必要である。背景となる女性の雇用・経済的状況・地域社会・生活
環境といった社会的決定要因が生活習慣、健康状態に及ぼす影響を明らかにした上で、
新型コロナウイルス感染症流行に伴う影響も併せて明らかにし、その効果的な介入方
法・支援方法を開発する必要がある。
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