よむ、つかう、まなぶ。
資料2-3 厚生労働科学研究の成果に関する評価 (令和3年度報告書 )(案) (24 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26761.html |
出典情報 | 厚生科学審議会科学技術部会(第130回 7/14)《厚生労働省》 |
ページ画像
ダウンロードした画像を利用する際は「出典情報」を明記してください。
低解像度画像をダウンロード
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
令和3年度
健やか次世代育成総合研究事業研究事業「成果に関する評価」
(318,545 千円)
1.研究事業の概要
本研究事業は、生殖・妊娠期、胎児期、新生児期、乳幼児期、学童・思春期、若年成人
期、そしてまた生殖・妊娠期へと循環する成育サイクルのステージごとの課題や、各ス
テージにまたがる課題を明らかにし、これらの課題に対し、ハイリスクアプローチとポ
ピュレーションアプローチの双方からの研究を推進することで、成育基本法が目指すと
ころの健やかな成育サイクルの実現を目的として実施されている。
2.研究事業の成果
母子保健の向上につながるエビデンスの創出やマニュアルやガイドの作成等の成果が得
られている。具体的には、幼児期の健やかな発育のための栄養・食生活支援ガイド、
NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)に関する妊婦への説明書、HTLV-1 母子感染予防対
策マニュアルの改訂、母乳バンクの利用開始マニュアル等の成果が得られた。また、令
和4年度から保険適用となった不妊治療に対しては、国内の診療・治療ガイドライン
や、一般向け・患者向けの情報提要資材が作成され、生殖医療の施策の整備や周知に寄
与した。また、成育医療等協議会における議論に資する「成育医療等の提供に関する施
策の総合的な推進に関する基本的な方針」における評価指標も得られた。研究事業は概
ね順調であるが、思春期レジリエンスに係る研究など、十分な成果が得られなかった課
題もあった。
3.成果の評価
令和元年 12 月に施行された成育基本法においては、成育過程にある者及びその保護者
並びに妊産婦に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策を総合的に推進
することとされ、また少子化大綱において不妊治療への支援が掲げられており、不育症
を含め、科学的知見や実態を踏まえた支援策の検討が求められている。本研究事業で
は、これらの政策の方向性にしたがって、母子保健分野における医療・保健・福祉の多
様な行政的・科学的課題に対応するために必要な研究が実施された。
4.改善すべき点及び今後の課題
研究事業は概ね順調に進行されているが、妊娠・出産に係る ELSI(倫理的・法的・社
会的課題)、出生前診断実施時の遺伝カウンセリング普及啓発、成育基本法を地域格差
なく継続的に社会実装すること、など積極的に取り組む必要がある。今後は、こども家
庭庁の創設に伴い、全てのこどもの健やかな成長、Well-being の向上に向け、こどもの
発達・成長を支えるため、妊娠前から妊娠・出産、新生児期、乳幼児期、学童期、思春
期、青年期の各段階を経て、大人になるまでの一連の成長過程において、良質かつ適切
な保健、医療、療育、福祉、教育を提供するための調査及び研究を実施し、こども政策
の新たな推進体制に関する基本方針で示された基本理念を推進することが課題である。
21
健やか次世代育成総合研究事業研究事業「成果に関する評価」
(318,545 千円)
1.研究事業の概要
本研究事業は、生殖・妊娠期、胎児期、新生児期、乳幼児期、学童・思春期、若年成人
期、そしてまた生殖・妊娠期へと循環する成育サイクルのステージごとの課題や、各ス
テージにまたがる課題を明らかにし、これらの課題に対し、ハイリスクアプローチとポ
ピュレーションアプローチの双方からの研究を推進することで、成育基本法が目指すと
ころの健やかな成育サイクルの実現を目的として実施されている。
2.研究事業の成果
母子保健の向上につながるエビデンスの創出やマニュアルやガイドの作成等の成果が得
られている。具体的には、幼児期の健やかな発育のための栄養・食生活支援ガイド、
NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)に関する妊婦への説明書、HTLV-1 母子感染予防対
策マニュアルの改訂、母乳バンクの利用開始マニュアル等の成果が得られた。また、令
和4年度から保険適用となった不妊治療に対しては、国内の診療・治療ガイドライン
や、一般向け・患者向けの情報提要資材が作成され、生殖医療の施策の整備や周知に寄
与した。また、成育医療等協議会における議論に資する「成育医療等の提供に関する施
策の総合的な推進に関する基本的な方針」における評価指標も得られた。研究事業は概
ね順調であるが、思春期レジリエンスに係る研究など、十分な成果が得られなかった課
題もあった。
3.成果の評価
令和元年 12 月に施行された成育基本法においては、成育過程にある者及びその保護者
並びに妊産婦に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策を総合的に推進
することとされ、また少子化大綱において不妊治療への支援が掲げられており、不育症
を含め、科学的知見や実態を踏まえた支援策の検討が求められている。本研究事業で
は、これらの政策の方向性にしたがって、母子保健分野における医療・保健・福祉の多
様な行政的・科学的課題に対応するために必要な研究が実施された。
4.改善すべき点及び今後の課題
研究事業は概ね順調に進行されているが、妊娠・出産に係る ELSI(倫理的・法的・社
会的課題)、出生前診断実施時の遺伝カウンセリング普及啓発、成育基本法を地域格差
なく継続的に社会実装すること、など積極的に取り組む必要がある。今後は、こども家
庭庁の創設に伴い、全てのこどもの健やかな成長、Well-being の向上に向け、こどもの
発達・成長を支えるため、妊娠前から妊娠・出産、新生児期、乳幼児期、学童期、思春
期、青年期の各段階を経て、大人になるまでの一連の成長過程において、良質かつ適切
な保健、医療、療育、福祉、教育を提供するための調査及び研究を実施し、こども政策
の新たな推進体制に関する基本方針で示された基本理念を推進することが課題である。
21