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資料2-3 厚生労働科学研究の成果に関する評価 (令和3年度報告書 )(案) (38 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26761.html
出典情報 厚生科学審議会科学技術部会(第130回 7/14)《厚生労働省》
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令和3年度

移植医療基盤整備研究事業「成果に関する評価」
(54,432 千円)

1.研究事業の概要
移植医療は、患者にとって疾患の治癒を目指すための重要な医療である一方で、第三
者であるドナーの善意に基づいた医療でもあり、その意思を最大限尊重する必要があ
る。本研究事業では、適切な移植医療提供体制を整備し、患者とドナー双方にとって安
全で公平な医療が推進されることを目指す。また、移植医療に関する正しい知識の普及
啓発を行う。

2.研究事業の成果
【臓器・組織移植分野】
救急医療の現場において臓器・組織提供に関して円滑に選択肢提示を行う体制を整備す
るために、急性期重症患者対応メディエーターのための講習会の Web 教材を作成し、講
習会を開催した。また施設内のスタッフのみでドナー管理・臓器摘出・家族ケアまでの
完結を可能とするためのマニュアルや、小児に特化した臓器提供ハンドブックを発刊、
公開した。これらによって臓器提供の円滑化が期待される。
【造血幹細胞移植分野】
コーディネート期間短縮に資する骨髄等採取施設の受け入れ可否状況を共有できるシス
テムが開発された。また、ドナーの安全性を高める体制整備として、研修会の実施や資
材の作成・配布、症状登録アプリの開発が行われた。臍帯血供給体制強化の点からは、
臍帯血採取施設・臍帯血バンクの実態調査が実施された。これらの成果を踏まえ、より
効率よく高品質な臍帯血を公開できる方法を見出すことが期待される。

3.成果の評価
研究事業の推進にあたっては、担当官が研究代表者と定期的に連絡を取り、班会議等を
通して進捗を管理したために、効率よく進められた。
【臓器・組織移植分野】
臓器提供のプロセスに関する網羅的な解説書の発刊、提供施設のみで臓器提供を完遂す
るためのマニュアルや小児臓器提供のハンドブック作成等により、提供施設の基盤整備
を行ってきた。平成 22 年の改正臓器移植法の施行により可能となった家族承諾による臓
器提供について、体制整備に必要な知見を収集し、現状で少ない臓器提供を適正に増加
させる必要がある。
【造血幹細胞移植分野】
提供・採取に至りやすいドナーの調査、ドナー安全研修会の教材作成、臍帯血バンクの
実態調査等が行われ、得られた結果が関係機関に共有され、医療基盤の整備改善に役立
っている。造血幹細胞移植については、若年層のドナー確保、コーディネート期間の短
縮、末梢血幹細胞移植の普及、臍帯血の安定的な確保が必要であり、それに資する研究
成果が得られている。

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