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資料2-3 厚生労働科学研究の成果に関する評価 (令和3年度報告書 )(案) (20 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26761.html
出典情報 厚生科学審議会科学技術部会(第130回 7/14)《厚生労働省》
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令和3年度

地球規模保健課題解決推進のための行政施策に関する研究事業
「成果に関する評価」
(42,500 千円)

1.研究事業の概要
地球規模の保健課題は、近年国際社会における重要性が非常に高まっている。わが国に
おいてこれまで蓄積してきた保健医療分野の知見や経験を活かし、限られた財源の中で
より効果的・効率的に国際保健に貢献し、戦略的に保健分野における国際政策を主導し
国際技術協力等を強化することに資するよう、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)
達成に資する研究等を実施する。

2.研究事業の成果
WHO 総会における加盟国代表発言の場を想定して我が国の立場を効果的に主張する技術
を習得するためのワークショップの開催や、少子高齢化に関する日中韓の専門家交流
等、国際保健人材の養成や国際的な施策作成に資する成果が得られた。保健関連の「持
続可能な開発目標(SDGs)」については、グローバルファンド(GF)を通じた開発途上
国における三大感染症に関する新戦略の策定への貢献(SDG3.3)、政府公表資料への SDG
グローバル指標 3.8.1(保健サービスのカバー率)の反映、国内初となる指標 3.5.1(物
質使用障害に対する治療介入カバレッジ)として、潜在的な薬物依存症の患者数を分母
とし、年間の薬物依存症の総患者数を分子とする算出方法の開発及び推計値の算出等の
成果が得られた。

3.成果の評価
各研究課題は、進捗管理が厳密に行われ、効率的に遂行された。「保健分野における、
新型コロナウイルス感染症や、三大感染症(HIV/エイズ、結核、マラリア)等に関する
国際機関へのわが国からの戦略的・効果的な資金拠出と関与に資する研究」からの専門
性の高い知見が、GF 2023-2028 新戦略の策定における議論に貢献したことは、COVID-19
流行下での国際保健課題の解決にも有効的で意義が大きい。「国連の持続可能な開発目
標3(SDG3)保健関連指標における日本の達成状況の評価および国際発信のためのエビ
デンス構築に関する研究」での各種 SDG 指標のエビデンスに基づいたデータソースの同
定と数値の算出は、政府公表資料の作成に直接的に貢献するとともに、SDGs 達成年の
2030 年に向けた進捗状況の把握と軌道修正に有用であり、行政的意義が大きい。「国際
会議で効果的な介入を行うための戦略的・効果的な介入手法の確立に資する研究」で
の、若手国際保健人材育成のための研修には、わが国の国際社会における存在感を維
持・強化する上での即時的及び長期的効果が期待される。

4.改善すべき点及び今後の課題
新型コロナウイルス感染症は、世界の保健システム全体に引き続き影響を及ぼしてお
り、国際社会でますます UHC の重要性が認識されている。同時に、その他の新興・再興
感染症の世界的流行、低栄養や栄養過多の栄養不良の二重負荷、高齢化の加速、気候変
動等の課題解決も急務である。UHC の推進を主導する日本がこれらの国際社会のニーズに
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