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資料1-3 リオシグアト及びHIVプロテアーゼ阻害剤の電子化された添付文書一覧 (21 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27607.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和4年度第10回)
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安全性評価対象100例のうち、咽頭炎46例(46.0%)、感染38例

LPV/r BID
LPV/r QD
+TDF+FTC
+TDF+FTC
(n=333)
(n=331)
レスポンダー1
78%
77%
ウイルス学的失敗
10%
8%
(ウイルスリバウンド)
(5%)
(5%)
(VL<50copies/mLに抑制不能)
(5%)
(3%)
死亡
1%
1%未満
有害事象による中止
4%
3%
その他の理由による中止2
8%
11%
1.血中HIV-1 RNA(VL)<50copies/mL
2.追跡不能、脱落、コンプライアンス不良、プロトコール違反等
結果

(38.0%)
、咳嗽増加32例(32.0%)
、嘔吐、中耳炎各27例(27.0%)
等であった7)。
17.3 その他

17.3.1 心電図に対する影響
健康成人39例に本剤400mg・100mg BID及び800mg・200mg
BID ※を3日間(4回)投与したときのQTcF間隔変化の最大平均
値(及び95%上限信頼限界値)はそれぞれ3.6(6.3)msec及
び13.1(15.8)msecであった。QTcF間隔がベースラインから
60msec以上変化したか500msecを超えた例はなかった。また、3

48週で平均CD4リンパ球数はQD群で186 cells/mm3、BID群で

日目において軽度のPR間隔延長が認められた。最大PR間隔は

198 cells/mm3上昇した。

286msecであった(外国人データ)

[9.1.2、10.2参照]

主な有害事象は800/200mg QD群(333例)で下痢210例

※本 剤の承認最大用量は400mg・100mgを1日2回投与又は 800mg・
200mgを1日1回投与である。

(63.1%)、悪心105例(31.5%)、鼻咽頭炎58例(17.4%)、嘔吐46
例(13.8%)、疲労45例(13.5%)、頭痛44例(13.2%)等であっ

18. 薬効薬理

た。400/100mg BID群(331例)で下痢198例(59.8%)、悪心86

18.1 作用機序

例(26.0%)、鼻咽頭炎61例(18.4%)、嘔吐46例(13.9%)、疲労

本剤はロピナビルとリトナビルの配合剤である。ロピナビルはHIV

37例(11.2%)
、咳嗽36例(10.9%)等であった。

プロテアーゼの活性を阻害し、HIVプロテアーゼによるgag-pol ポ

17.1.5 海外第Ⅲ相試験

リ蛋白質の開裂を抑制することで、感染性を持つ成熟したHIVの

試験802(錠剤):抗HIV薬による治療経験があり、試験前の治療

産生を抑制する。リトナビルは、CYP3Aによるロピナビルの代謝

でウイルスが検出されている599例の患者を対象とした無作為化

を競合的に阻害し、ロピナビルの血中濃度の上昇をもたらす。

オープンラベル比較試験を実施した。ロピナビル・リトナビル
(LPV/r)投与群を2群(800/200mg QD群と400/100mg BID群)
に分け、少なくとも2種類のヌクレオシド/ヌクレオチド系逆転写

本剤の抗ウイルス活性は、ロピナビルによるものである。
本剤はHIVプロテアーゼに対する選択的親和性を有し、ヒトのアス
パルティックプロテアーゼに対してはほとんど阻害作用を示さない。

酵素阻害薬(NRTIs)を併用した。開始時の平均CD4リンパ球数

18.2 抗ウイルス作用

は254 cells/mm3(4~952cells/mm3)、平均血中HIV-1 RNA量

HIV標準株による感染後早期のリンパ芽球細胞株及び臨床分離株

は4.3 log10 copies/mL(1.7~6.6 log10 copies/mL)であった。

に感染した末梢血リンパ球細胞におけるロピナビルの抗ウイルス

48週までの治療反応の内訳と中止理由は次の通り。
LPV/r QD
LPV/r BID
結果
+NRTIs
+NRTIs
(n=300)
(n=299)
レスポンダー1
57%
54%
ウイルス学的失敗2
22%
24%
以下、ウイルス学的データが存在しない症例の内訳
有害事象又は死亡による中止3
5%
7%
その他の理由による中止4
13%
12%
非中止例でデータ欠落
3%
3%
1.血中HIV-1 RNA(VL)<50copies/mL
2.効果不十分により48週までに中止又は48週時に血中HIV-1 RNA(VL)
≧50copies/mL
3.48週までに有害事象又は死亡で中止し、ウイルス学的データが存在し
ないもの
4.同意撤回、追跡不能、コンプライアンス不良、プロトコール違反等

主な有害事象は800/200mg QD群(300例)で下痢150例(50.0%)

悪心49例(16.3%)
、嘔吐37例(12.3%)等であった。400/100mg

作用を検討した。ヒト血清非存在下では、5種類のHIV-1 標準株
に対するロピナビルの平均EC50は10~27nM(0.006~0.017μg/
mL)であり8)、6種類のHIV-1 臨床分離株に対するロピナビルの
平均EC50は4~11nM(0.003~0.007μg/mL)であった。50%ヒト
血清存在下ではHIV-1 標準株に対するロピナビルの平均EC50は
65~289nM(0.04~0.18μg/mL)であり、7~11倍の効力低下が
みられた(in vitro )

18.3 薬剤耐性
ロピナビルに対する感受性が低下したHIV-1変異株を分離し、ロ
ピナビル単独、あるいは臨床投与時の血中濃度でのロピナビルと
リトナビルの存在下にHIV-1のin vitro 継代培養を行った。継代

培養で分離された株の表現型と遺伝子型を検討したところ、リト
ナビルの存在はロピナビル耐性株の出現に影響を及ぼさないこと
が示唆された(in vitro )

18.3.1 交差耐性

BID群(299例)で下痢116例(38.8%)、悪心67例(22.4%)、嘔

HIVプロテアーゼ阻害薬(PI)間で観察される交差耐性は多様で

吐38例(12.7%)等であった。

あった。本剤の治療によってロピナビルに対する感受性が低下し

17.1.6 海外Ⅰ/Ⅱ相臨床試験

たウイルスの交差耐性に関する情報はほとんど得られていない。

試験940(液剤):出生後6ヵ月以上12歳以下のHIV感染症小児100

ロピナビルに対する表現型耐性の増加を認めたPI使用歴のある4

例、抗HIV化学療法未経験者44例、経験者56例、(共にNNRTIの

例から得られた分離株は本剤投与前からリトナビル、インジナビ

使用経験なし)を、ロピナビル・リトナビル(LPV/r)230mg/

ル、ネルフィナビルに対する交差耐性が維持されていたか、本剤

m2・57.5mg/m2 BID及び300mg/m2・75mg/m2 BIDの2群にわ

投与後に交差耐性を獲得した。リバウンドしたすべてのウイルス

け、逆転写酵素阻害薬(未経験群はサニルブジンとラミブジンを

はアンプレナビルに対する感受性を十分に維持していたか、弱い

併用し、経験群はネビラピンに加え2剤までのヌクレオシド系逆

感受性の低下が認められたにとどまった(ロピナビルの最大99倍

転写酵素阻害薬)を併用投与する多施設共同オープンラベル並

と比較し、アンプレナビルでは最大8.5倍)
。ウイルスのリバウン

行群間比較試験を実施した。試験開始時における平均CD4リンパ

ドを経験した被験者のうち、サキナビルの使用経験のない被験者

球数は838 cells/mm3で平均血中HIV RNA量は4.7 log10 copies/

由来の2株はサキナビルに対する感受性を維持していた。

mLであった。

18.3.2 ロピナビル・リトナビルを含む併用療法を開始した抗レト

48週後、未経験群で80%、経験群で71%の患者で血中HIV RNA

ロウイルス療法経験患者における抗ウイルス作用減少と遺伝子型

量が400 copies/mL未満に減少した。CD4リンパ球数は未経験

との関連

群で平均して404 cells/mm3、経験群で284 cells/mm3増加した。

HIVプロテアーゼにアミノ酸置換(L10F/I/R/V、K20M/N/R、

48週の投与期間中2例が脱落した。この試験結果により、6ヵ月

L24I、L33F、M36I、I47V、G48V、I54L/T/V、V82A/C/F/S/

以上12歳以下の小児では、ネビラピンを併用しない場合はLPV/

T、I84V)が3以上存在すると本剤のウイルス学的反応に影響を

r 230mg/m2・57.5mg/m2 BID、ネビラピンを併用する場合は

及ぼすことがわかっている。複数の本剤臨床試験におけるHIVプ

LPV/r 300mg/m2・57.5mg/m2 BIDが成人におけるLPV/r400・

ロテアーゼ阻害薬(PI)耐性変異数と併用療法におけるウイルス

100mg BIDの投与(ネビラピンを併用しない場合)に相当する

学的反応との関係は以下の通りであった。

ロピナビル血中濃度を得られると考えられた。
-7-