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資料1-3 リオシグアト及びHIVプロテアーゼ阻害剤の電子化された添付文書一覧 (32 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27607.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和4年度第10回)
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17.3 その他
17.3.1 心電図への影響
健康成人において,アタザナビルを投与した際に血中濃度及び投与量に依存したPR
間隔の延長が観察されている。
プラセボ対照試験(AI424-076)において,PR間隔の投与前値からの最大変化の平
均値(±SD)はアタザナビル400mg投与群(n=65)で24(±15)msecで,プラセ
ボ投与群(n=67)で13(±11)msecであった。この試験におけるPR間隔の延長は
無症候性であった。
また,アタザナビルの心電図への影響を72例の健康成人を用いた臨床薬理試験にお
いて確認した。アタザナビル400mg,800mg注)の経口投与とプラセボ投与を比較し
たところ,アタザナビルはQTc間隔(Fridericiaの補正を用いた)に用量依存的な
影響を及ぼさなかった。抗HIV療法を受けている1793例のHIV感染患者では,アタ
ザナビル及び比較対照薬のQTc延長作用は同等であった。アタザナビルを投与され
た健康成人又はHIV感染患者のいずれにおいても,500msecを超えるQTc間隔は認
められなかった。
アタザナビル400mg1日1回とCYP3Aの基質であるジルチアゼム180mg1日1回投与
の臨床薬理試験において,PR間隔に対して相加的な影響が認められた。また,ア
タザナビル400mg1日1回とアテノロール50mg1日1回投与の臨床薬理試験において,
PR間隔に対して相加的な影響は認められなかった。(外国人における成績)
[9.1.1,
10.2参照]
注)承認最大用量は400mgである。

18.3.3 治療経験を有する患者での臨床試験
治療経験を有するHIV-1患者にATV又はATV/RTVを投与した試験。ウイルス学
的失敗を経験した患者から分離したほとんどのATV耐性分離株では,複数のPIに
対する耐性と関連したアミノ酸置換が発現し,PIに対する感受性低下が認められ
た。ATV300mgとRTV100mgの1日1回(同時にテノホビルと1種のNRTI)治療で
失敗した患者のウイルス分離株において,最も一般的に認められた置換は,V32I,
L33F/V/I,E35D/G,M46I/L,I50L,F53L/V,I54V,A71V/T/I,G73S/T/C,
V82A/T/L,I85V及びL89V/Q/M/Tであった。その他の置換として,E34K/A/Q,
G48V,I84V,N88S/D/T,及びL90Mが10%未満の患者分離株で認められた。概し
てATV又はATV/RTV投与開始前の患者のHIV-1ウイルスにI50Lの置換を含む複数
のPI耐性置換が存在する場合には,ATVにも耐性が生じた。I50L置換は,治療経
験を有する患者にATVの長期投与後にウイルス学的失敗を経験した患者でも確認
されている。ATV治療によりプロテアーゼ開裂部位の変化も生じたが,これらの
出現はATV耐性の程度とは相関しなかった。
18.4 交差耐性
PIの治療経験を有する患者にATVを投与した臨床試験において,ATV投与前にウ
イルス分離株の表現型及び遺伝子型解析を実施した結果,複数のPIに交差耐性を
示し,ATVに対しても交差耐性を示した。I84V又はG48V置換を有する分離株の
90%以上が,ATVに耐性を示した。また,L90M,G73S/T/C,A71V/T,I54V,
M46I/LあるいはV82に置換を有する分離株の60%以上がATV耐性であり,更に他
の置換に加えてD30Nを有する分離株の38%がATV耐性であった。ATVに耐性を示
す分離株は他のPIに対しても交差耐性を示し,インジナビル,ロピナビル,ネルフィ
ナビル,リトナビル及びサキナビルに対しては90%以上の分離株が,また,アンプ
レナビルに対しては80%が耐性を示した。治療経験を有する患者において,PI耐性
に関連するアミノ酸置換に加えてI50Lを発現したPI耐性ウイルス分離株は,他の複
数のPIに対しても交差耐性を示した。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
アタザナビル(ATV)はアザペプチド系のHIV-1プロテアーゼ阻害薬(PI)である。
HIV-1に感染した細胞において,本剤はプロテアーゼ阻害作用によりHIVウイルス
の構造蛋白(Gag-Pol)に影響を及ぼし,その結果,感染性を有する成熟ウイルス
の産生を抑制する。
18.2 抗ウイルス作用(in vitro 試験)
末梢血単核細胞,マクロファージ,CEM-SS細胞及びMT-2細胞に感染させた各種
HIV-1分離株におけるATVの抗ウイルス作用のEC50値は,ヒト血清非存在下で2〜
5nMであった。ATVは細胞培養試験において,HIV-1グループM サブタイプ A,B,
C,D,AE,AG,F,G及びJの分離株に対して活性を示した。HIV-2分離株に対し
てはEC50値1.9〜32nMの変動のある活性を示した。細胞培養試験において,ATVと
非核酸系逆転写酵素阻害薬(NNRTI:デラビルジン,
エファビレンツ及びネビラピン)

PI(アンプレナビル,インジナビル,ロピナビル,ネルフィナビル,リトナビル及び
サキナビル)
,逆転写酵素阻害薬(NRTI:アバカビル,ジダノシン,エムトリシタビ
ン,ラミブジン,サニルブジン,テノホビル,ザルシタビン及びジドブジン)
,ウイ
ルス感染治療薬であるアデホビル及びリバビリンのいずれかとの2剤併用の抗ウイル
ス活性試験では,併用薬剤間で拮抗作用は認められず,細胞毒性の増強もなかった。
18.3 薬剤耐性
18.3.1 細胞培養試験
細胞培養試験において,ATVに5ヵ月間曝露した場合,ATVに対する感受性が
1/183〜1/93に低下した3種の異なるウイルス株が得られた。これらのATV耐性には
HIV-1ウイルスのI50L,N88S,I84V,A71V及びM46Iのアミノ酸置換が関与してい
た。また,アミノ酸置換はプロテアーゼ開裂部位でも認められた。I50Lを有し,PI
関連の他のメジャーなアミノ酸置換を含まない組み換えウイルスでは,細胞培養試
験において増殖障害が認められ,また他のPI(アンプレナビル,インジナビル,ロ
ピナビル,ネルフィナビル,リトナビル及びサキナビル)に対する感受性増大が認
められた。ATV及びアンプレナビルの選択的耐性置換としてI50LとI50Vがそれぞ
れ認められたが,これらに交叉耐性はなかった。
18.3.2 治療経験のない患者での臨床試験
(1)治療経験のないHIV感染患者にATV300mg1日1回+RTV100mg1日1回(ATV/
RTV群)及びATV400mg1日1回(ATV群)のラミブジン+徐放性サニルブジン併
用下における比較試験(AI424-089試験)
表1. 96週時におけるウイルス学的失敗例aの集計:ATV耐性によるウイルス学的失
敗数及びウイルス学的失敗分離株数
ATV/RTV群(n=95)
ATV群(n=105)
96週 時 ウ イ ル ス 学 的 失 敗 数( ≥
15(16%)
34(32%)
50copies/mL)
遺伝子型及び表現型変化を有する
5
17
ウイルス学的失敗数
96週時ATV耐性のウイルス学的失
b
0/5(0%)
4/17(24%)b
敗分離株
96週時I50L変異を有するウイルス
0/5(0%)b
2/17(12%)b
学的失敗分離株c
96週時ラミブジン耐性を有するウ
2/5(40%)b
11/17(65%)b
イルス学的失敗分離株
a:ウイルス学的失敗は96週間ウイルス量が減少しなかった患者及び96週時にウイル
ス学的リバウンドを生じた患者あるいはウイルス量減少不十分により治療を中止
した患者を含む。
b:遺伝子型及び表現型データが存在するウイルス学的失敗分離株の割合(%)。
c:I50I/Lの混合変化が他のATV400mg投与患者2例で認められたが,いずれもATV
に対する表現型耐性は認められなかった。

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般名:アタザナビル硫酸塩(Atazanavir Sulfate)
化学名:Dimethyl(3S ,8S ,9S ,12S )-9-benzyl-3,12-di-tert -butyl-8-hydroxy-4,11dioxo-6-[4-(pyridin-2-yl)benzyl]-2,5,6,10,13-pentaazatetradecanedioate
monosulfate
分子式:C38H52N6O7・H2SO4
分子量:802.93
構造式:



状:アタザナビル硫酸塩は白色〜微黄色の粉末である。メタノール又はエタノー
ル(95)に溶けやすく,水に溶けにくい。
分配係数(Po/w):646(1-オクタノール/水)

20. 取扱い上の注意

開封後は湿気を避けて保存すること。

22. 包装

〈レイアタッツカプセル150mg〉
60カプセル[瓶,バラ]
〈レイアタッツカプセル200mg〉
60カプセル[瓶,バラ]

23. 主要文献

1)JEAN-MICHEL MOLINA et al.: J Acquir Immune Defic Syndr. 2010; 53
(3): 323-332
2)KATHLEEN SQUIRES et al.: J Acquir Immune Defic Syndr. 2004; 36
(5):1011-1019
3)MARGARET JOHNSON et al: AIDS. 2006; 20(5): 711-718

**24. 文献請求先及び問い合わせ先

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
(住所)東京都新宿区西新宿6-5-1
(TEL)0120-093-507

メディカル情報グループ

26. 製造販売業者等
26.1 製造販売元

(2)治療経験のないHIV感染患者にATVの300mg1日1回+RTV100mgを投与した試験
(AI424-138試験)
ATV/RTVの96週間治療中にウイルス学的失敗(≥400copies/mL)を経験した患者
あるいはウイルス量減少が基準値到達前に投与を中止した患者の血液サンプルにつ
いて遺伝子型及び表現型解析を実施した。解析数は39例(9%)であった。その結果,
ATV/RTV治療グループにおいて,ウイルス学的失敗分離株の1例ではATVに対す
る感受性が1/56に低下し,L10F,V32I,K43T,M46I,A71I,G73S,I85I/V及び
L90MのPI関連の置換が認められた。また,治療失敗分離株5例では,M184I(1例)
又はM184V(4例)の置換を有するエムトリシタビン耐性が発現した。
(3)治療経験のないHIV感染患者にATVの400mgを1日1回投与した試験
ATV400mgのみの治療でウイルス学的失敗を経験し,耐性となった患者からの分離
株では多くの場合I50Lの置換が認められ(ATV平均治療期間50週間),またA71V
の置換を合併していた。また,1ヵ所以上のPI関連の置換(例えばV32I,L33F,
G73S,V82A,I85V又はN88S)がI50Lと同時にあるいはI50Lなしに発現していた。
未治療患者において,主要なPI関連置換を有さずにI50Lの置換のみが発現したウ
イルス分離株は,ATVに対する表現型耐性を示したが,他のPI(アンプレナビル,
インジナビル,ロピナビル,ネルフィナビル,リトナビル及びサキナビル)に対し
ては細胞培養試験で感受性の保持が観察された。

®:登録商標

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