よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


資料1-3 リオシグアト及びHIVプロテアーゼ阻害剤の電子化された添付文書一覧 (6 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27607.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和4年度第10回)
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

17.1.2 国際共同第Ⅲ相試験(長期継続投与試験)
プラセボ対照二重盲検比較試験に参加した慢性血栓塞
栓性肺高血圧症患者237例を対象に、本剤0.5~2.5mg1
日3回の用量で適宜漸増する長期継続投与試験を実施し
た。237例(日本人14例を含む)を対象とした中間解析
の結果、6分間歩行距離のベースラインからの平均変
化量は、6ヵ月後(218例)で56.5m、9ヵ月後(215例)で
49.7m、12ヵ月後(172例)で51.3m、18ヵ月後(114例)
で51.1mであった。 プラセボ対照二重盲検比較試験で
認められた本剤投与による6分間歩行距離の改善は、
長期継続投与においても維持されていることが示され
た。日本人部分集団(14例)においては、6分間歩行距離
のベースラインからの平均変化量は、6ヵ月後(11例)
で86.3m、9ヵ月後(12例)で80.9m、12ヵ月後(12例)で
62.9m、18ヵ月後(9例)で89.6mであった18)。
〈肺動脈性肺高血圧症〉
17.1.3 国際共同第Ⅲ相試験
肺動脈性肺高血圧症患者443例(日本人26例を含む)を対
象とした比較試験において、本剤[用量調節法1(用量調
節群): 被験者の血圧、 忍容性等に応じて1.0~2.5mg
を1日3回8週間投与し、8週時点の用量をさらに4週間投
与、用量調節法2(1.5mg群、探索的用量群〔63例〕):被
験者の血圧、 忍容性等に応じて最大1.5mgまでを1日3
回8週間投与し、8週時点の用量をさらに4週間投与]又
はプラセボを12週間投与した。 その結果、 有効性主要
評価項目である6分間歩行距離のベースラインからの変
化は、 プラセボ投与群と比べ用量調節群において有意
に大きかった(p<0.0001、層別Wilcoxon検定)
。さらに、
副次的評価項目[肺血管抵抗、NT-proBNP、WHO機能
分類]においても、用量調節群ではプラセボ投与群に比
べて有意な改善効果を示し、6分間歩行距離と一貫した
結果であった19)。
評価項目
(単位)

本剤投与群
[症例数]

プラセボ投与群
[症例数]

29.6±65.8
[254]

-5.6±85.5
[126]

投与群間の比較:35.78(20.06~51.51)※1

p<0.0001※2

主な副次的評価項目
肺血管抵抗
(dynes・sec・cm-5)
平均値±SD

-223.3±260.1
[232]

投与群間の比較:-225.72(-281.37~-170.08)※1
NT-proBNP
(pg/mL)
平均値±SD

-197.9±1721.3
[228]

投与群間の比較:-431.81(-781.52~-82.10)※1
WHO機能分類※3
症例数(%)
改善
不変
悪化

53(20.9%)
192(75.6%)
9(3.5%)

日本人部分集団は少数例(用量調節群:16例、 プラセ
ボ投与群:7例、1.5mg群:3例)であり、ばらつきが大
きく、 主要評価項目である6分間歩行距離のベースラ
インからの変化量(平均値±標準偏差)は、 用量調節群
で21.4±35.7m(中央値:23.0m)、 プラセボ投与群で
40.1±49.4m(中央値:32.0m)であり、明らかな差は認
められなかった。 しかしながら、 主な副次的評価項目
である肺血管抵抗の変化量は、 用量調節群で-160.6±
161.7(dynes・sec・cm-5)、 プラセボ投与群では-73.9
±163.1
(dynes・sec・cm-5)
であり、全体集団と同様に、
本剤投与による血行動態改善効果が認められた19)。
17.1.4 国際共同第Ⅲ相試験(長期継続投与試験)
プラセボ対照二重盲検比較試験に参加した肺動脈性肺
高血圧症患者396例を対象に、 本剤0.5~2.5mg1日3回
の用量で適宜漸増する長期継続投与試験を実施した。
396例(日本人21例を含む)を対象とした中間解析の結
果、6分間歩行距離のベースラインからの平均変化量は、
6ヵ月後(366例)で52.8m、9ヵ月後(354例)で52.2m、
12ヵ月後(327例)で51.4m、18ヵ月後(245例)で49.6mで
あった。 プラセボ対照二重盲検比較試験で認められた
本剤投与による6分間歩行距離の改善は、長期継続投与
においても維持されていることが示された。 日本人部
分集団(21例)においては、6分間歩行距離のベースライ
ンからの平均変化量は、6ヵ月後(18例)で60.8m、9ヵ月
後(18例)で57.3m、12ヵ月後(18例)で50.2m、18ヵ月後
(10例)で69.7mであった20)。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
内因性一酸化窒素(NO)に対する可溶性グアニル酸シク
ラーゼ(sGC)の感受性を高める作用とNO非依存的に直
接sGCを刺激する作用の2つの機序を介し、環状グアノ
シン一リン酸(cGMP)の産生を促進する21)。
18.2 肺高血圧症モデルに対する作用
低酸素誘発肺高血圧症マウスモデル及びモノクロタリ
ン誘発肺高血圧症ラットモデルにおいて、 経口投与で
右室収縮期圧の上昇、 右室肥大及び肺血管リモデリン
グを抑制した21)。

主要評価項目
6分間歩行距離
(m)
平均値±SD

※3:WHO機能分類のクラスが1段階以上改善した場合を「改善」、
変化しなかった場合を「不変」、1段階以上悪化した場合を「悪
化」と分類した。投与群間の比較のための検定には、クラス
の変化量(治験終了時のクラス-開始時のクラス)を用いた。

-8.9±316.6
[107]

19. 有効成分に関する理化学的知見

p<0.0001※2
232.4±1011.1
[106]
p<0.0001※2

18(14.4%)
89(71.2%)
18(14.4%)

投与群間の比較:p=0.0033※2
SD:標準偏差
※1:ベースライン値を共変量、投与群、割り付け時の層別因子
(PAH治療薬の併用の有無)及び国/地域を主効果とした共
分散分析より推定した最小二乗平均値の差(用量調節群-プ
ラセボ投与群)とその95%信頼区間
※2:割 り 付 け 時 の 層 別 因 子 及 び 国 / 地 域 を 層 と し た 層 別
Wilcoxon検定
主要評価項目が有意水準両側5%で有意であった場合、副次
的評価項目について表に示した項目の順に逐次的な検定を
実施した。

一般的名称:リオシグアト(Riociguat)
化学名:Methyl N -(4,6-diamino-2-{1-[(2-fluorophenyl)
methyl]-1H -pyrazolo[3,4-b ]pyridin-3-yl}pyrimidin-5yl)-N -methylcarbamate
分子式:C20H19FN8O2
分子量:422.42
性状:本品は白色~帯黄色の粉末である。
本品はN ,N -ジメチルホルムアミド又はジメチルスルホ
キシドに溶けやすく、 アセトニトリル又はエタノール
(99.5)に極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。
化学構造式:

*21. 承認条件
21.1 医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

-6-