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【参考1】診療の手引き・第8.1版 (11 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00332.html
出典情報 「新型コロナウイルス感染症 COVID-19)診療の手引き・第8.1版」の周知について(10/5付 事務連絡)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 8.1 版 ●2 臨床像

図 2-1

COVID-19 の想定される病態
感染
炎症
ウイルス量

Day -5
曝露日

Day 0
発症日

中和抗体量

Day 7

Day 14

Day 21

(参考)WHO. What we know about the COVID-19 immune response. 02 Aug 2020.

【病理像の特徴】

剖検例の検討では,SARS-CoV-2 は II 型肺胞上皮細胞に検出され,肺胞上皮細胞へのウ

イルス感染によるウイルス性肺炎が COVID-19 肺炎の本態と考えられている.重症例では,

ARDS を反映した DAD(diffuse alveolar damage:びまん性肺胞傷害)の所見が特徴的である.
ウイルス抗原は炎症や DAD の所見に乏しく正常な肺に近い形態を示す領域において多く認め
られる.肺胞上皮への SARS-CoV-2 の感染が病理形成に先行し,感染後の免疫応答によって

上記のような病変が形成されると考えられる.また COVID-19 肺炎では,同一個体の同一肺
葉内において,滲出期から線維化期までさまざまな病期の病変が同時に存在することが特徴的
である.すなわち,肺内のすべての部位において同時にウイルス感染が生じるのではなく,ウ

イルス感染が徐々に広がることによって次第に病変が拡大し,最終的に呼吸不全をきたすよう
な広大な病変が形成されることが示唆される.
【インフルエンザとの鑑別】

COVID-19 とインフルエンザを臨床症状のみで鑑別することは困難である.地域の流行状況

によっては,発熱や呼吸器症状を呈する患者を診る場合,インフルエンザと COVID-19 との
両方の可能性を考慮し,同時に検査する場合もあると考えられる.なお,2020/21 シーズンの
インフルエンザの推計受診者数は約 1.4 万人であり,例年と比べ著しく少なかった.2021/22

シーズンも同様であり,2021 年 9 月 6 日~ 2022 年 1 月 30 日までの累積の推計受診者数は
約 0.3 万人であった.

2022 年 9 月 4 日現在,世界的にインフルエンザの患者数は減少し低いレベルにあるが,南

半球のオセアニア,アフリカ南部,南米では通常のシーズンの時期
(主に日本の夏季・現地の冬季)
に COVID-19 流行前やそれに近い水準のインフルエンザの流行を認めており,日本において

も 2022/23 シーズンはインフルエンザが流行する可能性がある.インフルエンザの疫学情報
は国立感染症研究所などにおいて週報で公表されているので参考にされたい .
〈参考〉WHO. Influenza Update N° 428. 14 Sep 2022.

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