よむ、つかう、まなぶ。
【参考1】診療の手引き・第8.1版 (23 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00332.html |
出典情報 | 「新型コロナウイルス感染症 COVID-19)診療の手引き・第8.1版」の周知について(10/5付 事務連絡)《厚生労働省》 |
ページ画像
ダウンロードした画像を利用する際は「出典情報」を明記してください。
低解像度画像をダウンロード
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 8.1 版 ●2 臨床像
・国立感染症研究所「新型コロナウイルス感染後の 20 歳未満の死亡例に関する積極的疫学調査(第一報)
:2022 年 8 月 31 日現在」
・日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員会「データベースを用いた国内発症小児 Coronavirus Disease 2019 (COVID-19)
症例の臨床経過に関する検討」に基づく早期公開情報」https://www.coreregistry.jp/CoreRegistry_COVID19_CRF_
Dashboard/Home/DashBoardviewer
・Tsankov BK,et al. Severe COVID-19 infection and pediatric comorbidities: A systematic review and meta-analysis.
Int J Infect Dis 2021.
・Woodruff RC,et al. Risk factors for severe COVID-19 in children. Pediatrics 2021.
・Butt AA,et al. COVID-19 disease severity in children infected with the Omicron variant. Clin Infect Dis 2022.
6. 妊婦例の特徴
国内外の臨床統計から,妊婦が同年齢の女性と比較して,特に COVID-19 に罹患しやすい
ということはない.しかし,妊娠後半期に感染すると,早産率が高まり,患者本人も重症化し
やすいという事実が明らかになった.一方,妊娠初期・中期の感染で胎児に先天異常を起こす
という報告はなく,子宮内感染も稀である.
日本産科婦人科学会(周産期委員会)事業 COVID-19 妊婦レジストリによれば,2022 年 5
月 5 日までに登録された感染妊婦 967 例中,軽症 708 例(73 %)
,中等症Ⅰ 128 例(13 %)
,
中等症 II 118 例(12 %),重症 13 例(1.3 %)であった.母体死亡の登録はなかった.特に
デルタ株を主体とした流行(2021 年 6 〜 11 月)において,中等症 II ・重症例が多かった.
年齢 31 歳以上,妊娠 21 週以降の感染,妊娠前 BMI 25 以上,喘息を中心とする呼吸器疾
患等の併存疾患(既往・現症の存在など)が重症化のリスク因子であった.欧米ではこれに加
えて,人種や喫煙歴,妊娠高血圧症候群,妊娠性糖尿病,血栓傾向などがリスク因子として報
告されている.ワクチン接種歴が明らかな感染妊婦 661 例中,86 %が未接種であった(中等
症 II ・重症 81 例のすべてが未接種).
諸外国の統計では,妊娠中のワクチン接種は新生児の入院リスクを減少させる.死産,ある
いは母児ともに生命にかかわる事態に陥ったのは,すべて未接種者であったと報告されている.
諸外国でもわが国でも,妊娠中のワクチン接種による母体と胎児・新生児に対する奇形や流早
産などの重篤な有害事象の増加はない.そのため,日本産科婦人科学会・日本産婦人科感染症
学会では,すべての妊婦に週数を問わず,積極的なワクチン接種を推奨している.
COVIREGI-JP/REBIND においても,2020 年 1 月〜 2021 年 4 月に登録された女性(15
〜 45 歳未満)入院患者(妊婦 187 例,非妊婦 935 例)の解析から,妊婦群(18 例,9.6 %)
が非妊婦群(46 例,4.9 %)より中等症・重症患者の割合が高いことが判明した.また,感染
妊婦(254 例)を軽症群と中等症・重症群で比較したところ,妊娠中期(14 週)以降(OR 5.3
[95%CI: 1.2 〜 23.1]),基礎疾患(喘息,糖尿病,高血圧など)の存在(OR 3.9 [95%CI: 1.2
〜 12.5])が中等症・重症と関連していた.
〈参考〉
・出口雅士,
山田秀人.
日本における COVID-19 妊婦の現状 ~妊婦レジストリの解析結果(2022 年 5 月 5 日迄の登録症例)
.
2022.6.7.
・Halasa NB,et al. Effectiveness of maternal vaccination with mRNA COVID-19 vaccine during pregnancy
against COVID-19–associated hospitalization in infants aged <6 months-17 states,July 2021- January 2022.
・Engjom H,et al. Severe COVID-19 in pregnancy is almost exclusively limited to unvaccinated women-time for
policies to change. Lancet Reg Health Eur 2022.
・Shoji K,et al. Clinical characteristics and outcomes of COVID-19 in pregnant women: a propensity score
matched analysis of the data from the COVID-19 Registry Japan. Clin Infect Dis 2022.
・Wadman M. Studies reveal dangers of SARS-CoV-2 infection in pregnancy. Science 2022.
・Goldshtein I,et al. Association of BNT162b2 COVID-19 vaccination during pregnancy with neonatal and early
infant outcomes. JAMA Pediatr 2022.
・日本産科婦人科学会周産期委員会・周産期における感染に関する小委員会.妊婦の新型コロナウイルスワクチン接種に関
する WEB アンケート調査結果について.2022.1.12.
23
・国立感染症研究所「新型コロナウイルス感染後の 20 歳未満の死亡例に関する積極的疫学調査(第一報)
:2022 年 8 月 31 日現在」
・日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員会「データベースを用いた国内発症小児 Coronavirus Disease 2019 (COVID-19)
症例の臨床経過に関する検討」に基づく早期公開情報」https://www.coreregistry.jp/CoreRegistry_COVID19_CRF_
Dashboard/Home/DashBoardviewer
・Tsankov BK,et al. Severe COVID-19 infection and pediatric comorbidities: A systematic review and meta-analysis.
Int J Infect Dis 2021.
・Woodruff RC,et al. Risk factors for severe COVID-19 in children. Pediatrics 2021.
・Butt AA,et al. COVID-19 disease severity in children infected with the Omicron variant. Clin Infect Dis 2022.
6. 妊婦例の特徴
国内外の臨床統計から,妊婦が同年齢の女性と比較して,特に COVID-19 に罹患しやすい
ということはない.しかし,妊娠後半期に感染すると,早産率が高まり,患者本人も重症化し
やすいという事実が明らかになった.一方,妊娠初期・中期の感染で胎児に先天異常を起こす
という報告はなく,子宮内感染も稀である.
日本産科婦人科学会(周産期委員会)事業 COVID-19 妊婦レジストリによれば,2022 年 5
月 5 日までに登録された感染妊婦 967 例中,軽症 708 例(73 %)
,中等症Ⅰ 128 例(13 %)
,
中等症 II 118 例(12 %),重症 13 例(1.3 %)であった.母体死亡の登録はなかった.特に
デルタ株を主体とした流行(2021 年 6 〜 11 月)において,中等症 II ・重症例が多かった.
年齢 31 歳以上,妊娠 21 週以降の感染,妊娠前 BMI 25 以上,喘息を中心とする呼吸器疾
患等の併存疾患(既往・現症の存在など)が重症化のリスク因子であった.欧米ではこれに加
えて,人種や喫煙歴,妊娠高血圧症候群,妊娠性糖尿病,血栓傾向などがリスク因子として報
告されている.ワクチン接種歴が明らかな感染妊婦 661 例中,86 %が未接種であった(中等
症 II ・重症 81 例のすべてが未接種).
諸外国の統計では,妊娠中のワクチン接種は新生児の入院リスクを減少させる.死産,ある
いは母児ともに生命にかかわる事態に陥ったのは,すべて未接種者であったと報告されている.
諸外国でもわが国でも,妊娠中のワクチン接種による母体と胎児・新生児に対する奇形や流早
産などの重篤な有害事象の増加はない.そのため,日本産科婦人科学会・日本産婦人科感染症
学会では,すべての妊婦に週数を問わず,積極的なワクチン接種を推奨している.
COVIREGI-JP/REBIND においても,2020 年 1 月〜 2021 年 4 月に登録された女性(15
〜 45 歳未満)入院患者(妊婦 187 例,非妊婦 935 例)の解析から,妊婦群(18 例,9.6 %)
が非妊婦群(46 例,4.9 %)より中等症・重症患者の割合が高いことが判明した.また,感染
妊婦(254 例)を軽症群と中等症・重症群で比較したところ,妊娠中期(14 週)以降(OR 5.3
[95%CI: 1.2 〜 23.1]),基礎疾患(喘息,糖尿病,高血圧など)の存在(OR 3.9 [95%CI: 1.2
〜 12.5])が中等症・重症と関連していた.
〈参考〉
・出口雅士,
山田秀人.
日本における COVID-19 妊婦の現状 ~妊婦レジストリの解析結果(2022 年 5 月 5 日迄の登録症例)
.
2022.6.7.
・Halasa NB,et al. Effectiveness of maternal vaccination with mRNA COVID-19 vaccine during pregnancy
against COVID-19–associated hospitalization in infants aged <6 months-17 states,July 2021- January 2022.
・Engjom H,et al. Severe COVID-19 in pregnancy is almost exclusively limited to unvaccinated women-time for
policies to change. Lancet Reg Health Eur 2022.
・Shoji K,et al. Clinical characteristics and outcomes of COVID-19 in pregnant women: a propensity score
matched analysis of the data from the COVID-19 Registry Japan. Clin Infect Dis 2022.
・Wadman M. Studies reveal dangers of SARS-CoV-2 infection in pregnancy. Science 2022.
・Goldshtein I,et al. Association of BNT162b2 COVID-19 vaccination during pregnancy with neonatal and early
infant outcomes. JAMA Pediatr 2022.
・日本産科婦人科学会周産期委員会・周産期における感染に関する小委員会.妊婦の新型コロナウイルスワクチン接種に関
する WEB アンケート調査結果について.2022.1.12.
23