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【参考1】診療の手引き・第8.1版 (21 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00332.html
出典情報 「新型コロナウイルス感染症 COVID-19)診療の手引き・第8.1版」の周知について(10/5付 事務連絡)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 8.1 版 ●2 臨床像

カタールにおける小児 COVID-19 患者の重症度をデルタ株流行期(2021 年 6 月 1 日〜

2021 年 11 月 6 日)とオミクロン株流行期(2022 年 1 月 1 日〜 2022 年 1 月 15 日)の各
985 例で検討した.デルタ株では軽症 84.2 %,中等症 15.7 %,重症 0.1 % であり,オミク
ロン株では軽症 97.8 %,中等症 2.2 %,重症 0 % であった.

日本集中治療医学会小児集中治療委員会による,新型コロナウイルス関連小児重症・中

等症例の発生把握関連情報によると,第 7 波による主な入院理由は,急性脳症(25.0 %)

COVID-19 肺炎 (19.7 %),痙攣 (16.4 %)
であった.小児重症・中等症例の年齢層は,
新生児 (0.7
%),未就学児 (49.3 %),小学生 (29.6 %),中学生 (4.6 %),高校生 (4.6 %) であった.
【小児における死亡例】

国立感染症研究所の報告によると,国内においては,2022 年 1 月〜 8 月の間に COVID-19

感染後の 20 歳未満の死亡例が 41 例確認された.その年齢は,0 歳 8 例(20 %)
,1 〜 4 歳

10 例(24 %),5 〜 11 歳 17 例(41 %)

12 〜 19 歳 5 例(12 %)

不明 1 例(2 %)であり,
5 歳未満が約半数を占めていた.さらに,41 例のうち実地調査が実施できた症例は 32 例であ

り,このうち,明らかな内因性死亡とされた 29 例のうち,約半数の 15 例(52 %)は基礎疾

患のない生来健康な症例であった.死亡に至る主な経緯は,
循環器系の異常 7 例(24%:心筋炎,

不整脈等)
,中枢神経系の異常 7 例(24 %:急性脳症等)
,呼吸器系の異常 3 例(10 %:肺炎,
細菌性肺炎等),その他 6 例(21 %:多臓器不全等),原因不明 6 例(21 %)であった.29
例の COVID-19 ワクチンの接種状況は,接種対象外年齢の者が 14 例(48 %)
,接種対象年齢
の者が 15 例(52 %)であり,接種対象年齢となる 5 歳以上の 15 例では,未接種が 13 例(87

%)
,2 回接種が 2 例(13 %)であった.小児においては,痙攣,意識障害などの神経症状や,
嘔吐,経口摂取不良などの呼吸器症状以外の全身症状の出現にも注意を払う必要があり,また
特に,発症後1週間の症状の経過観察が重要であると考えられると報告された.流行期間を通
して,小児における致死率の上昇は確認されていないが,小児感染例の増加に伴う重症例の増
加には注意が必要である.
【小児における感染経路】

日本小児科学会の小児症例レジストリ調査「データベースを用いた国内発症小児 Coronavirus

Disease 2019(COVID-19)症例の臨床経過に関する検討」で公開されているデータでは,
20 歳未満症例 9,567 例の中で,5,533 例 (58 %) において家族(父親 1,864 例,母親 1,676 例,
両親 297 例,同胞 1,128 例,祖父母 306 例,その他 262 例)が先行感染者であり,学校関
係者および幼稚園・保育所関係者からの感染はそれぞれ 10 %,8 % であった(2022 年 9 月
17 日時点)


一方で,国内でオミクロン株の流行が顕在化した 2022 年 1 月以降に報告された 5,208 例

の小児に限定すると,家族内感染は 2,471 例 (47 %) に留まっており,学校関係者および幼稚

園・保育所関係者からの感染はそれぞれ 13 %,10 % であった.さらに,オミクロン株流行前

は,父親から子どもへの感染が約 4 割を占めていた家族内感染は,オミクロン株の流行後,父
親 645 例(26 %),母親 650 例(26 %)
,両親 82 例(3 %)
,同胞間 892 例(36 %)
,祖
父母 83 例 (3 %),その他 119 例(5 %)となっており,母親から子ども,および同胞間での
感染割合が増加した.

学校および幼稚園・保育所における主な感染経路も,子どもから子どもへの感染がそれぞれ

65 %,62 % を占めていた.

明確な感染源が不明な小児の割合は,オミクロン株流行以前は 10 % 程度に留まっていたが,

オミクロン株流行後は 25 % まで増加していた.

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