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【参考1】診療の手引き・第8.1版 (6 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00332.html |
出典情報 | 「新型コロナウイルス感染症 COVID-19)診療の手引き・第8.1版」の周知について(10/5付 事務連絡)《厚生労働省》 |
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 8.1 版 ●1 病原体・疫学
2. 伝播様式
【感染経路】 感染者(無症状病原体保有者を含む)から咳,くしゃみ,会話などの際に排出さ
れるウイルスを含んだ飛沫・エアロゾル(飛沫より更に小さな水分を含んだ状態の粒子)の吸
入が主要感染経路と考えられる.
SARS-CoV-2 の環境下での生存期間は,プラスチック表面で最大 72 時間,ボール紙で最大
24 時間とされている(WHO).
【エアロゾル感染】 エアロゾル感染は厳密な定義がない状況にある.SARS-CoV-2 感染者から近い
距離でのエアロゾル曝露による感染を示唆する報告がある.一般的に1m 以内の近接した環境で感
染するが,エアロゾルは空気中にとどまり得ることから,密閉空間などにおいては1m を超えて感
染が拡大するリスクがある.医療機関では,少なくともエアロゾルを発生する処置が行われる場合
には,空気予防策が推奨される.
【潜伏期・感染可能期間】 潜伏期は 1 ~ 14 日間であり,曝露から 5 日程度で発症することが
多い.ただし,オミクロン株は潜伏期が 2 ~ 3 日,曝露から 7 日以内に発症する者が大部分で
あるとの報告がある *. 発症前から感染性があり,発症から間もない時期の感染性が高いことが
市中感染の原因となっており,SARS や MERS と異なる特徴である.
* 国立感染症研究所 . SARS-CoV-2 の変異株 B.1.1.529 系統(オミクロン株)の潜伏期間の推定:暫定報告.2022.1.14.
SARS-CoV-2 は上気道と下気道で増殖できると考えられ,重症例ではウイルス量が多く,
排泄期間も長い傾向にある.発症から3~4週間,
病原体遺伝子が検出されることは稀でないが,
感染性があることと同義ではない.感染可能期間は発症 2 日前から発症後 7 ~ 10 日間程度と
考えられている.なお,血液,尿,便から感染性のある SARS-CoV-2 が検出されることは稀
である.
【季節性】 コロナウイルス感染症は一般に温帯では冬季に流行するが,COVID-19 については,
現時点では気候などの影響は明らかでない.
3. 国内発生状況
日本では 2020 年 1 月 6 日に疑似症サーベイランスの枠組みで患者を探知する体制が取られ,
1 月 15 日に武漢市に滞在歴がある肺炎の患者が国内初症例として神奈川県で報告された.2 月
1 日の指定感染症への指定以前に 12 例が報告され,うち3例に海外渡航歴を認めなかった.1
月末から 2 月は武漢からのチャーター便とクルーズ船(ダイヤモンド・プリンセス号)から感染
者が報告された.3 月には欧州などでの感染が疑われる患者が増加し,4 月上旬をピークに流行
が認められた(年齢中央値:49 歳).これに伴い,4 月 16 日には全都道府県に緊急事態宣言が
発出された.次いで 6 月中旬から大都市を中心に 20 ~ 30 代の患者が増加し,8 月上旬をピー
クとした流行が発生した.以後,2021 年 1 月上旬,5月上旬(アルファ株中心),8 月下旬(デ
ルタ株中心),2022 年2月上旬(オミクロン株 BA.1 および BA.2 系統中心),7 月下旬(オミ
クロン株 BA.5 系統中心)をそれぞれピークとする流行が発生した.
現在のオミクロン株の流行は過去最多の患者数を記録しているが,人工呼吸を要するような重
症者数は比較的少ない(図 1-2,1-3).一方,80 歳以上の高齢者を中心に死亡者は過去最多で
ある(図 1-4).
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2. 伝播様式
【感染経路】 感染者(無症状病原体保有者を含む)から咳,くしゃみ,会話などの際に排出さ
れるウイルスを含んだ飛沫・エアロゾル(飛沫より更に小さな水分を含んだ状態の粒子)の吸
入が主要感染経路と考えられる.
SARS-CoV-2 の環境下での生存期間は,プラスチック表面で最大 72 時間,ボール紙で最大
24 時間とされている(WHO).
【エアロゾル感染】 エアロゾル感染は厳密な定義がない状況にある.SARS-CoV-2 感染者から近い
距離でのエアロゾル曝露による感染を示唆する報告がある.一般的に1m 以内の近接した環境で感
染するが,エアロゾルは空気中にとどまり得ることから,密閉空間などにおいては1m を超えて感
染が拡大するリスクがある.医療機関では,少なくともエアロゾルを発生する処置が行われる場合
には,空気予防策が推奨される.
【潜伏期・感染可能期間】 潜伏期は 1 ~ 14 日間であり,曝露から 5 日程度で発症することが
多い.ただし,オミクロン株は潜伏期が 2 ~ 3 日,曝露から 7 日以内に発症する者が大部分で
あるとの報告がある *. 発症前から感染性があり,発症から間もない時期の感染性が高いことが
市中感染の原因となっており,SARS や MERS と異なる特徴である.
* 国立感染症研究所 . SARS-CoV-2 の変異株 B.1.1.529 系統(オミクロン株)の潜伏期間の推定:暫定報告.2022.1.14.
SARS-CoV-2 は上気道と下気道で増殖できると考えられ,重症例ではウイルス量が多く,
排泄期間も長い傾向にある.発症から3~4週間,
病原体遺伝子が検出されることは稀でないが,
感染性があることと同義ではない.感染可能期間は発症 2 日前から発症後 7 ~ 10 日間程度と
考えられている.なお,血液,尿,便から感染性のある SARS-CoV-2 が検出されることは稀
である.
【季節性】 コロナウイルス感染症は一般に温帯では冬季に流行するが,COVID-19 については,
現時点では気候などの影響は明らかでない.
3. 国内発生状況
日本では 2020 年 1 月 6 日に疑似症サーベイランスの枠組みで患者を探知する体制が取られ,
1 月 15 日に武漢市に滞在歴がある肺炎の患者が国内初症例として神奈川県で報告された.2 月
1 日の指定感染症への指定以前に 12 例が報告され,うち3例に海外渡航歴を認めなかった.1
月末から 2 月は武漢からのチャーター便とクルーズ船(ダイヤモンド・プリンセス号)から感染
者が報告された.3 月には欧州などでの感染が疑われる患者が増加し,4 月上旬をピークに流行
が認められた(年齢中央値:49 歳).これに伴い,4 月 16 日には全都道府県に緊急事態宣言が
発出された.次いで 6 月中旬から大都市を中心に 20 ~ 30 代の患者が増加し,8 月上旬をピー
クとした流行が発生した.以後,2021 年 1 月上旬,5月上旬(アルファ株中心),8 月下旬(デ
ルタ株中心),2022 年2月上旬(オミクロン株 BA.1 および BA.2 系統中心),7 月下旬(オミ
クロン株 BA.5 系統中心)をそれぞれピークとする流行が発生した.
現在のオミクロン株の流行は過去最多の患者数を記録しているが,人工呼吸を要するような重
症者数は比較的少ない(図 1-2,1-3).一方,80 歳以上の高齢者を中心に死亡者は過去最多で
ある(図 1-4).
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