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【資料1】次世代医療機器評価指標について (18 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32218.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 医療機器・体外診断薬部会(令和4年度第10回 3/27)《厚生労働省》
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参考 1
信頼性(耐久性試験)
補助人工心臓6の耐久性試験においては、合理的な限りシステムとしての耐久性を評
価することが望ましい。しかし、拍動型補助人工心臓における構成要素となる生体弁等、
システムとして組み込んだ in vitro 耐久試験では臨床で想定されない負荷が作用するこ
ともあり、これらの構成要素に関しては、システム全体とは別に、独立して耐久性試験
を行っても良い。
耐久性試験においては、ISO14971:2019 に基づくリスク分析により、植込型補助人工
心臓の構成要素について故障モードを評価し、それらの想定される故障モードの発生や
予兆を評価できる試験を行うことが望ましい。
植込型補助人工心臓の故障の定義は、植込型補助人工心臓が要求される機能を果たせ
なくなること、または最低要求仕様を果たせなくなること、すなわち血流及び血圧を補
助できなくなることとして表される。耐久性試験においては、植込型補助人工心臓、耐
久性試験システムにおける構成品の交換や不具合等のイベントを記録すると共に、その
解析・評価結果を保管する必要がある。それらの記録は求めに応じて提出できるように
管理しておくことが求められる。
システムの信頼性とは、予め定めた試験環境・条件の下で、システムが一定期間その
機能を果たす確率で表される。達成すべき信頼性を示すために、Reliability と Confidence
level を設定し、試験するシステムの数と許容可能な故障数を決定して試験を計画する
等、統計的手法を用いて信頼性を示すことが推奨される。
耐久性試験においては、臨床での使用環境・条件を踏まえ、試験環境・条件を設定す
ることが求められる。
(1) 全ての埋め込み要素は、生理学的な模擬環境(pH、電解質、温度、等)で試験し、
拍動流及び拍動圧力のある模擬循環試験装置を用いて評価するものとする。拍動性
のある模擬循環試験装置を使用しない場合は、拍動性がなくても耐久性を評価でき
ることを、使用目的を踏まえて科学的に示すことが推奨される。
(2) 人の生理学的状態(通常の活動、運動、就寝等)を模した装置の循環条件(流量、
圧力、拍動数等)を考慮する。
使用目的に応じて求められる耐久性の期間は異なる。今後、更なる QOL の向上や低
侵襲治療を目指した植込型補助人工心臓の研究開発が期待され、また、研究開発・事業
化の促進という観点で、国際ハーモナイゼーションも重要である。BTT を目的とした植
込型補助人工心臓に関しては 6 カ月、さらに DT を目的とした植込型補助人工心臓では
2 年間の耐久性を示すことが推奨される。
耐久性試験の試験条件と期間については、最低限 80% reliability、60% confidence level
での試験が必要であるが、国際ハーモナイゼーションの観点も勘案し、80% reliability、
80% confidence level で試験を実施することを推奨する。機器の特性を考慮して、下表を
参考として試験条件の設定を行うこととする。

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本邦での補助人工心臓は、体内植込型、体外設置型に大別され、それらの適応は心臓移植への橋渡しを目
的とした BTT、心臓移植を目的としない長期在宅補助人工心臓治療を目的とした DT、補助人工心臓の植込
み前に移植適応判定を下せない場合に BTT を目指して治療を行うことを目的とした(bridge to candidacy:
BTC)、心原性ショック等の救命治療を目的とした(bridge to decision: BTD)等がある。BTC や BTD を目的
とした体外設置型補助人工心臓においても、本参考を参照して使用目的に応じた数カ月の耐久性を示すこ
とが推奨される。

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