よむ、つかう、まなぶ。
資料1-3 ビソプロロール 調査結果報告書及び添付文書[2.5MB] (45 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38855.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和5年度第15回 3/26)《厚生労働省》 |
ページ画像
ダウンロードした画像を利用する際は「出典情報」を明記してください。
低解像度画像をダウンロード
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
妊娠第 1 三半期に処方された例(カリフォルニア population-based cohort study、薬局処
方データで同定(16)
)の解析では、心奇形の発生率の上昇とは関連がみられなかった。
妊娠第 2 三半期以降の曝露と児への影響に関する情報については、本薬使用例 339 例を対
象とした研究(ドイツ奇形情報センター(1)
)では、妊娠第 1 三半期のみの曝露例に比し、
分娩前の少なくとも 2 週間前まで継続した例では出生体重が少なかった。国内研究(国内単
施設研究(3)
)では、本薬 5 例を含む β 遮断薬 45 例と疾患コントロールを比較し、β 遮断
薬群では胎児発育不全(FGR)が多かったが、本薬使用の 5 例において先天異常や FGR はみら
れなかった。妊娠娠第 3 三半期の β 遮断薬処方例(内訳は不明)
(北米処方箋データベース
(4)
)の解析では、新生児低血糖や哺乳不良リスク増加などの影響がみられた。本剤もしく
はメトプロロールを第 2,第 3 三半期に使用した母親の児 294 児(β 遮断薬曝露群)
(The
German Embryotox Pharmacovigilance による前向き観察研究(15))の解析では、SGA に
ついてメチルドパ曝露群、非曝露と比較して有意に多く、早産については、非曝露群と
比較すると多いがメチルドパ曝露群との比較では有意な増加はみられなかった。新生児
合併症においては、メチルドパ曝露群、非曝露群と比較してともに有意な増加はみられ
なかった。
曝露時期は明記されていないが、妊娠中にカルベジロールを使用した母親の児 32 例、
β 遮断薬(αβ 遮断薬を除く)を使用した母親の児 11 例(日本の単施設の後方視的研
究(14))の解析では、新生児低血糖の発生率は、本薬曝露群が対照群より多くみられ、
SGA は、本薬群及び対照群に比べ、β 遮断薬群で有意に多かった。
これらの報告を考量すると、本薬を含む β 遮断薬は、妊娠中の使用が必須の患者に対
して、妊娠中の使用を禁止しなければならない研究結果は得られていないこと。
⑤ 妊娠中のβ遮断薬の使用については、海外ガイドラインにおいて胎児の子宮内発育遅延や低
血糖リスク、徐脈があるものの妊娠中のβ遮断薬使用は一般的に安全とされていること、国
内ガイドライン(心疾患患者の妊娠・出産の適応、管理に関するガイドライン/不整脈薬物治
療ガイドライン)においても、おそらく安全とされていること。
以上より、心不全や不整脈を合併するハイリスク妊娠において、本薬を使用することによるベ
ネフィットは潜在的なリスクに比べ大きいと考えられる。
33
44
方データで同定(16)
)の解析では、心奇形の発生率の上昇とは関連がみられなかった。
妊娠第 2 三半期以降の曝露と児への影響に関する情報については、本薬使用例 339 例を対
象とした研究(ドイツ奇形情報センター(1)
)では、妊娠第 1 三半期のみの曝露例に比し、
分娩前の少なくとも 2 週間前まで継続した例では出生体重が少なかった。国内研究(国内単
施設研究(3)
)では、本薬 5 例を含む β 遮断薬 45 例と疾患コントロールを比較し、β 遮断
薬群では胎児発育不全(FGR)が多かったが、本薬使用の 5 例において先天異常や FGR はみら
れなかった。妊娠娠第 3 三半期の β 遮断薬処方例(内訳は不明)
(北米処方箋データベース
(4)
)の解析では、新生児低血糖や哺乳不良リスク増加などの影響がみられた。本剤もしく
はメトプロロールを第 2,第 3 三半期に使用した母親の児 294 児(β 遮断薬曝露群)
(The
German Embryotox Pharmacovigilance による前向き観察研究(15))の解析では、SGA に
ついてメチルドパ曝露群、非曝露と比較して有意に多く、早産については、非曝露群と
比較すると多いがメチルドパ曝露群との比較では有意な増加はみられなかった。新生児
合併症においては、メチルドパ曝露群、非曝露群と比較してともに有意な増加はみられ
なかった。
曝露時期は明記されていないが、妊娠中にカルベジロールを使用した母親の児 32 例、
β 遮断薬(αβ 遮断薬を除く)を使用した母親の児 11 例(日本の単施設の後方視的研
究(14))の解析では、新生児低血糖の発生率は、本薬曝露群が対照群より多くみられ、
SGA は、本薬群及び対照群に比べ、β 遮断薬群で有意に多かった。
これらの報告を考量すると、本薬を含む β 遮断薬は、妊娠中の使用が必須の患者に対
して、妊娠中の使用を禁止しなければならない研究結果は得られていないこと。
⑤ 妊娠中のβ遮断薬の使用については、海外ガイドラインにおいて胎児の子宮内発育遅延や低
血糖リスク、徐脈があるものの妊娠中のβ遮断薬使用は一般的に安全とされていること、国
内ガイドライン(心疾患患者の妊娠・出産の適応、管理に関するガイドライン/不整脈薬物治
療ガイドライン)においても、おそらく安全とされていること。
以上より、心不全や不整脈を合併するハイリスク妊娠において、本薬を使用することによるベ
ネフィットは潜在的なリスクに比べ大きいと考えられる。
33
44