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「異種移植の実施に伴う異種移植片由来感染症のリスク管理に関するガイドライン(案)」 (12 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_43769.html
出典情報 厚生科学審議会 再生医療等評価部会(第98回 9/20)《厚生労働省》
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(2) 異種移植片由来の未知の感染因子の感染の可能性。その危険性が現時点では未知で
あること、このため発症時期やどんな病状を示すか予測できないこと。そのため長
期に亘って感染症の発症をモニタリングする必要があること
(3) 異種移植片由来感染因子は、移植患者に接触する家族や性的交渉相手等体液に接触
する可能性のある者に伝播する可能性が否定できないこと。
(4) (4)~(3)に示す接触者への感染因子の感染は、例えば、性的交渉時には体液に対す
るバリアーとなる用具を使用すれば危険性が低下する可能性があること、乳幼児、
妊婦、高齢者、慢性疾患患者及び免疫抑制状態にある者に対しては感染の危険性が
増す可能性があること等を説明するなど感染の伝播の防止に関すること。
(5) 入院中の隔離の必要性(予想される隔離期間)と退院後の特別な注意点(食事、旅
行等)。
(6) ドナー動物となった動物種と移植患者とが、それぞれに、種を超えた感染症の伝播
における危険因子となる可能性があり、その危険性を最小限にするため、退院後に
注意が必要となること。
(7) 当該異種移植の技術に伴う感染症リスクの科学的知見は未確立であり、長期間、感
染因子監視を行う必要があるため、当該知見が確立するまでの間、定期的に、か
つ、必要に応じて細胞や血清を採取して検査を行う必要があること。その期間は一
生涯となる可能性があること。また、受動的サーベイランスを目的として定期的に
患者検体の保管が必要なこと。感染因子監視を目的とする検査を含む移植実施後の
診察のスケジュールはできる限り明確にしておく必要があり、あらかじめ診察のス
ケジュールを移植患者に伝えること。
また、移植患者又は接触者に重篤又は原因不明の症候(症状・徴候)が現れたとき
は、直ちに異種移植提供機関の担当医に報告しなければならないこと。
(8) 採取された試料(検体)及び医学的記録を移植実施後30年間は保管し、診療、研
究及び感染症の原因究明の目的で使用すること。
(9) 移植患者は、当該異種移植の技術に伴う感染症リスクの科学的知見が確立するまで
の間、移植後全血、血清、血球、骨髄液、さい帯血、臓器、組織、乳汁、卵子、精
子、その他身体のどの部分もヒトへの使用を目的として提供してはならないこと。
(10) 将来、出産する場合は、妊娠期間中、出産及び授乳の際に、児に異種移植片由来の
感染因子の伝播が生じる可能性を否定できないこと。
(11) 長期間の健康管理のために、移植患者は、住所、電話番号等の変更があった場合、
必ず異種移植提供機関の担当医に連絡すること。
(12) 死後、剖検を実施し、臓器等が採取・保存され、研究及び感染症の原因究明の目的
で使用されることへの協力。また、剖検を実施する必要性を、家族に伝えておくこ
と。
(13) すべての医学的記録は、関係する行政機関(厚生労働省、国立感染症研究所、保健
所等)に法に基づき開示される可能性があること。また移植以外で手術等の医療を
受ける場合、異種移植を受けたことの情報を共有されること。ただし、移植患者の
プライバシーは最大限守られること。
(14) 異種移植片が拒絶又は摘出された場合であっても、上記のすべての項目が適用され
ること。

4 ドナー動物
異種移植を受けた免疫抑制状態にある患者では、既知の人獣共通で病原性を示す微生物
だけでなく、ドナー動物に対しては無害であり体内に常在する微生物や共生生物がヒトに
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