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「異種移植の実施に伴う異種移植片由来感染症のリスク管理に関するガイドライン(案)」 (18 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_43769.html
出典情報 厚生科学審議会 再生医療等評価部会(第98回 9/20)《厚生労働省》
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4.4 集団又はコロニーの品質管理
4.4.1 品質管理における基本的要素
異種移植に用いるドナー動物としての集団又はコロニーの品質管理のために推奨される
基本的要素は次のとおりである。
(1) 集団又はコロニーの維持が閉鎖系の環境で行われること。
(2) 感染性病原体についての適切な感染因子監視プログラムがあること。
集団又はコロニーの健康維持と感染因子監視プログラムは、その使用目的、使用方法な
どの特性に見合ったものである必要があり、動物飼育施設の標準作業手順書に明記されな
ければならない。これらの手順は監査委員会又はそれに相当する委員会により承認されな
ければならない。集団又はコロニー及び移植用に供給される個々の動物の健康管理記録は
動物飼育施設において少なくとも移植実施後 30 年間は保存しなければならない。

4.4.2 記録する管理内容等
動物飼育施設は、動物飼育施設で実施される採血、生検等の非経口的処置を行う場合に
は、滅菌済み器具を用いて無菌的に行う等標準的な方法を用いた獣医学的管理(例えば、
寄生虫の駆除)に基づいた集団又はコロニーの健康管理を実施し、健康管理記録として記
録すること。また、集団又はコロニーの健康に影響を及ぼす可能性のある事象(例えば、
施設の環境維持装置の破損、病気の発生、動物の突然死)も併せて記録し、その原因究明
を行い、その結果を含めておくこと。特に、スクリーニングにおける血清反応の検査結果
の解釈に必要であるため、スクリーニング検査計画は詳細に記載すること。異種移植を提
供する医療機関の責務として、これらの記録やスクリーニング検査計画等を動物飼育施設
から入手し、保管すること。

4.4.3 感染因子の検査の計画
標準的な獣医学的管理に加えて、臨床的に症状を示さない感染因子の集団又はコロニー
への侵入を監視する体制を構築すること。標準作業手順書には感染因子の検出に用いる身
体所見並びに臨床検査の種類及びスケジュールを含む監視計画について記載しなければな
らない。

4.4.4 検査する感染症等
集団又はコロニーに対して実施する検査は、国内に生息する同種の飼育動物に存在が確
認されている人獣共通感染症を重視すること。ただし、国内では見られないか、又は野生
で生活している動物にのみ認められる感染因子については、どの程度の監視を行うかはそ
の疫学状況を考慮すること。ただし、繁殖元の検査や集団又はコロニーの閉鎖系の維持が
十分になされていることが求められる。集団又はコロニーの地理的な由来は、当該集団又
はコロニーに存在する感染因子の可能性を考察する上で有効な情報である。
ドナー動物の地理的な面も含めた開発履歴を参考に、発祥地や飼育地で流行している地
域固有の感染性病原体についても十分な知識をもった獣医師の参画が求められる。
検査に関する留意事項は、次のとおりである。
(1) 感染因子監視プログラムの一環として、集団又はコロニーから無作為抽出した動物
から定期的に血液等の試料を採取し、その一部は必要な検査が生じた場合に解析可
能な条件で保管しなければならない(例えば、-70℃保管)。これらの試料はそ
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