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「異種移植の実施に伴う異種移植片由来感染症のリスク管理に関するガイドライン(案)」 (17 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_43769.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 再生医療等評価部会(第98回 9/20)《厚生労働省》 |
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動物飼育等に従事する者の健康管理を行うこと。ヒトから動物への感染伝播や動物から
ヒトへの感染の両面から検査を実施すること。
4.3.2 検査法の見直し
異種移植チームは、新たな感染因子が出現する可能性や未知の感染因子が混入するリス
クを想定し、スクリーニング方法の適切性について適宜見直すことが求められる(医薬品
や医療機器で収集される感染症定期報告の確認など)。コロニー又は閉鎖系の集団、個々
のドナー動物及び異種移植片における既知の感染因子の検査法は、ドナー動物種と臨床で
の使用法に合わせて確立され、感染症の知識の進歩にあわせて随時更新しなければならな
い。
4.3.3 採用前の検査方法の評価
コロニー又は閉鎖系の集団、個々のドナー動物及び異種移植片の感染因子検出のための
すべての検査法は、採用に当たってその感度、特異性及び精度について十分に検証されて
いなければならない。開発途上の検査法については、スクリーニングの補助として行い、
結果を評価したうえで臨床試験での検査を実施しなければならない。
4.3.4 具体的な検査方法
非臨床試験では、異種移植片からの試料をドナー動物に潜在する可能性のある一連のウ
イルスを検出できる適切な指標細胞との共培養試験を行い、内在性レトロウイルスを含め
ヒトに感染する可能性のある異種動物由来のウイルスの増殖と検出を試みなければならな
い。共培養における一連の指標細胞の選択は、異種移植片を採取するドナー動物とその臨
床使用法に基づいて選択するのみならず、未知のウイルスを含め迷入ウイルスの存在も想
定した細胞と検出系を選択する必要がある。具体的な検査法については、ICH Q5A (R2)
等のバイオ医薬品に用いる細胞基材のウイルス検査ガイドラインの最新版を適宜参照する
こと。
例えば、ヒトの中枢神経系に関連した異種移植の場合、神経向性ウイルスを検出するた
めに、異種移植片から採取した試料と当該ウイルスを増殖させる可能性の高い細胞株とを
共培養すること、また高感度に検出するための長期継代培養、細胞障害性や病巣形成の観
察、逆転写酵素活性測定及び電子顕微鏡観察など広範なウイルスが検出できるような検査
系や感染指標を適用することが必要と考えられる。そのような培養に加え、免疫学的ある
いは遺伝子工学的手法(酵素抗体法、免疫蛍光抗体法、サザンブロット法、ポリメラーゼ
チェーン反応(PCR)などの核酸増幅法、次世代シーケンシング(NGS)法)、又は近縁
種を用いた生体内(in vivo)での培養技術なども併用することが有効である。潜在性ウイ
ルスの検出は、化学物質又は放射線を用いて活性化することにより容易に検出できる場合
もある。ただし、これらの手法を多面的に用いることにより未知のウイルスも含めて迷入
ウイルスを検出できる可能性が高まる。また、汚染リスクの高い細菌の検出には、適切な
PCR プライマーの使用が有用と考えられ、異種移植片のスクリーニングに用いることが
できる。
特に多様なウイルスに指向性をもつ複数の in vitro 試験の組合わせが未知ウイルスを含
めた迷入ウイルスの検出に有効であるが、その一方で評価に時間を要することからドナー
動物の試験としては適応が困難であるかもしれない。その場合には、ドナー動物の血液を
あらかじめ検査することやドナー動物と同じ飼育をされた他の動物を代替とすることも検
討すること。
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ヒトへの感染の両面から検査を実施すること。
4.3.2 検査法の見直し
異種移植チームは、新たな感染因子が出現する可能性や未知の感染因子が混入するリス
クを想定し、スクリーニング方法の適切性について適宜見直すことが求められる(医薬品
や医療機器で収集される感染症定期報告の確認など)。コロニー又は閉鎖系の集団、個々
のドナー動物及び異種移植片における既知の感染因子の検査法は、ドナー動物種と臨床で
の使用法に合わせて確立され、感染症の知識の進歩にあわせて随時更新しなければならな
い。
4.3.3 採用前の検査方法の評価
コロニー又は閉鎖系の集団、個々のドナー動物及び異種移植片の感染因子検出のための
すべての検査法は、採用に当たってその感度、特異性及び精度について十分に検証されて
いなければならない。開発途上の検査法については、スクリーニングの補助として行い、
結果を評価したうえで臨床試験での検査を実施しなければならない。
4.3.4 具体的な検査方法
非臨床試験では、異種移植片からの試料をドナー動物に潜在する可能性のある一連のウ
イルスを検出できる適切な指標細胞との共培養試験を行い、内在性レトロウイルスを含め
ヒトに感染する可能性のある異種動物由来のウイルスの増殖と検出を試みなければならな
い。共培養における一連の指標細胞の選択は、異種移植片を採取するドナー動物とその臨
床使用法に基づいて選択するのみならず、未知のウイルスを含め迷入ウイルスの存在も想
定した細胞と検出系を選択する必要がある。具体的な検査法については、ICH Q5A (R2)
等のバイオ医薬品に用いる細胞基材のウイルス検査ガイドラインの最新版を適宜参照する
こと。
例えば、ヒトの中枢神経系に関連した異種移植の場合、神経向性ウイルスを検出するた
めに、異種移植片から採取した試料と当該ウイルスを増殖させる可能性の高い細胞株とを
共培養すること、また高感度に検出するための長期継代培養、細胞障害性や病巣形成の観
察、逆転写酵素活性測定及び電子顕微鏡観察など広範なウイルスが検出できるような検査
系や感染指標を適用することが必要と考えられる。そのような培養に加え、免疫学的ある
いは遺伝子工学的手法(酵素抗体法、免疫蛍光抗体法、サザンブロット法、ポリメラーゼ
チェーン反応(PCR)などの核酸増幅法、次世代シーケンシング(NGS)法)、又は近縁
種を用いた生体内(in vivo)での培養技術なども併用することが有効である。潜在性ウイ
ルスの検出は、化学物質又は放射線を用いて活性化することにより容易に検出できる場合
もある。ただし、これらの手法を多面的に用いることにより未知のウイルスも含めて迷入
ウイルスを検出できる可能性が高まる。また、汚染リスクの高い細菌の検出には、適切な
PCR プライマーの使用が有用と考えられ、異種移植片のスクリーニングに用いることが
できる。
特に多様なウイルスに指向性をもつ複数の in vitro 試験の組合わせが未知ウイルスを含
めた迷入ウイルスの検出に有効であるが、その一方で評価に時間を要することからドナー
動物の試験としては適応が困難であるかもしれない。その場合には、ドナー動物の血液を
あらかじめ検査することやドナー動物と同じ飼育をされた他の動物を代替とすることも検
討すること。
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