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「異種移植の実施に伴う異種移植片由来感染症のリスク管理に関するガイドライン(案)」 (25 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_43769.html
出典情報 厚生科学審議会 再生医療等評価部会(第98回 9/20)《厚生労働省》
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5.2 移植患者又は緊密に接触する第3者(患者家族等)
3.3.2(5)に掲げたとおり、移植患者には、その接触者に対して生じる可能性のある未知
の感染症が惹起される可能性についての十分な説明を実施するとともに、適切な患者マニ
ュアルを用いて、日常の生活での注意事項、医療機関等での受診時に伝えるべきことなど
情報を提供すること。異種移植提供機関は、万が一感染症が起きた場合に必要な検査に協
力することを依頼しておくこと。

5.3 異種移植提供機関における感染対策
実施責任者は異種移植提供機関の感染対策責任者とも相談の上、当該機関での感染症対
策を異種移植提供計画に記載し、必要に応じてSOPを作製し異種移植に従事する者及び
感染対策従事者に周知すること。

5.3.1 感染対策実施法
(1) 日常生活において、適切な手洗い、物理的バリアーによる予防、針及び他の鋭利な器
具の使用と廃棄時の注意などを含む標準的感染予防対策を医療従事者に徹底させるこ
と。
(2) 感染経路別感染予防策(空気予防策、飛沫予防策、接触予防策等)については、異種
移植提供機関の感染対策責任者と異種移植チームの感染症の専門家の判断に基づいて
行うこと。入院中の感染予防策の内容は、異種移植の種類、免疫抑制の程度、移植患
者の臨床状態等により異なるものであることから、感染防止対策については移植実施
前に十分な検討を行い、さらに患者の病状の変化、退院並びに再入院又は感染症の確
定診断があったときに再検討されなければならない。必要な感染予防策は、異種移植
片由来感染症の発症が疑われたのち、完治するまで、又は疑いがなくなるまで続ける
こと。
(3) 異種移植チームは、医療器具の使用法と消毒又は殺菌法及び感染性廃棄物の処分につ
いて、異種移植の特性を十分に勘案した手順書を作成し、厳格に順守すること。

5.3.2 急性症状出現時の手順
流行性の急性ウイルス感染症のような症状の出現時において、病原体が同定されること
は必ずしも多くはない。異種移植患者においては、免疫抑制に伴う日和見感染症の危険
性、更に異種移植片由来感染症のリスクが伴うことから、このような症状が現れた時に
は、同種移植患者と比べて、同等以上のリスクも想定して対処することが望まれる。この
ことから、標準的な診断法によって明らかな原因が判らない場合には、体液及び組織試料
の検査をさらに厳密に行うこと。異種移植提供機関の感染症の専門家は、下記事項に留意
の上、異種移植チーム及び疫学の専門家、獣医師、臨床微生物学者等と協議して、診断及
び適切な感染管理に務めること。
(1) 免疫抑制状態にある移植患者では、能動免疫が働かず、抗体を検出する血清学的診断
法では感染症を同定できないことがある。この場合、多数の病原体を同時に検出可能
な遺伝子増幅検査や幅広いウイルスが感染可能な細胞を用いた共培養検査、ゲノム解
析等の他の技術を用いることにより疾患を診断できる可能性がある。したがって、異
種移植提供機関には、培養(in vitro)及び生体内(in vivo)、生体外(ex vivo)の方
法で幅広いウイルスを検出できる設備がなければならない。外部委託をする場合に
は、異種移植を受けた患者の検体であることなどの適切な情報を提供して検査を実施
させること。未知の異種移植片由来病原因子の検出法については、医学と獣医学の両
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