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「異種移植の実施に伴う異種移植片由来感染症のリスク管理に関するガイドライン(案)」 (23 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_43769.html
出典情報 厚生科学審議会 再生医療等評価部会(第98回 9/20)《厚生労働省》
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べきである。また、感染性の評価が必要になったときのために、適切な保存液や保存温度
を選択するべきである。さらに、感染因子ゲノムの検出を想定して、DNA や RNA を抽出
して保存しておくことも有用である。主要臓器(例えば、脾、肝、骨髄、中枢神経系)の
パラフィン包埋、ホルマリン固定又は凍結固定した組織試料を、異種移植片の採取・調製
時にドナー動物から作製しておくこと。一方、これにより適切な条件に保管が可能であれ
ば、再解析が可能であることを確認の上、その方法による保管も可能である。異種臓器移
植でより適切な検体が想定される場合には、再検査を含めて適切な保管条件で保管をする
こと。
さらに移植した組織や臓器に隣接している組織片のみならず対になっている臓器等で移
植に用いられなかった組織・臓器の保管も検討すること。

4.8 その他の基準
上記の事項に加え、施設の製造管理や品質管理等については、「薬局等構造設備規則
(昭和36年厚生省令第2号)」、「医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管
理の基準に関する省令を参考とすること。

5 移植後の感染対策・感染因子監視(サーベイラン
ス)
5.1 移植患者
5.1.1 移植患者の感染因子監視
移植患者の移植後の感染因子監視は、異種移植片由来感染症や遺伝子改変によってもた
らされる感染症の発生及び伝播を監視する上で重要である(4.5.1参照)。胎児への異
種移植を提供した場合には、その母親も異種移植と同様のリスクが生じると想定され、移
植患者と同様の感染因子監視が求められる。この感染因子監視の実施とその記録の作成・
保存は異種移植提供機関の管理者の責務であり、少なくとも30年間は生物学的監視が続
けられなければならない。以下に、適切な監視方法を述べる。
(1) 異種移植片由来の感染因子によって引き起こされる可能性のある感染症について、移
植後、定期的に調べること。
(2) 異種移植片由来の感染因子について過去にさかのぼって検査できるよう、移植の内容
に応じて、その種類と量を検討し、必要な検査試料を採取し、保管すること。これら
の検査試料は公衆衛生学的調査のために用いられることを明確にしておくこと。この
検体として、例えば血液等を安定な条件(例えば-70℃以下)に保管しておき、移
植患者に感染症が認められた場合に移植によるのか別の要因によるのかの解析に資す
るとともに、未知の感染因子の感染が起きていたのかの調査に資することが出来るよ
うにしておくべきである。
例えば、血清あるいは血漿、末梢血単核球等を採取、保管することが想定される。
血漿を保管する場合には、試験実施を想定して複数検体の保管を考慮すること。感染
性を評価可能な条件に白血球分画を凍結、保管すること。遺伝子解析に供するため
に、白血球等から抽出した DNA 及び RNA を分注し、保管する。採取された異種
移植片の組織試料(例えば、異種移植片の拒絶後又は移植患者の死亡時に採取可能な
異種移植片)も保管する。移植の内容に応じてより適切な検体が採取・保管されるの
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