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「異種移植の実施に伴う異種移植片由来感染症のリスク管理に関するガイドライン(案)」 (13 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_43769.html
出典情報 厚生科学審議会 再生医療等評価部会(第98回 9/20)《厚生労働省》
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疾患を起こす可能性がある。したがって、移植に用いられる場合、異種移植片の感染因子
の検査を徹底的に行うべきであるが、異種移植片そのものに徹底的な検査を行うことは技
術的に困難であることから、以下に示す事項を実施することにより、異種移植片由来の感
染因子が移植患者に感染する危険性を最小限に抑える必要がある。

4.1 ドナー動物の条件
4.1.1

原則

異種移植片(細胞・臓器等)は、閉鎖環境で生産・飼育された、由来が明確な動物から
得られたものでなければならない。感染因子を媒介する可能性のある節足動物等の施設へ
の侵入を防止する対策がとられている必要がある。動物は、ドナー動物又は移植患者に感
染する危険性のある感染因子をできる限り有しないコロニー又は閉鎖系の集団から得なけ
ればならない。特にブタをドナー動物とする場合については、ドナー動物から移植患者へ
の感染する危険性が排除されるべき病原体(Designated Pathogen)のリストは別添2のと
おりであり、ドナー動物において、このようなリストの病原体が検出されないことをもっ
て 「Designated Pathogen Free(DPF)」と定義される。一方で、ドナー動物に感染して
いる、あるいは感染している可能性のある感染因子については新たに見出されることがあ
り、この表の中に記載された感染因子の検査で十分とみなせるわけではなく、感染因子の
新たな動向にも着目し、必要に応じて追加の検査を実施すること。このような検査を含め
て適切な対策をとることにより異種移植片由来感染症のリスクを低減することが重要であ
る。
また、閉鎖系のよく管理された環境で飼育されたコロニー又は閉鎖系の集団であって
も、検査等により目的とする異種移植手術に適した状態であることが確認できた個体のみ
を使用しなければならない。

4.1.2 動物種の選択
動物種の選択にあたっては、内在性レトロウイルス等の動物種ごとの微生物学的特性を
考慮すること。

4.1.3 留意事項
上記の観点から、下記の事項に留意すること。
(1) 野生又は野外で生活していた動物は、ドナー動物としてはならない。
(2) 輸入動物又はその一代目の子孫については、その動物が国内で入手不可能な種又は
系である場合に、ドナー動物とすることができる。なお、輸入動物の使用について
は、ドナーとしての特性(適格性)が提供動物飼育施設により国内と同様に証明さ
れている場合に限る。
(3) プリオン病(例えば、伝達性海綿状脳症)が報告されている種をドナー動物とする
場合は、脳神経系疾患がないことが証明され、食餌源もよく管理された閉鎖系の集
団から入手したものでなければならない。また、そのような種の動物については、
発生の危険性の高い国を原産国とする動物の細胞、組織又は臓器を異種移植に用い
てはならない。
(4) 屠畜場の動物は、一般に、閉鎖系で飼育されておらず、また、健康管理記録を得ら
れないこと等から、屠畜場から得た動物の細胞、組織又は臓器は、異種移植に用い
てはならない。
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