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「異種移植の実施に伴う異種移植片由来感染症のリスク管理に関するガイドライン(案)」 (22 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_43769.html
出典情報 厚生科学審議会 再生医療等評価部会(第98回 9/20)《厚生労働省》
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4.6.5 異種移植片を採取した後のドナー動物
異種移植片を採取した動物については、肉眼的及び顕微鏡的な病理検査、微生物検査を
含む全身剖検を行うこと。異種移植片がドナー動物を生存させたまま得られた場合、その
動物の健康状態を終生監視しなければならない。安楽死を含めその動物の死亡時には、異
種移植片の採取・調製から死亡するまでの期間にかかわらず、全身剖検を行うこと。剖検
の結果は、当該動物の一生涯の健康管理記録に記入し、少なくとも移植実施後30年間は
保存しなければならない。剖検の所見で、移植患者の健康に関連があると思われる感染症
の所見を認めた場合(例えば、プリオン病の所見)、その動物に由来する異種移植片を提
供したすべての異種移植提供機関の管理者に直ちに報告すること。また、感染症法に規定
される感染症を診断した場合には最寄りの保健所に届け出ること。移植した組織や臓器に
隣接している組織片を対象として感染症の検査を実施するべきである。

4.7 ドナー動物の記録及び試料の保管
ドナー動物の健康管理記録(特に、検査に関する記録)と試料は、異種移植片由来の感
染症の発生時の公衆衛生学的調査と感染因子監視のために必須であり、次に掲げる事項を
遵守し、移植患者の医学的記録とドナー動物の健康管理記録及び保管試料は、迅速かつ正
確に照合できるよう、系統的に保管しなければならない。これらの保管は異種移植提供機
関の責務として行うこと。

4.7.1 保管の責任者
ドナー動物及びその集団又はコロニーに関する記録と試料の保管は、動物飼育施設の責
任で行い、管理及びその取扱いの責任者について、異種移植提供計画に明記すること。た
だし、異種移植提供機関が患者に使用したドナー動物に関する記録と試料の保管について
は、異種移植提供機関の責任においても実施すること。その取扱いについては、異種移植
提供計画に明記すること。施設の廃止等により保管場所を変更せざるを得ない場合には、
異種移植提供機関の管理者の了承を求めた上で、新たな保管の責任者を決定し、引き続き
適切に保管するよう措置を講ずること。

4.7.2 記録の保存
異種移植片の供給源の集団又はコロニーの健康管理記録、個々のドナー動物の健康管理
記録、異種移植片のスクリーニング記録は、少なくとも移植実施後30間は保存しなけれ
ばならない。 個々のドナー動物に関する健康管理記録の要旨及び異種移植片のスクリー
ニング記録の写しは、移植患者の医学的記録の一部として異種移植提供機関で保存するこ
と。

4.7.3 試料の保管
過去にさかのぼって公衆衛生学的調査検討をするために、異種移植片の採取・調製時に
採取したドナー動物の試料は、移植実施後少なくとも30年間は保管しなければならな
い。保管されたドナー動物の試料はいつでも取り出すことが可能で、ドナー動物の健康管
理記録及び移植患者の医学的記録との照合が容易でなければならない。

4.7.4 保管する試料
各ドナー動物のどのような試料を保管しておくかについては、対象とする異種移植片
(細胞、組織、臓器等)や適用方法、などに応じて適切なものを選択することが必要であ
る。また、血漿や血球成分のほか、移植組織や臓器に隣接する組織片なども採取しておく
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