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「異種移植の実施に伴う異種移植片由来感染症のリスク管理に関するガイドライン(案)」 (21 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_43769.html
出典情報 厚生科学審議会 再生医療等評価部会(第98回 9/20)《厚生労働省》
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記録は、正確に相互照会ができるようにすること。それらの記録は、候補動物の選出や、
異種移植片の採取・調製前に閲覧できるようにし、また、過去にさかのぼって検索できる
ように移植実施後少なくとも 30 年間保存すること。個々のドナー動物の記録の写しは、
異種移植片に添付されなければならない。

4.5.4 異種移植片を摘出した後に病原体が検出された場合の対応
動物飼育施設は、異種移植片を供給した後に供給源の動物個体又はその母集団に感染性
病原体が同定された場合(例えば、モニタリング用動物に遅発性のプリオン病が発症した
ような場合)、異種移植提供機関の管理者に直ちにその旨を通知し、適切な対応を取る必
要がある。既に移植が行われていた場合には、患者の健康状態や感染因子の検査のために
末梢血等の採取を行い、モニタリングを実施すること。

4.6 異種移植片の採取・加工及びスクリー二ング
4.6.1 採取・加工を実施する区域
異種移植臓器・組織、細胞等の採取・加工は、汚染を最小限に抑えるため無菌条件下で
行わなければならず、そのための適切な措置を講ずること。例えば、異種膵島細胞の加工
ではグレード A の無菌性が保たれた空間で実施すること。ドナー動物からの臓器の採取
は、清浄性が十分に担保された手術室等で実施すること。作業に必要な施設又は設備を設
け、これらの作業区域は、施設内の他の作業区域と区分されていること。
また、取り違えや感染因子の感染の危険性を減少させるために、複数のドナー動物から
の異種移植片を同一室内で同時期に取り扱う行為、交叉汚染を引き起こす危険性のある保
管方法を採らないこと。

4.6.2 受動的サーベイランスの実施等
異種移植片については、機能を損なわない範囲で可能な限り生検を実施し、移植前に感
染症に関する適切なスクリーニング検査と組織学的検査を行い、その結果を記録しておく
こと。すべての検査結果は、異種移植片の臨床使用前に動物飼育施設の責任者及び移植チ
ームの実施責任者によって確認されなければならない。これらの記録と同時に採取された
検体を再検査可能な条件で保存しておくことにより、移植患者に何らかの感染の徴候が認
められた場合に、保管検体を用いて感染因子の検査を実施し、保管時の記録とともに参照
することにより、感染の有無、感染因子の同定、感染の時期等について有用な情報が得ら
れる可能性がある(受動的サーベイランス)。免疫抑制剤の投与を受けることによる新た
な感染との区別も可能になるかもしれない。

4.6.3 標準操作手順書の作成
採取・調製及びスクリーニングにおいて行われる各操作について、標準操作手順書を作
成すること。採取・調製操作及びスクリーニングの精度管理を確認するため、あらかじめ
予備的操作等により評価しておくこと。

4.6.4 異種移植片の移植前の一時的な保管
異種移植片を移植前培養により、一時的に保管する場合、ウイルスやマイコプラズマの
同定を含む能動的スクリーニング検査により、無菌状態が維持されていることを確認しな
ければならない。異種移植片に病原体が混入したことが疑われ、疑いを否定できない場合
には、その異種移植片を移植に使用しないこと。
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