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「異種移植の実施に伴う異種移植片由来感染症のリスク管理に関するガイドライン(案)」 (14 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_43769.html
出典情報 厚生科学審議会 再生医療等評価部会(第98回 9/20)《厚生労働省》
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(5) ヒト以外の霊長類をドナー動物とすることは、現在のところ、微生物学的特性が十
分に解明されていないために適切でない。
(6) 開放的な管理(例えば、柵内での放し飼い)を受けていた動物は、節足動物や他の
生物と偶発的に接触することにより感染因子に感染している可能性があることか
ら、ドナー動物としてはならない。さらに閉鎖系であっても、節足動物等の侵入を
厳格に防止できるような隔離対策が取られていることが必要である。
(7) ワクチン接種を受けたことのある動物個体は、抗体検査等の感染因子監視で陽性
(偽陽性)と判断される可能性があるため、ドナー動物としてはならない。
(8) 胎盤に感染するウイルス等の有無に関する検査を実施し、その感染が否定された健
康な動物母体から帝王切開により摘出され、アイソレーター内で飼育した外来性の
感染因子に対する無菌状態が保たれた動物個体、又はそのような動物を基に閉鎖環
境で繁殖を継続されたコロニーの動物個体の作出と維持管理技術が確立された動物
種が利用できる場合には、それらの動物を用いること。
(9) ドナー動物の生産にクローン胚を用いる場合、クローン胚作成用の卵子を供与する
動物、及び遺伝子改変を行った細胞の核を得るために細胞を単離する動物について
も、ドナー動物と同様に感染因子や健康状態などその適切性が確認されているこ
と。
(10) ドナー動物を得るためにクローン胚を調製する動物やクローン胚を移植する借腹動
物を用いる場合、これらの動物の感染因子の検査を実施すること。

4.2 動物飼育施設
4.2.1 動物飼育施設の要件
ドナー動物を飼育する施設(以下「動物飼育施設」という。)は、次に掲げる要件を満
たさなければならない。
(1) 当該動物飼育施設は、「実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準」
(平成 18 年環境省告示第 88 号)に準拠すること。
(2) 当該動物飼育施設は、該当する異種移植チームの適切なメンバーによる監査委員会
(以下「監査委員会」という。)の査察を受けること。
(3) 当該動物飼育施設は、標準操作手順書、文書化された動物の健康管理簿及び感染因
子監視システムを有すること。
(4) 当該動物飼育施設は、当該動物種の感染症を熟知した獣医師をスタッフに有するこ
と、さらに微生物検査室による監視体制を維持すること。

4.2.2 標準操作手順書
(1) 動物を飼育する施設の標準作業手順には、次に掲げる事項について十分に記述され
ていなければならない。
a

動物の導入基準
内部で出産した場合を除いて、育種コロニーに導入するすべての動物は、あらかじ
め定めた隔離室に、一定期間留置しなければならない。適切な動物の育種生殖の点
からは、人工授精、胚移植、早期離乳、子宮切開又は子宮摘出,養親などの工程に
ついても十分な安全対策やモニタリング、検査を行うことで感染因子の感染リスク
の低減化を行うべきである。
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