よむ、つかう、まなぶ。
参考資料3 厚生労働科学研究の成果に関する評価(令和4年度報告書) (19 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31012.html |
出典情報 | 厚生科学審議会(第21回 2/3)《厚生労働省》 |
ページ画像
ダウンロードした画像を利用する際は「出典情報」を明記してください。
低解像度画像をダウンロード
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
令和4年度
倫理的法的社会的課題研究事業「成果に関する評価」
(7,250 千円)
1.研究事業の概要
最先端の技術による想定外の影響がイノベーション推進の障壁とならないように、新
たな技術がもたらす倫理的・法的・社会的課題(Ethical, Legal and Social Issues:
ELSI)を抽出し、その影響度等に応じて 必要な政策を立案、実施することが必要であ
る。本研究事業は、人工知能(AI)・ゲノム医療に焦点を当て、具体的な ELSI を抽出、
検討し、その解決策の提言やガイドラインを作成するための検討を行うことを目的とし
た。
2.研究事業の成果
「国民が安心してゲノム医療を受けるための社会実現に向けた倫理社会的課題抽出と社
会環境整備」(令和2~4年度)では、ゲノム医療の推進のために、適切なゲノム情報
の取扱い、患者サポート体制の強化、国民に対するゲノム・遺伝子に関する知識の普及
啓発や教育の充実等といった ELSI を整理し、それらを解決した上でゲノム医療を推進す
ることを目的として「がん遺伝子パネル検査 二次的所見患者開示推奨度別リスト」の改
訂等を実施した。
また、「保健医療分野におけるデジタルデータの AI 研究開発等への利活用に係る倫理
的・法的・社会的課題の抽出及び対応策の提言のための研究」(令和4~5年度)で
は、臨床で得られたデジタルデータを AI 医療機器開発に活用する際の論点を抽出し、諸
外国の状況や国内における最新の法制度・ガイドライン・倫理指針などを調査、検討し
て、今後の研究の基盤となる仮名加工情報の加工基準となるガイドラインの素案を作成
した。
3.成果の評価
AI 技術に関しては、医療を含む社会の諸活動を改善させ得る技術であるが、他方、
人々の間には不安や懸念も抱かれており、国内外の機関で倫理的な検討が進んでいる
中、それらの議論も踏まえ、保健医療分野における AI 技術に対する不安・懸念を特定し
ようとする当研究の試みは、人々の AI に対する信頼を獲得して利活用を促進するために
必要であるため、本研究は高く評価することが出来る。
また、パネル検査及び全ゲノム解析をはじめとするゲノム医療は、適切な治療を患者に
届けるための有望な検査法であるが、その一方でゲノム情報に関連した不利益に対する
対策が必要であり、検査の実態及び問題点を明らかにし、その対策を検討する本研究は
高く評価することが出来る。
研究事業の推進にあたっては、ウェブ会議の実施や研究班への評価結果のフィードバッ
クにより、研究が効率的に遂行された。
4.改善すべき点及び今後の課題
ゲノム医療分野については、令和5年6月にゲノム医療法が成立し、遺伝情報の解析に
より患者が不当な差別を受けたり、不利益を被ったりすることがないよう、指針の策定
16
倫理的法的社会的課題研究事業「成果に関する評価」
(7,250 千円)
1.研究事業の概要
最先端の技術による想定外の影響がイノベーション推進の障壁とならないように、新
たな技術がもたらす倫理的・法的・社会的課題(Ethical, Legal and Social Issues:
ELSI)を抽出し、その影響度等に応じて 必要な政策を立案、実施することが必要であ
る。本研究事業は、人工知能(AI)・ゲノム医療に焦点を当て、具体的な ELSI を抽出、
検討し、その解決策の提言やガイドラインを作成するための検討を行うことを目的とし
た。
2.研究事業の成果
「国民が安心してゲノム医療を受けるための社会実現に向けた倫理社会的課題抽出と社
会環境整備」(令和2~4年度)では、ゲノム医療の推進のために、適切なゲノム情報
の取扱い、患者サポート体制の強化、国民に対するゲノム・遺伝子に関する知識の普及
啓発や教育の充実等といった ELSI を整理し、それらを解決した上でゲノム医療を推進す
ることを目的として「がん遺伝子パネル検査 二次的所見患者開示推奨度別リスト」の改
訂等を実施した。
また、「保健医療分野におけるデジタルデータの AI 研究開発等への利活用に係る倫理
的・法的・社会的課題の抽出及び対応策の提言のための研究」(令和4~5年度)で
は、臨床で得られたデジタルデータを AI 医療機器開発に活用する際の論点を抽出し、諸
外国の状況や国内における最新の法制度・ガイドライン・倫理指針などを調査、検討し
て、今後の研究の基盤となる仮名加工情報の加工基準となるガイドラインの素案を作成
した。
3.成果の評価
AI 技術に関しては、医療を含む社会の諸活動を改善させ得る技術であるが、他方、
人々の間には不安や懸念も抱かれており、国内外の機関で倫理的な検討が進んでいる
中、それらの議論も踏まえ、保健医療分野における AI 技術に対する不安・懸念を特定し
ようとする当研究の試みは、人々の AI に対する信頼を獲得して利活用を促進するために
必要であるため、本研究は高く評価することが出来る。
また、パネル検査及び全ゲノム解析をはじめとするゲノム医療は、適切な治療を患者に
届けるための有望な検査法であるが、その一方でゲノム情報に関連した不利益に対する
対策が必要であり、検査の実態及び問題点を明らかにし、その対策を検討する本研究は
高く評価することが出来る。
研究事業の推進にあたっては、ウェブ会議の実施や研究班への評価結果のフィードバッ
クにより、研究が効率的に遂行された。
4.改善すべき点及び今後の課題
ゲノム医療分野については、令和5年6月にゲノム医療法が成立し、遺伝情報の解析に
より患者が不当な差別を受けたり、不利益を被ったりすることがないよう、指針の策定
16