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参考資料3 厚生労働科学研究の成果に関する評価(令和4年度報告書) (21 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31012.html
出典情報 厚生科学審議会(第21回 2/3)《厚生労働省》
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令和4年度

地球規模保健課題解決推進のための行政施策に関する研究事業
「成果に関する評価」
(41,250 千円)

1.研究事業の概要
地球規模の保健課題は、近年国際社会において重要性が非常に高まっている。我が国
においてこれまで蓄積してきた保健医療分野の知見や経験を活用して、限られた財源の
中でより効果的・効率的に国際保健に貢献し、保健分野における国際政策を戦略的に主
導し、国際技術協力等を強化するために、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)達成
に資する研究等を実施する。

2.研究事業の成果
WHO 総会において加盟国代表として我が国の立場を効果的に主張する技術を学ぶための
模擬国際会議の開催、国際保健人材育成のための教材の作成、アジア地域における UHC
達成に向けた研究結果や提言をまとめた一般および政策担当者向けリーフレットの配布
と活用等、国際保健人材の養成や国際的な施策作りに資する成果が得られた。日中韓に
おける少子高齢化の実態と対応に関する研究では、日中韓の 3 か国の専門家が集まり、
三国共通の課題である少子高齢化について各国の知見が互いに共有されたとともに、論
文・学会発表も活発に行われた。ASEAN については高齢化対策の事例を収集・整理して
ASEAN-Japan Healthy&Active Ageing Indicators(HAAI)の改訂が行われた。

3.成果の評価
各研究課題は厳密な進捗管理のもとで、効率的に遂行された。若手国際保健人材育成の
ための研修及び教材開発等の成果は、既にアカデミアで活用されており即時的な効果が
得られているほか、今後の教材開発や教育プログラム策定にも活用される予定であり、
我が国の国際社会における存在感を維持及び強化する上での長期的効果が期待されるも
のであり、特筆すべき成果である。高齢化に関する2課題の成果は、ASEAN 諸国をはじめ
アジア各国での高齢化政策の立案・実施・評価に役立てられるとともに、我が国が高齢
化に関する国際会議等の議論を主導する際に活用されることが期待される。UHC に関する
研究課題で得られた成果は、特にアジア各国における UHC 達成に向けた政策立案の材料
として活用されるだけでなく、我が国が長年主導してきた UHC 実現に向けた国際的な議
論においても貢献すると考えられ、行政的意義が大きい。

4.改善すべき点及び今後の課題
昨今の新型コロナウイルス感染症対応の中で、多様な国際機関や組織の役割及び取組
の重複が明らかになるとともに、三大感染症を含むその他の感染症及び非感染性疾患の
対策や SDGs 達成への進捗速度の低下が懸念されている。これらを踏まえ、残された国際
保健課題の解決のために我が国がなし得る効果的な介入、世界エイズ・結核・マラリア
対策基金への我が国の効果的な拠出に関する研究を実施する必要がある。また我が国が
主導してきた UHC においては、パンデミックの予防及び対策、医療の質・医療安全等の
国際的に提案されている新たな要素について分析し、我が国あるいは世界が UHC 達成に
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