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参考資料3 厚生労働科学研究の成果に関する評価(令和4年度報告書) (49 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31012.html
出典情報 厚生科学審議会(第21回 2/3)《厚生労働省》
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令和4年度

エイズ対策政策研究事業「成果に関する評価」
(768,118 千円)

1.研究事業の概要
エイズに関する研究を総合的に実施することで、新規 HIV 感染者数及び検査を受けな
いままエイズを発症してから報告される HIV 感染者の割合を減少させるとともに、診断
された HIV 感染者・エイズ患者に対して適切な医療を提供できる体制を整えること、さ
らに HIV 訴訟の和解を踏まえた恒久対策の一環として必要な研究成果を得ることを目的
とする。

2.研究事業の成果
・郵送検査キットを利用した HIV 検査を行ったことで、他の感染症流行下、医療機関で
検査を受けにくい状況でも実施可能な HIV 検査手法を構築することができ、HIV 感染者の
早期発見・早期治療につながった。
・MSM(Men who have sex with men)における PrEP(HIV 感染症の曝露前予防)
の有効性を明らかにして、日本エイズ学会の協力のもと、「日本における HIV 感
染予防のための曝露前予防(PrEP)利用の手引き」を策定した。
・従来は調査票の送付によって行っていたエイズ診療状況に関する情報収集を、G-MIS
(医療機関等情報支援システム)を使用した方法に移行させ、正確度を高めた。
・最新の知見を収集し「抗 HIV 治療ガイドライン」の改訂版を発行した。国内の HIV 診
療の重要な指針として活用されることが期待される。

3.成果の評価
本研究事業の成果は今後の「後天性免疫不全症候群に関する特定感染症予防指針」の
改定に活用される。また HIV 検査の受検率の向上に向けた取り組み、医療サービスへの
アクセス向上など、国内の HIV 感染症の早期発見・早期治療、適切な医療体制の構築に
貢献しており、行政的意義が大きい。
また研究の推進にあたっては、「エイズ対策研究事業の企画と評価に関する研究」班
により、エイズ関連事業の各研究課題の研究代表者による発表の場を設定して、研究班
相互で進捗状況を共有し、研究の重複や間隙の発生を防止し、研究を効率的に遂行し
た。

4.改善すべき点及び今後の課題
HIV 感染者及びエイズ患者の早期発見・早期治療開始に有効な研究成果が得られてはい
るが、日本ではエイズを発症してから報告される HIV 感染者の割合は、依然として約3
割で減少傾向を認め難い。検査を受けないままエイズを発症する者の割合を減少させる
ために、各地域の医療体制の実態把握や課題抽出を行い、アクセスが更に容易な新たな
検査体制モデルの構築をすべきである。

5.総合評価
研究事業の目的・目標の達成に向けて実施された令和4年度の研究課題について、
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