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参考資料3 厚生労働科学研究の成果に関する評価(令和4年度報告書) (35 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31012.html |
出典情報 | 厚生科学審議会(第21回 2/3)《厚生労働省》 |
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令和4年度
免疫アレルギー疾患政策研究事業「成果に関する評価」
(73,947 千円)
1.研究事業の概要
社会問題化した免疫アレルギー疾患の診療の連携体制を整備し、予防、診断及び治療の
医学的水準の向上と、免疫アレルギー疾患患者が安心して生活する上で欠かせない社会
的ニーズに答えることを目的として研究を行い、得られた成果で診療ガイドラインの作
成等を実施している。
2.研究事業の成果
「免疫アレルギー疾患対策に関する研究基盤及び評価基盤の構築」では、「免疫アレル
ギー疾患研究 10 か年戦略(以降 10 か年戦略)」における各研究戦略の実装および進行
状況を評価した。「アレルギー疾患患者(乳幼児~成人)のアンメットニーズとその解
決法の可視化に関する研究」では、令和元年度に出版された「小児のアレルギー疾患保
健指導の手引き」が改訂された。また、「アレルギー疾患の多様性、生活実態を把握す
るための疫学研究」では、全都道府県に設置された拠点病院から得られた令和4年度の
最新の疫学データが発表された。「各都道府県におけるアレルギー疾患医療連携体制構
築に関する研究」においては、成人の食物アレルギーなどの疾患の診療が可能な施設が
拠点病院を含めて少ないことなどが明らかとなった。
3.成果の評価
「免疫アレルギー疾患対策に関する研究基盤及び評価基盤の構築」では、アレルギー疾
患対策の方向性と、現実に臨床医や研究者が推進できる研究の方向性の実態を明らかに
し、今後実効性の高い事業や研究公募案を策定する上で効果は大きい。「アレルギー疾
患の多様性、生活実態を把握するための疫学研究」においては、全都道府県に設置され
た拠点病院において疫学調査を行う手法を確立でき、拠点病院における研究協力体制を
構築し、アレルギー疾患の有病率を調査する基盤的役割を担った点で、効率性が高かっ
た。「各都道府県におけるアレルギー疾患医療連携体制構築に関する研究」では、今後
の都道府県拠点病院の運営や体制維持を講じる上で直接的に貢献すると考えられる。
4.改善すべき点及び今後の課題
アレルギー疾患の特性として、発症年齢、重症度、予後の多様性があることが挙げら
れ、これらを層別化するためには、調査手法、質問項目などをさらに工夫して、継続し
て効率的に疫学調査を行うべきである。また、リウマチ医療においては、診療ガイドラ
インのアップデートが近年進められてきたが、リウマチ患者に対する医療費や介助に係
る社会的な支援は不十分であり、均てん化された専門診療なども発展途上にある。これ
を解決していくためには、リウマチ医療提供体制の実態調査を踏まえた見直しを進める
べきである。
また、令和5年度には花粉症がわが国の社会問題として取り上げられた。花粉症の特徴
は高い有病率に起因する高額な医療費と仕事に与える影響等による経済的損失が注目さ
れており、対症療法およびアレルゲン免疫療法(特に舌下免疫療法)の治療効果と経済
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免疫アレルギー疾患政策研究事業「成果に関する評価」
(73,947 千円)
1.研究事業の概要
社会問題化した免疫アレルギー疾患の診療の連携体制を整備し、予防、診断及び治療の
医学的水準の向上と、免疫アレルギー疾患患者が安心して生活する上で欠かせない社会
的ニーズに答えることを目的として研究を行い、得られた成果で診療ガイドラインの作
成等を実施している。
2.研究事業の成果
「免疫アレルギー疾患対策に関する研究基盤及び評価基盤の構築」では、「免疫アレル
ギー疾患研究 10 か年戦略(以降 10 か年戦略)」における各研究戦略の実装および進行
状況を評価した。「アレルギー疾患患者(乳幼児~成人)のアンメットニーズとその解
決法の可視化に関する研究」では、令和元年度に出版された「小児のアレルギー疾患保
健指導の手引き」が改訂された。また、「アレルギー疾患の多様性、生活実態を把握す
るための疫学研究」では、全都道府県に設置された拠点病院から得られた令和4年度の
最新の疫学データが発表された。「各都道府県におけるアレルギー疾患医療連携体制構
築に関する研究」においては、成人の食物アレルギーなどの疾患の診療が可能な施設が
拠点病院を含めて少ないことなどが明らかとなった。
3.成果の評価
「免疫アレルギー疾患対策に関する研究基盤及び評価基盤の構築」では、アレルギー疾
患対策の方向性と、現実に臨床医や研究者が推進できる研究の方向性の実態を明らかに
し、今後実効性の高い事業や研究公募案を策定する上で効果は大きい。「アレルギー疾
患の多様性、生活実態を把握するための疫学研究」においては、全都道府県に設置され
た拠点病院において疫学調査を行う手法を確立でき、拠点病院における研究協力体制を
構築し、アレルギー疾患の有病率を調査する基盤的役割を担った点で、効率性が高かっ
た。「各都道府県におけるアレルギー疾患医療連携体制構築に関する研究」では、今後
の都道府県拠点病院の運営や体制維持を講じる上で直接的に貢献すると考えられる。
4.改善すべき点及び今後の課題
アレルギー疾患の特性として、発症年齢、重症度、予後の多様性があることが挙げら
れ、これらを層別化するためには、調査手法、質問項目などをさらに工夫して、継続し
て効率的に疫学調査を行うべきである。また、リウマチ医療においては、診療ガイドラ
インのアップデートが近年進められてきたが、リウマチ患者に対する医療費や介助に係
る社会的な支援は不十分であり、均てん化された専門診療なども発展途上にある。これ
を解決していくためには、リウマチ医療提供体制の実態調査を踏まえた見直しを進める
べきである。
また、令和5年度には花粉症がわが国の社会問題として取り上げられた。花粉症の特徴
は高い有病率に起因する高額な医療費と仕事に与える影響等による経済的損失が注目さ
れており、対症療法およびアレルゲン免疫療法(特に舌下免疫療法)の治療効果と経済
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