【資料1】薬剤耐性ワンヘルス動向調査報告書年次報告書2021(たたき台) (102 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23261.html |
出典情報 | 国際的に脅威となる感染症対策関係閣僚会議 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第9回 1/17)《厚生労働省》 |
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① 診療所医師を対象とした意識調査
日本化学療法学会・日本感染症学会合同外来抗菌薬適正使用調査委員会は、診療所に勤務する医師を対象
とした意識調査の 2 回目を 2020 年 9-10 月に行った(前回は 2018 年 2 月)。無作為抽出した全国の 3,000
診療所に調査票を配布し、有効回答数は 632 名(回答率 21.1%)であった。診療科は内科 48.9%、小児科
13.7%などとなった。前回と比較しアクションプランの認知度が上がり、「全然知らない」との回答が
44.9%から 34.8%に減少した(表 92)。また感冒への抗菌薬処方割合は「0-20%」との回答が 62.0%から
71.1%となり、処方割合が低くなっていた(表 93)。抗菌薬処方の希望に対し「説明した上で処方しない」
との回答は 35.5%、「希望通り処方する」「説明しても納得しなければ処方する」との回答はそれぞれ
10.8%、49.1%であり、前回の調査結果とほとんど変わらなかった(表 94)。患者教育やコミュニケーショ
ンに能動的に関わる意識は必ずしも高くない可能性がある。自分が感冒の時に抗菌薬を「全く服用しない」
44.7%、「あまり服用しない」28.7%、「ときどき服用する」24.1%、「いつも服用する」2.5%、家族が感冒
のときに抗菌薬を「まったく勧めない」39.1%、「あまり勧めない」31.5%、「時々勧める」27.4%、「い
つも勧める」2.1%であった。これらの結果から感冒に抗菌薬を多く処方している医師は、治療効果を期待し
て処方している可能性がある。また、前回と同様に急性気管支炎への抗菌薬の処方割合が高かった(表 95
)。より簡便な病原体診断検査の開発が抗菌薬適正使用の推進に効果的と考えられる。60 歳以上の医師は 60
歳未満の医師と比較して抗菌薬の適正使用を意識している割合が高かったが(69.6% VS 58.5%)、感冒と診
断したときに抗菌薬を処方した割合は「20%以下」との回答が 60 歳未満より少なく(79.5% VS 65.3%)、
薬剤耐性対策の重要性は理解しているものの、それが必ずしも処方行動につながっていないと考えられた
(表 96,97)。アクションプランを達成するために必要なこととして、過半数の回答者が市民向けの広報を
挙げていたのは前回の調査と変わらなかった。
表 92
アクションプランの認知度
2018 年(n=267)
2020 年(n=627)
人に説明できる
1.9
3.5
理解している
21.0
27.8
名前だけ知っている
32.2
33.1
全然知らない
44.9
34.8
表 93
感冒と診断したときに抗菌薬を処方した割合
2018 年(n=242)
2020 年(n=543)
0-20%
62.0
71.1
21-40%
17.8
16.6
41-60%
7.4
6.8
61-80%
8.3
3.5
81%以上
4.5
2.0
2018 年(n=252)
2020 年(n=609)
説明しても納得しなければ処方
50.4
49.1
説明して処方しない
32.9
35.5
希望通り処方する
12.7
10.8
その他
3.7
4.6
表 94
感冒と診断した患者や家族が抗菌薬処方を希望したときの
対応
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