【資料1】薬剤耐性ワンヘルス動向調査報告書年次報告書2021(たたき台) (27 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23261.html |
出典情報 | 国際的に脅威となる感染症対策関係閣僚会議 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第9回 1/17)《厚生労働省》 |
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データ元:感染症発生動向調査事業(NESID)
NESIDにおける2019年までの各年の届出症例数は確定報告データとして公開されている。2013年以
降の報告数を以下に示す。届出対象は、分離菌が感染症の起因菌と判定されるか、通常無菌的であるべ
き検体からの検出である場合となっており、いわゆる保菌は届出対象ではない。
全数把握対象疾患のうち、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)感染症は、2013年から2016年まで50-60
例で推移していたが、2017年以降はやや増加し年間80例程度が報告されている。バンコマイシン耐性
黄色ブドウ球菌(VRSA)感染症は届出対象となった2003年11月5日以降報告はない。カルバペネム耐
性腸内細菌科細菌(CRE)感染症については、2014年9月19日より届出対象となり、2019年には2,333
例が報告され、過去最多の報告数であった。多剤耐性アシネトバクター属(MDRA)感染症は、2011
年2月より基幹定点医療機関からの届出対象疾患として把握が開始されたが、2014年9月19日より全
数把握対象疾患となり、毎年20-40例の報告で推移しており、2019年は24例が報告された。
CRE 感染症については、2017 年 3 月の厚生労働省健康局結核感染症課長通知により、届出症例より
分離された菌株について地方衛生研究所等で PCR 法によるカルバペネマーゼ遺伝子等の試験検査が
実施されている。2019 年は 1,799 株の結果が報告され、いずれかのカルバペネマーゼ遺伝子が検出さ
れた株は 296 株(16.5%)で、国内型カルバペネマーゼ遺伝子の IMP 型が 263 株(88.6%)と大半を
占めた。IMP 型検出株の菌種や IMP 遺伝子型別は、2017 年及び 2018 年と同様の地域特性を示した。
基幹定点医療機関(全国約 500 か所の病床数 300 以上の医療機関)が届出を行う薬剤耐性菌感染症
については、MRSA 感染症は 2011 年以降、報告数及び定点あたり報告数ともに減少し続けていたが、
2016 年以降下げ止まっており 2019 年には 16,241 例が報告された。多剤耐性緑膿菌(MDRP)感染症
は 2012 年~2017 年に減少傾向であったが、2017 年以降報告数は横ばいであり、2019 年の報告数は
127 例であった。ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)感染症は報告数及び定点あたり報告数ともに引き
続き減少傾向を示している。
ⅰ. 全数把握対象疾患
表 15 全数把握対象疾患の報告数推移、2013-2019(件)
2013
2014
2015
2016
2017
2018
2019
VRE
55
56
66
61
83
80
80
VRSA
0
0
0
0
0
0
0
CRE
-
314*
1,673
1,573
1,660
2,289
2,333
MDRA
-
15*
38
33
28
24
24
*2014年9月19日からの報告数。-: 調査を実施していない区分。
ⅱ. 基幹定点医療機関からの届出対象疾患
表 16 基幹定点医療機関からの届出対象疾患の推移、2013-2019(件)
PRSP
MRSA
MDRA*
MDRP
年
2013
2014
2015
2016
2017
2018
2019
報告数
3,161
2,292
2,057
2,017
2,001
1,895
1,754
定点当たり
6.65
4.79
4.29
4.21
4.18
3.94
3.65
報告数
20,155
18,082
17,057
16,338
16,551
16,311
16,241
定点当たり
42.43
37.83
35.61
34.11
34.55
33.91
33.84
報告数
8
4
-
-
-
-
-
定点当たり
0.02
0.01
-
-
-
-
-
報告数
319
268
217
157
128
121
127
定点当たり
0.67
0.56
0.45
0.33
0.27
0.25
0.26
* 2014 年 9 月 19 日より全数把握対象疾患に変更された。-: 調査を実施していない区分。
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