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【資料1】薬剤耐性ワンヘルス動向調査報告書年次報告書2021(たたき台) (38 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23261.html
出典情報 国際的に脅威となる感染症対策関係閣僚会議 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第9回  1/17)《厚生労働省》
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⑥ Clostridioides difficile 感染症
Clostridioides difficile(CDI)は、芽胞産生のグラム陽性嫌気性桿菌であり、健康成人の 10%程度の
腸管に定着(colonization)している 3。CDI は病院や老人介護施設等において下痢症を引き起こす主
要な医療関連感染症であることに加えて、最近では、市中でも感染症を引き起こすことが示唆されて
いる 4。
日本における既存の観察研究では、10,000 患者入院日数あたりの CDI 罹患率は 0.8~4.7、1,000 入
院あたりの有病率は 0.3~5.5 と示されていた 5。毒素培養検査および nucleic acid amplification test
(NAAT)法を用いて行った多施設前向き研究(12 施設 20 病棟)では、10,000 患者入院日数あたりの
CDI 罹患率は 7.4、ICU 病棟では 22.2 と、既存報告より罹患率が高く、ICU 病棟では特にリスクが高
いことが示唆された 6。病院間や諸外国などとの罹患率の比較には、検体採取病棟、検査方法、再燃の
定義、平均入院日数の違い、などの影響を考慮する必要がある。
2019 年より、J-SIPHE において、CDI の動向調査を開始している。10,000 患者入院日数あたりの
CDI 罹患率は、2019 年、276 施設にて 1.38(IQR:0.56-2.43)、2020 年、347 施設にて 1.20(IQR: 0.452.13) と減少傾向にあった。参加施設における特性の変化と COVID-19 流行の影響を考慮する必要が
ある。
表 35 病院における Clostridioides

difficile 発生状況(/10,000 在院患者延べ数)

2019 (n=276)*

Clostridioides difficile

2020 (n=347)

1.38 (0.56-2.43)

**

1.20 (0.45-2.13)

*2019 年:イムノクロマト法を用いたトキシン検査 253 施設、NAAT 法を用いた検査3施設、その他 20 施設
**2020 年:イムノクロマト法でトキシンのみを確認・陽性時に CDI と判定/陰性時は検査終了 81 施設、イムノクロマト法でトキシンのみを
確認・陽性時に CDI と判定/陰性時は培養コロニーを用いたイムノクロマト法でトキシンを判定し,いずれも陰性の場合は検査終了 8 施設、イ
ムノクロマト法で GDH とトキシンの両方を確認し GDH 陽性・トキシン陽性の場合に CDI と判定/ GDH 陽性・トキシン陰性の場合は CDI と
判定せず検査終了 115 施設、イムノクロマト法で GDH とトキシンの両方を確認し GDH 陽性・トキシン陽性の場合に CDI と判定/ GDH 陽
性・トキシン陰性の場合は培養コロニーを用いてトキシンを判定し,いずれも陰性の場合は検査終了 104 施設、イムノクロマト法で GDH とト
キシンの両方を確認し GDH 陽性・トキシン陽性の場合に CDI と判定/ GDH 陽性・トキシン陰性の場合は糞便中の毒素遺伝子検査でトキシン
を判定し,陰性の場合は検査終了 36 施設、糞便の毒素遺伝子検査のみでトキシンを確認し陽性時に CDI と判定/陰性時は検査終了 3 施設、そ
の他(上記以外)38 施設
文献追加
J-SIPHE(感染対策連携共通プラットフォーム). 年報,2020.

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