【資料1】薬剤耐性ワンヘルス動向調査報告書年次報告書2021(たたき台) (72 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23261.html |
出典情報 | 国際的に脅威となる感染症対策関係閣僚会議 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第9回 1/17)《厚生労働省》 |
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耐性菌で汚染されうる。2) 環境中の廃棄物、抗菌薬、耐性菌との関係および人間の健康への影響はよ
く理解されていない。3) 科学的根拠として抗菌薬や薬剤耐性因子は環境に拡散し、環境水中の耐性菌
の曝露によって感染リスクが高まる。4) 耐性菌の人の健康へのリスクを理解するため、環境水のどこ
に、どれだけの耐性菌が存在しているか評価する。5) 環境水の耐性菌を測定するためにサンプリング
と試験方法を評価し、プラクティスを標準化することが挙げられている。また、日本の文献レビューで
は、処理後の流出水中や、それを受ける河川水中には相当量の耐性菌・耐性遺伝子が残存しており、環
境汚染が懸念されること、本邦における臨床分離頻度が稀な耐性菌(KPC-2 や NDM-5 産生菌等)が
下水中から検出されており、下水は市中の薬剤耐性モニタリングに有用なことが報告されている。国
内外において環境中の薬剤耐性の存在証明がなされているが、環境 AMR の調査法や評価基準が定ま
っていないことから、人や動物へのリスクに関するエビデンスが不十分である。
これまで、院内感染事例では、実地疫学と分離菌の分子疫学解析の結果に基づいて、感染伝播や健康
影響のリスク評価を行う取組が行われてきているが、上述のとおり概して環境由来の薬剤耐性菌がヒ
ト等の健康に影響を与えていることを示す研究結果は乏しい。海外では、河川灌漑水が原因と推定さ
れる野菜への汚染 8 や水系レクリエーションにおける曝露リスク等への評価 9 も少しずつであるが報告
されつつあるため、ある一定のリスク循環が想定されている。現時点において環境リスクを論じるた
めの確たる基準設定が難しい状況ではあるが、環境 AMR を定量的に調査・評価すること、そして健康
リスクを評価しうる研究の実施や国内外の主要文献のレビューとリスクアセスメントを通して、環境
AMR 負荷の主要因を解明し、ヒトおよび動物への健康リスクへと発展しているのかを探究していくこ
とが急務である。環境中の薬剤耐性のヒト・動物へのリスクを評価するために、感染症へのヒト-動物
-環境インターフェイスでの多分野にわたるワンヘルス・アプローチが不可欠である。
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