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【資料1】薬剤耐性ワンヘルス動向調査報告書年次報告書2021(たたき台) (43 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23261.html
出典情報 国際的に脅威となる感染症対策関係閣僚会議 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第9回  1/17)《厚生労働省》
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⑨ 療養病床および高齢者施設における感染症および抗菌薬使用に関する調査
データ元: AMRCRC
AMRCRC では、厚生労働科学研究費補助金を用いて、高齢者施設における医療関連感染症および抗
菌薬使用に関する調査を行っている 9。
ⅰ医療療養病床
日本慢性期医療協会加盟より無作為に医療療養病床 1,175 施設を抽出し、 Point Prevalence
Survey(PPS)を行った(2020 年 1 月調査)。回収は 80 施設(回収率 7.8%)であった。患者年齢の中
央値は、84.0 歳(78, 90)だった。男性患者の年齢の中央値は、82.0 歳(75, 87.8)、女性患者の年齢
の中央値は、87.0 歳(80.8, 92)だった。感染巣の上位は、「肺炎」199 人(39.5%)、「尿路感染症」
135 人(26.8)、「気管支炎」19 人(3.8%)であった。主に使用される抗菌薬は、注射第 3 世代セフ
ァロスポリン系、経口キノロン系、カルバペネム系、ペニシリン系であった。
ⅱ介護老人保健施設(老健)
全国介護老人保健施設協会加盟より無作為に 1,500 施設を抽出し、PPS を行った(2019 年 2 月調
査)。回収は 134 施設(回収率 8.9%)であった。
調査日の施設における入所者総数は 10,148 人だった。うち、172 人(1.7%)が抗菌薬を使用してい
た。年齢中央値は 86.0 歳(IQR:81-91)、男性中央値は 84.0 歳(IQR:75-89)、女性中央値は 87.0
歳(IQR:83-92)であった。感染巣の上位は、「尿路感染症」73 人(47.7%)、「肺炎」31 人(20.3%)、
「上気道炎」15 人(9.8%)であった。尿路感染症および肺炎で主に使用される抗菌薬は、フルオロキ
ノロン系および第3世代セファロスポリン系であった。
ⅲ介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
全国老人福祉施設協議会加盟より無作為に介護老人福祉施設 1,500 施設を抽出し、PPS を行った
(2020 年 3 月調査)。回収は 139 施設(回収率 9.3%)であった。年齢中央値は 90.0 歳(IQR:85,93)、
男性中央値は 80.5 歳(IQR:76,90)、女性中央値は 92.0 歳(IQR:87,93)であった。感染巣の上位
は、「尿路感染症」23 人(31.17%)、「肺炎」11 人(14.9%)、「上気道炎」9 人(12.2%)であっ
た。尿路感染症で主に使用される抗菌薬は、経口キノロン系、肺炎で主に使用される抗菌薬は、注射用
第3世代セファロスポリン系であった。
表 44 療養病床および高齢者施設における抗菌薬使用状況
施設
[回答施設数]

抗菌薬使用率

抗菌薬使用された主要感染症

医療療養病床
(医療機関)

肺炎
9.4%

尿路感染症(26.8%)

[82]

気管支炎

介護老人保健施設
(老健)

1.7%

[126]
介護老人福祉施設
(特別養護老人ホーム)

(39.5%)

1.0%

[137]

42

(3.8%)

主要抗菌薬種類
注射第 3 世代セファロスポリン系
経口キノロン系
カルバペネム系
ペニシリン系

尿路感染症(51.3%)

第 3 世代セファロスポリン系

肺炎

(24.3%)

キノロン系

上気道炎

(9.9%)

ペニシリン系

尿路感染症(31.1%)

注射第 3 世代セファロスポリン系

肺炎

(14.9%)

経口キノロン系

上気道炎

(12.2%)

経口ペニシリン系