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参考資料4 厚生労働科学研究の成果に関する評価(令和5年度報告書) (19 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31012.html |
出典情報 | 厚生科学審議会(第21回 2/3)《厚生労働省》 |
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令和5年度
倫理的法的社会的課題研究事業「成果に関する評価」
(7,250 千円)
1.研究事業の概要
最先端の技術による想定外の影響がイノベーション推進の障壁とならないように、新た
な技術がもたらす倫理的・法的・社会的課題(Ethical, Legal and Social Issues:
ELSI)を抽出し、その影響度等に応じて 必要な政策を立案、実施することが必要であ
る。本研究事業は、人工知能(AI)・ゲノム医療に焦点を当て、具体的な ELSI を抽出、
検討し、その解決策の提言やガイドラインを作成するための検討を行うことを目的とし
ている。
2.研究事業の成果
「保健医療分野におけるデジタルデータの AI 研究開発等への利活用に係る倫理的・法
的・社会的課題の抽出及び対応策の提言のための研究」(令和4~5年度)では、病院
に蓄積された膨大な医療情報を貴重なデータ資源として活用し、学術研究機関や医療機
関のみならず、製品開発の担い手としての民間企業を含めた研究開発の手法を示すこと
を目的として、臨床で得られたデジタルデータを AI 医療機器開発に活用する際の論点を
抽出し、諸外国の状況や国内における最新の法制度・ガイドライン・倫理指針などを調
査・検討し、個人識別性の無いゲノムデータに関する利活用の可能性について明確化を
図る方策を示すとともに、医用画像の仮名加工情報の加工基準及びその利活用に係るガ
イドライン案を作成した。
3.成果の評価
AI 技術に関しては、医療を含む社会の諸活動を改善させ得る技術であるが、他方、
人々の間には不安や懸念も抱かれており、国内外の機関で倫理的な検討が進んでいる
中、それらの議論も踏まえ、保健医療分野における AI 技術に対する不安・懸念を特定し
ようとする当研究の試みは、人々の AI に対する信頼を獲得して利活用を促進するために
必要であるため、本研究は高く評価することができる。
本研究事業は、AI の開発・利活用を持続的に推進していく上で、現行の法制度におけ
る情報の取扱いの整理を行い、ガイドラインの作成などの成果を得ており、新たな科学
技術の社会実装を推進する上で有効である。
4.改善すべき点及び今後の課題
急速に進展する生成 AI を巡っては、その利用におけるリスク等について国内外で議論
がなされているところであり、今後、厚生労働分野における生成 AI 利用や開発に際して
の対応策の検討が必要となることが見込まれる。
こういった最先端の科学技術の社会実装によりイノベーションを推進していくために、
ゲノム医療、ICT、AI 等の科学技術の開発とこれらの科学技術がもたらす ELSI の影響
が、国民の不利益に繋がることのないよう、ELSI をリアルタイムで検討する本研究事業
を並行して実施していくことが必要である。
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倫理的法的社会的課題研究事業「成果に関する評価」
(7,250 千円)
1.研究事業の概要
最先端の技術による想定外の影響がイノベーション推進の障壁とならないように、新た
な技術がもたらす倫理的・法的・社会的課題(Ethical, Legal and Social Issues:
ELSI)を抽出し、その影響度等に応じて 必要な政策を立案、実施することが必要であ
る。本研究事業は、人工知能(AI)・ゲノム医療に焦点を当て、具体的な ELSI を抽出、
検討し、その解決策の提言やガイドラインを作成するための検討を行うことを目的とし
ている。
2.研究事業の成果
「保健医療分野におけるデジタルデータの AI 研究開発等への利活用に係る倫理的・法
的・社会的課題の抽出及び対応策の提言のための研究」(令和4~5年度)では、病院
に蓄積された膨大な医療情報を貴重なデータ資源として活用し、学術研究機関や医療機
関のみならず、製品開発の担い手としての民間企業を含めた研究開発の手法を示すこと
を目的として、臨床で得られたデジタルデータを AI 医療機器開発に活用する際の論点を
抽出し、諸外国の状況や国内における最新の法制度・ガイドライン・倫理指針などを調
査・検討し、個人識別性の無いゲノムデータに関する利活用の可能性について明確化を
図る方策を示すとともに、医用画像の仮名加工情報の加工基準及びその利活用に係るガ
イドライン案を作成した。
3.成果の評価
AI 技術に関しては、医療を含む社会の諸活動を改善させ得る技術であるが、他方、
人々の間には不安や懸念も抱かれており、国内外の機関で倫理的な検討が進んでいる
中、それらの議論も踏まえ、保健医療分野における AI 技術に対する不安・懸念を特定し
ようとする当研究の試みは、人々の AI に対する信頼を獲得して利活用を促進するために
必要であるため、本研究は高く評価することができる。
本研究事業は、AI の開発・利活用を持続的に推進していく上で、現行の法制度におけ
る情報の取扱いの整理を行い、ガイドラインの作成などの成果を得ており、新たな科学
技術の社会実装を推進する上で有効である。
4.改善すべき点及び今後の課題
急速に進展する生成 AI を巡っては、その利用におけるリスク等について国内外で議論
がなされているところであり、今後、厚生労働分野における生成 AI 利用や開発に際して
の対応策の検討が必要となることが見込まれる。
こういった最先端の科学技術の社会実装によりイノベーションを推進していくために、
ゲノム医療、ICT、AI 等の科学技術の開発とこれらの科学技術がもたらす ELSI の影響
が、国民の不利益に繋がることのないよう、ELSI をリアルタイムで検討する本研究事業
を並行して実施していくことが必要である。
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