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参考資料4 厚生労働科学研究の成果に関する評価(令和5年度報告書) (59 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31012.html
出典情報 厚生科学審議会(第21回 2/3)《厚生労働省》
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令和5年度

カネミ油症に関する研究事業「成果に関する評価」
(219,713 千円)

1.研究事業の概要
「カネミ油症患者に関する施策の総合的な推進に関する法律」に基づき、カネミ油症に
関して総合的な研究を推進し、ダイオキシン類の生物学的毒性の解明や漢方薬を用いた
カネミ油症の治療法等の開発等が行われている。

2.研究事業の成果
油症2世・3世における健康調査を開始し、ダイオキシン類の世代に渡る慢性影響の検
証を進めており、人類に対するダイオキシン類の影響の解明に資する研究成果が期待さ
れる。また、基礎的研究においては、ダイオキシン類の受容体である AHR
(Arylhydrocarbon Receptor)の働きに着目し、培養細胞・動物実験を用いた実験が継
続して行われた。油症患者で症状のみられる皮膚、肺、口腔内、神経といった臓器にお
いて様々な基礎研究が行われ、油症に関連する症状のメカニズムが徐々に明らかになり
つつある。また、PCB の肝臓における代謝や AHR の骨代謝における役割、TND による
ベンゾピレンの神経症状における回復効果、スペルミジンの酸化ストレスに対する防御
効果などの研究もすすめられた。

3.成果の評価
カネミ油症の診断・治療等に係る技術の向上やその成果の普及、活用及び発展を図るた
めの研究が推進されており、行政的意義が大きく、また油症患者等にとっても極めて重
要である。また、研究事業の成果は、患者に対して直接的に、また医療従事者へも直接
的に提供されるなど、効率的に研究から施策への移行がなされた。

4.改善すべき点及び今後の課題
カネミ油症の疫学調査や漢方薬等カネミ油症の症状を緩和する可能性のある新たな治療
薬などについても研究を進める必要がある。

5.総合評価
研究事業の目的・目標の達成に向けて実施された令和5年度の研究課題について、

不十分な成果となった課題がなく、特筆すべき成果が
あるなど計画を上回る成果が得られた。



不十分な成果となった課題がなく、計画どおり順調な
成果が得られた。
一部不十分な成果となった研究課題はあるものの、概
ね計画どおり順調な成果が得られた。
不十分な成果となった研究課題が多く、研究事業全体
として不十分な成果であった。

と判断される。
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