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参考資料4 厚生労働科学研究の成果に関する評価(令和5年度報告書) (60 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31012.html |
出典情報 | 厚生科学審議会(第21回 2/3)《厚生労働省》 |
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令和5年度
医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究事業
「成果に関する評価」
(308,598 千円)
1.研究事業の概要
無承認無許可医薬品の監視業務、麻薬・覚醒剤等の薬物乱用対策、血液安全対策、医薬
品販売制度・薬剤師の資質向上等の薬事行政の各種制度における課題に対して、政策を
実行するために必要な規制(レギュレーション)について、科学的合理性と社会的正当
性に関する根拠に基づいて整備するための研究を行う。
2.研究事業の成果
「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン」の施行に伴い医療関係者が
入手しにくくなった必要情報の調査等が行われ、令和6年2月に製造販売業者等が自社
の医薬品と他社の医薬品との比較情報を提供する際の基本的な考え方や留意事項等を整
理した事務連絡が発出された。薬物使用に関する全国調査が実施され、薬物乱用に関す
る現況の把握と各種対策の基礎資料として活用された。輸血用血液製剤の使用状況や有
害事象を検出・分析して、問題点の改善を行う安全監視(ヘモビジランス)のため、
「トレーサビリティが確保された輸血情報収集システム(J-HeST: Japanese
hemovigilance scheme with secured traceability)」の稼働が開始された。災害時にお
ける医薬品確保のための対応や薬剤師としての対応の検証が行われ、薬剤師として対応
すべき点をまとめた災害対策マニュアルが改定された。
3.成果の評価
薬物の乱用状況に関する経年的な把握や、災害時における薬剤師の対応の検証など、
薬事行政における各種制度を検討する上で重要な成果が得られた。また、輸血医療を実
施している医療施設における輸血の安全性向上と適正使用の推進にも寄与しているな
ど、本研究事業の行政的な意義は大きい。
研究班会議には必要に応じて製薬団体や医療従事者、都道府県薬事取締当局等も参画す
るなど効率的に研究が行われた。研究成果を踏まえ、関連省令や通知の改正をするな
ど、効率的、効果的な制度の運用がなされた。
4.改善すべき点及び今後の課題
個人輸入代行業者による未承認医薬品等の個人輸入が行われている現状に対し、偽造
医薬品含め未承認医薬品に対する輸入監視手法の検討を行い、偽造薬や健康被害情報の
提供を通じた国民に対する注意喚起を充実させる必要がある。
海外では、NPS(新規精神作用物質)による健康被害が報告されており、これらの物質
がインターネット販売等を通じて国内に流入する可能性があるため、NPS に関する海外の
情報の収集及び分析法・鑑別法の構築が求められている。
血液製剤のトレーサビリティ等における DX 推進のため、J-HeST について、学会とも
連携しながら構築されたシステムの普及拡大を図る必要がある。
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医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究事業
「成果に関する評価」
(308,598 千円)
1.研究事業の概要
無承認無許可医薬品の監視業務、麻薬・覚醒剤等の薬物乱用対策、血液安全対策、医薬
品販売制度・薬剤師の資質向上等の薬事行政の各種制度における課題に対して、政策を
実行するために必要な規制(レギュレーション)について、科学的合理性と社会的正当
性に関する根拠に基づいて整備するための研究を行う。
2.研究事業の成果
「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン」の施行に伴い医療関係者が
入手しにくくなった必要情報の調査等が行われ、令和6年2月に製造販売業者等が自社
の医薬品と他社の医薬品との比較情報を提供する際の基本的な考え方や留意事項等を整
理した事務連絡が発出された。薬物使用に関する全国調査が実施され、薬物乱用に関す
る現況の把握と各種対策の基礎資料として活用された。輸血用血液製剤の使用状況や有
害事象を検出・分析して、問題点の改善を行う安全監視(ヘモビジランス)のため、
「トレーサビリティが確保された輸血情報収集システム(J-HeST: Japanese
hemovigilance scheme with secured traceability)」の稼働が開始された。災害時にお
ける医薬品確保のための対応や薬剤師としての対応の検証が行われ、薬剤師として対応
すべき点をまとめた災害対策マニュアルが改定された。
3.成果の評価
薬物の乱用状況に関する経年的な把握や、災害時における薬剤師の対応の検証など、
薬事行政における各種制度を検討する上で重要な成果が得られた。また、輸血医療を実
施している医療施設における輸血の安全性向上と適正使用の推進にも寄与しているな
ど、本研究事業の行政的な意義は大きい。
研究班会議には必要に応じて製薬団体や医療従事者、都道府県薬事取締当局等も参画す
るなど効率的に研究が行われた。研究成果を踏まえ、関連省令や通知の改正をするな
ど、効率的、効果的な制度の運用がなされた。
4.改善すべき点及び今後の課題
個人輸入代行業者による未承認医薬品等の個人輸入が行われている現状に対し、偽造
医薬品含め未承認医薬品に対する輸入監視手法の検討を行い、偽造薬や健康被害情報の
提供を通じた国民に対する注意喚起を充実させる必要がある。
海外では、NPS(新規精神作用物質)による健康被害が報告されており、これらの物質
がインターネット販売等を通じて国内に流入する可能性があるため、NPS に関する海外の
情報の収集及び分析法・鑑別法の構築が求められている。
血液製剤のトレーサビリティ等における DX 推進のため、J-HeST について、学会とも
連携しながら構築されたシステムの普及拡大を図る必要がある。
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