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参考資料4 厚生労働科学研究の成果に関する評価(令和5年度報告書) (47 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31012.html |
出典情報 | 厚生科学審議会(第21回 2/3)《厚生労働省》 |
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令和5年度
新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業
「成果に関する評価」
(608,630 千円)
1.研究事業の概要
新興・再興感染症に関する危機管理事案の発生時に、直ちに正確な病原体診断を全国規
模で実施できるようなラボネットワークや感染症指定医療機関の機能の充実等が必要で
ある。また、安全性、有効性および費用対効果を踏まえた予防接種体制の構築も必要であ
る。本研究事業では、感染症から国民の健康を守るための研究が実施されている。
2.研究事業の成果
新型コロナウイルスの経験から明らかになった様々な課題について研究が行われ、特筆
すべき成果が得られた。次の感染症危機に備えるための国内外での感染症危機対応・管理
体制及び連携の強化、次世代シークエンス技術および病理学的解析等を用いた検査・運用
法の開発、痘そうワクチンの安全性と汎用性向上に関する開発研究等が行われ、これらは
我が国の感染症危機管理・対応体制基盤の維持・強化に貢献した。
薬剤耐性(AMR)アクションプラン 2023-2027 に基づき、AMR に関する研究も継続され、
「薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書 2023」や「外来での抗菌薬適正使用手引き成
人版. 第5版」等が作成された。
風疹や性感染症についての積極的な国民への周知が行われ、かつその方法についても行
動経済学的視点から効率や有効性が検討された。HTLV-1 についてはキャリア対応として初
のガイドラインとなる「キャリア診療ガイドライン 2024」等が作成された。
動物由来感染症対策も推進され、狂犬病対策のパッケージ化、愛玩動物由来感染症につ
いて「動物由来感染症ハンドブック」の改訂が行われた。
新型コロナウイルス感染症についても研究が継続され、特に後遺症に関して得られた知
見は、今後診療の手引きの改定に活用される。
予防接種についてはその有効性等について研究が行われ、重要な委員会や審議会におい
てその成果が資料として活用され、感染症施策に大きく貢献した。
3.成果の評価
本研究事業は、厚生労働行政に直結する社会的要請の強い諸問題に緊急的に対応するた
めに不可欠である。研究の目標や計画は、感染症危機管理事案発生時のみならず平時から
感染症の発生に備えた体制を構築できるよう効率的に設計されている。また、プログラム
オフィサー(PO)による定期的な進捗管理が導入され、事業全体の効率性の推進が図られ
ている。感染症危機管理・対応体制基盤の維持・強化、AMR や性感染症に関する周知や手
引きの作成、人畜共通感染症対策、予防接種の安全性や有効性の評価等、公衆衛生上有益
である行政施策に直結する成果を多く出し、社会的な貢献が大きいものと評価できる。
4.改善すべき点及び今後の課題
行政的に緊急に解決が必要な課題について、短期間でより効果的な成果を得るため、研
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新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業
「成果に関する評価」
(608,630 千円)
1.研究事業の概要
新興・再興感染症に関する危機管理事案の発生時に、直ちに正確な病原体診断を全国規
模で実施できるようなラボネットワークや感染症指定医療機関の機能の充実等が必要で
ある。また、安全性、有効性および費用対効果を踏まえた予防接種体制の構築も必要であ
る。本研究事業では、感染症から国民の健康を守るための研究が実施されている。
2.研究事業の成果
新型コロナウイルスの経験から明らかになった様々な課題について研究が行われ、特筆
すべき成果が得られた。次の感染症危機に備えるための国内外での感染症危機対応・管理
体制及び連携の強化、次世代シークエンス技術および病理学的解析等を用いた検査・運用
法の開発、痘そうワクチンの安全性と汎用性向上に関する開発研究等が行われ、これらは
我が国の感染症危機管理・対応体制基盤の維持・強化に貢献した。
薬剤耐性(AMR)アクションプラン 2023-2027 に基づき、AMR に関する研究も継続され、
「薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書 2023」や「外来での抗菌薬適正使用手引き成
人版. 第5版」等が作成された。
風疹や性感染症についての積極的な国民への周知が行われ、かつその方法についても行
動経済学的視点から効率や有効性が検討された。HTLV-1 についてはキャリア対応として初
のガイドラインとなる「キャリア診療ガイドライン 2024」等が作成された。
動物由来感染症対策も推進され、狂犬病対策のパッケージ化、愛玩動物由来感染症につ
いて「動物由来感染症ハンドブック」の改訂が行われた。
新型コロナウイルス感染症についても研究が継続され、特に後遺症に関して得られた知
見は、今後診療の手引きの改定に活用される。
予防接種についてはその有効性等について研究が行われ、重要な委員会や審議会におい
てその成果が資料として活用され、感染症施策に大きく貢献した。
3.成果の評価
本研究事業は、厚生労働行政に直結する社会的要請の強い諸問題に緊急的に対応するた
めに不可欠である。研究の目標や計画は、感染症危機管理事案発生時のみならず平時から
感染症の発生に備えた体制を構築できるよう効率的に設計されている。また、プログラム
オフィサー(PO)による定期的な進捗管理が導入され、事業全体の効率性の推進が図られ
ている。感染症危機管理・対応体制基盤の維持・強化、AMR や性感染症に関する周知や手
引きの作成、人畜共通感染症対策、予防接種の安全性や有効性の評価等、公衆衛生上有益
である行政施策に直結する成果を多く出し、社会的な貢献が大きいものと評価できる。
4.改善すべき点及び今後の課題
行政的に緊急に解決が必要な課題について、短期間でより効果的な成果を得るため、研
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