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【参考資料3-2】ポリオウイルスに対する緊急時対応計画(案)[1.3MB] (26 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_54655.html
出典情報 厚生科学審議会 感染症部会(第94回 3/26)《厚生労働省》
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3.

リスク評価
リスク評価については、各事案のリスク評価を行う機関が、事案探知後直ちに、国が派遣する緊急対

応チーム、JIHS、地方衛生研究所等の協力を得て実施する。
各事案におけるリスク評価の実施主体は、事案1から事案3の PEF 関連の事案においては、国、JIHS
及び所管の地方衛生研究所等の指導を受け、PEF が実施する。事案4においては、国、JIHS 及び地方
衛生研究所等、事案5においては、国、JIHS 及び都道府県又は保健所設置市区が連携して実施する。
PEF においては、平時に策定している PEF の緊急計画に基づくリスク評価を行う。
なお、日本においては、全国的に高いポリオウイルス含有ワクチン9の接種率を保っており、下水道の
普及により衛生状態は管理されているが、地域の状況にも注意する必要がある。
※緊急対応チームは、臨床(感染症科、小児科、小児神経科等)、疫学、ウイルス学、また、安全管理、
リスクコミュニケーションの専門家等にて構成され、事案の特性に応じて編成される。
※リスク評価の結果によって、過去の検査検体を再検査し、ポリオウイルスの有無の確認を行うことも
考慮する。
リスク評価を実施する際の考慮すべき事項は、以下に示す。
① ポリオウイルスの株、血清型、量、濃度、塩基配列等
② ばく露状況:ばく露の可能性があるのか、ばく露は確定しているか等
③ ばく露経路:経皮ばく露よりも経口摂取のほうがリスク高
④ 破綻時の PPE 状況:適切な PPE が着用されていたか、着脱時のばく露か、汚染除去の内容
⑤ 経過時間:ばく露からの時間を把握できているか、気付かずにばく露・漏出したか
⑥ ばく露者及びその接触者の予防接種歴、海外渡航歴、免疫疾患の有無、抗体価測定の結果等
⑦ 行動歴:ばく露後の行動歴、患者(確定例)や無症状病原体保有者が特定された場合
⑧ 漏出範囲:施設内か施設外への漏出か
⑨ ハイリスク者の特定:ワクチン未接種の接触者や周辺地域住民
⑩ 患者(確定例)及び無症状病原体保有者及び接触者の予防接種歴、海外渡航歴、免疫不全疾患の
有無等
⑪ 発生状況:弧発例か、散発しているか等


事例発生周辺地域の下水道の整備状況
※河川や海域へのリスク評価においては、「Quantitative microbial risk assessment: application for
water safety management」(WHO)10又は、必要に応じて日本語版の「定量的微生物リスク評価 -
水安全管理への適用 -」(国立保健医療科学院)11を活用する。

それぞれの事案について、考慮すべき事項は以下の図表2のとおりである。
9

厚生労働省「ポリオワクチンに関する Q&A」(抜粋)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/polio/qa.html
問 3.ポリオの予防接種はどのようなワクチンで行いますか。
・以前は生ポリオワクチンを使用して定期の予防接種を実施していましたが、2012 年9月から、不活化ポリオワクチンを使用して定期の予防接
種を実施しています。
・不活化ポリオワクチンについては、単味の不活化ポリオワクチン、4種混合ワクチン又は5種混合ワクチンを使用することができます。5種混合
ワクチンは、百日せき・ジフテリア・破傷風・ヘモフィルスインフルエンザ菌 b 型(Hib)の各ワクチンと不活化ポリオワクチンを混合したワクチンで
あり、2024 年4月から定期の予防接種での使用が可能となりました。
10
「Quantitative microbial risk assessment: application for water safety management」(WHO)
https://iris.who.int/bitstream/handle/10665/246195/9789241565370-eng.pdf?sequence=1&isAllowed=y
11
「定量的微生物リスク評価 - 水安全管理への適用 -」
(国立保健医療科学院)
QMRA_JP_v1_20200327.pdf (niph.go.jp)

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